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【行動学】犬の散歩とストレスの話

問題です!
Q. 犬の散歩は、
  毎日同じコースがいい?違うコースがいい?
  毎日同じ時間がいい?違う時間がいい?
どちらでしょうか??

 正解は~~~~~~~~~~。

 番組の後半で!(チャンネルはそのまま!)


ストレス度から考えるストレスの本質

みなさんはストレスの度合いがスコア化されているを知っていますか?

ストレス度診断チェック | 自律神経失調症ガイド (jiritsuguide.com)
医療機関でも採用されており、イベントによって感じるストレス強度を数値化した指標です。

注目ポイントは『嫌な事ばかりがストレスではない』こと。
つらい出来事に比べると強くはありませんが、結婚や進学など楽しさや期待を感じるイベントでもストレスは生じているようです。
これはどうやら、いつもと違うこと(=変化)に対してストレスは高まると解釈できるかもしれません。

実際、

外部からの刺激などによって体の内部に生じる反応のこと。その原因となる外的刺激(ストレッサー)とそれに対する私たちの心身の反応(ストレス反応)とを合わせてストレスと呼ばれることもある。

厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトより

ストレスとは上記のように定義されていて、心理的に限らず気候変化なども含めた外部刺激とそれに適応するために心身が反応することがそれにあたります。
私はもっと雑に、《エネルギーを消費すること》くらいに考えています。

「やさびと心理学」より


正解発表!

では改めて問題です!
Q. 犬の散歩は、
  毎日同じコースがいい?違うコースがいい?
  毎日同じ時間がいい?違う時間がいい?

ヒントは【犬がストレスを感じない方】です。

余計に迷ってしまったかもしれませんね。
正解は『毎日違うコース、違う時間がいい』です。
ただし、100%絶対的ではないです。その理由も含めて解説していきますね。


大好きな散歩がストレスになる?

まずは、毎日違うコース、違う時間がいいの理由から。
それは
《飼い主都合でいつも通り散歩に行けない時に強いストレスになるから》

多くの飼主さんはお仕事をされていると思います。
・残業で定時に帰れない。
・シフト制で勤務時間がバラバラ
・勤務時間以外にもお付き合いがある など

最近は在宅勤務も普及して生活のタイミングを自分で選べる方もいるかもしれません。それでも、
・天気の影響(雨雲レーダーで降る時間やいつ止むかが分かるので、あと30分待って欲しいってなりません?)
・飼い主さん自身の体調
・プライベートの外出 など

わんちゃん中心の生活をされている方を除いて、散歩の時間を最優先にするのは難しいだろうと思います。時間がない時はコースも短くなりがちですよね。

飼い始めこそ「毎日この時間にしっかり時間をとって満足できるまで散歩させてあげよう」と思って頑張っても、どこかで失速するのが世の常です。。

犬は習慣で生きていくるので、決まった時間にいつものコースで散歩できないと、"いつもと違う"のでストレスを感じてしまうかもしれません。

いつ行くねん

行動は反復によって強化される

でも逆に、毎日違うコースや違う時間は変化が多くてストレスにはならないのかという疑問も出てきそうです。
これについては、明確な比較データはなさそうです。

なので行動分析学の面から考えてみますと、
《行動は反復によって強化される》ので、コースや時間を変えた場合でも、
『毎日散歩に行く』だけが強化されて他の変化は許容されると思われます。

つまりこの場合、コースや時間を問わず、毎日散歩に行ければ満足してもらえるだろうと考えます。
習慣化された"毎日行く"については叶わないと不満かもしれませんが。。^^;

例えるなら、食事は毎日食べますが、メニューは日々変わりますよね。
メニューが違うことをストレスに感じる方は多くないでしょうが、サラダから食べる習慣がある方は、それがないと落ち着かないかもしれません。

  “何が習慣づいているか”、それがポイントです。

コースを変えるメリットは他にもあって、
好奇心が刺激されることや、認知機能の向上が期待されます。
(いずれもドーパンミンが関連しますがその話はまたいずれ。)
好奇心旺盛なわんちゃんにとって、新しいルートを開拓したり、いつ散歩に出られるかワクワクできるなら、きっと毎日楽しいですね。


散歩が苦手な犬もいます

といっても、中には変化が苦手な子もいるのも事実です。
(もしかしたら散歩嫌いのわんちゃんは増えているかもしれません。)
そのような子たちにとっては、未知のルートは怖いですし、いつ散歩に連れ出されるか分からないことに戦々恐々としているかもしれません。

もしあなたのわんちゃんが好奇心旺盛でなさそうなら、今回の話は一旦忘れて、まずは同じ時間に同じコース(かつ短いコース)で慣れてもらうことから始めましょう。

抱っこで安心するなら歩かずに目と耳で慣らすだけでも構いません。
おやつで気を引けば数歩歩くならそれもOKです。
また過去投稿で書いたように、不安の原因に腸内フローラの不調があるかもしれないので、整腸剤やサプリメントを試してみるのも悪くないです。

大切なのは、まずはその子の個性に合った生活を提供してあげることです。
信頼関係を保ちながら、少しずつできる事を増やしていきましょうね!

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