キッカケは突然に

「モデルの女の子のトレーニング風景を取材するんだけど、瀬川さん、カメラお願いできますか?」

僕がはじめて、ある媒体の編集者から依頼を受けた時の言葉だ。

それまで僕がやってきたことは、その編集者には事前に伝えていた。おおよそ以下のような内容を伝えていたと思う。

・ヤフーで企画職に就いていた頃、ウェブマガジンを立ち上げて編集業務も行っていたこと
・プライベートワークとして、地元のローカル媒体を立ち上げて取材・執筆活動をしていたこと
・写真も自分で撮っていたこと

こんなことを話していたから、その編集者からしたら、多少は時間の融通が効くし写真も撮れそうだ、と思ったのだろう。

実は、最初の依頼は、執筆ではなく、撮影協力の依頼だった。

ただし、僕が当時使っていたカメラは、なけなしの小遣いで買った中古の初心者向けの一眼レフ。レンズ付きで3〜4万円程度だったと記憶している。とてもちゃんとした媒体の記事で使うには忍びないシロモノだったが、室内でトレーニング風景を取材するくらいなら、まあなんとかなるか、と思い、小さな挑戦のつもりで引き受けた。

だが、取材現場に着いてみると、取材場所は思った以上に暗く、僕の拙い撮影技術とポンコツカメラでは、思うような写真を撮ることなんて出来るわけもなかった。もちろん、照明機材など持っているワケもないし、そもそも、照明の知識など皆無に等しかった。

取材終了後、取材した仲間たちで軽く食事をとりながら、今回の取材の目的や経緯、今後の流れなどの話をしていたのだが、どうやら原稿を書く人間は決まっていないことを知る。その編集者は、誰に頼もうか、アテはあるようだったが、まだ依頼もしていなければ、掲載日なども決まったいないというような状況だった。そんな会話の流れから、なぜか、ついつい口走ってしまった。

「じゃあオレが書きましょうか?」

軽はずみというわけではないが、熟慮して決めたわけでもない。ただただ、会話の流れだった。

とはいえ、取材対象者の女性モデルには、少し興味はあった。その女性が「RIZINガール」の一員だったからだ。「RIZINガール」とは、総合格闘技RIZINのPRを担当するモデルたちのことで、ラウンドガールをしたり、イベントに出演して、RIZINという格闘技エンターテインメントに華を添える役割を担っていた。

僕は彼女のこともRIZINガールの存在も知らなかったが、「RIZIN」というキーワードに反応した。

なぜなら、僕は、日本が世界の総合格闘技の中心にいた頃、「PRIDE」のリングに、「PRIDE」の会場全体が醸し出すあの空気に引き寄せられていた人間だったからだ。

「あの熱がまた来るのか」

そんなことを期待しながら、シャッターを押し続けていた。だから、ついつい「書きましょうか」などと、口走ってしまったのだろう。

こうして、記念すべき?僕が初めてスポーツ媒体で執筆した記事がこちらだ。

RIZINガール・太田麻美「目指すのは、健康的でキレイなカラダ」

うまい文章でもないし、写真もプロの目で見れば、いろんな指摘が出るはずだが、記事から多少の熱量は感じてもらえるだろうか。

結果的に、この記事を書いてから、おおよそ1年後には、東洋経済オンラインで原稿を書いていたのだから、人生、何があるかわからない。

ハッタリが多少あってもいい。

目の前のチャンスに怯まずに、自ら少し背伸びをしてみれば、年齢も性別も関係なく、いつだって成長できるのだ。

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瀬川泰祐の記事を気にかけていただき、どうもありがとうございます。いただいたサポートは、今後の取材や執筆に活用させていただき、さらによい記事を生み出していけたらと思います。

次も「スキ」をもらえるように頑張ります!
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瀬川 泰祐

取材者の心絵(ココロエ)

東洋経済オンラインやOCEANS、AlpenGroupMagazine、キングギア などの媒体に寄稿しているスポーツライター、瀬川泰祐が取材・執筆活動の中で、日々感じている取材からの学びを書き留める。
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