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機動隊ってなに?

さて、内々示から数日後、全署員の朝礼が行われました。

私は内々示で「機動隊」の辞令が出ましたので札幌市南区へ
はいそうです。
南区とは警察学校があった場所、警察学校と機動隊は道路を挟んで向かい合っています。
と言っても、機動隊は道道の平岸通り沿いにあるのに対して、警察学校は平岸通りの一本それた市道のドン詰まりにあるので、車の通りが違います。
機動隊前の平岸通りを抜けたら国道の230号線にぶつかるため車通りが結構ありますが、警察学校の前の市道は周辺の地域住民しか通行しないので閑静な住宅街に位置しています。
向かい会うって言っても、高低差があるので眼前にありますっていうのではないですが。

数少ない同期はほとんど札幌の警察署へ散ったのでみんなに会えると楽しみにしていましたが、内々示が出た後の同期ネットワークによれば、同期10人は機動隊へ異動とのことでした。
みんな20歳から22歳までを集めていますね。
若い力が欲しかったのでしょう。

警察署の朝礼では、警部から順番に巡査まで前に出て挨拶します。
例えば巡査で異動者が5人居たとすれば、最右翼(一番右の人は巡査の中で一番の先輩)が敬礼を号令し
「ご挨拶します、北海道巡査○○はこの度の異動で、北海道警察本部警備部機動隊へ」
2番目の人が「同じく北海道巡査○○は、豊平警察署へ」
と順番に最後まで行き先を告げ、最右翼が最後に
「以上5名は4月1日付けをもってそれぞれ異動致します。」
敬礼

行き先だけを告げるパターンか、行き先の後に一言挨拶といってこれまでの思い出や笑わせることを言うロングバージョンがあり、これは最右翼の人が行き先のあとに一言を言うか言わないかで決まってきます。

もっと言うと一番最初に異動発表する警部補の最右翼が言えばみんな言い出すし、言わなければみんな言わないで簡易的になるという訳です。

巡査当たりの異動者は、言わないパターンと面白いことを言うパターンで挨拶を考えているので大変です。

異動の挨拶は朝礼で終わりますが、移動日、3月の末日で平日、つまり
異動前の平日3月29日が平日であればその日にまた朝礼で今度は異動セレモニーが開始されるので、そこでも挨拶があります。
何回挨拶するんだい

朝礼が終わり、通常の勤務に就きます。
変わらずの勤務です。
内示が出たので、異動者は電話電話電話です。

交番や自分の卓上の警察電話通称警電、これは「0」発信、0を頭に着けて相手の電話番号を推せば一般の電話に繋がりますし、携帯電話であれば交換台というところに繋げて携帯番号を伝えると、交換台で携帯電話をかけてくれて内線でつないでくれるパターンも存在します

それ以外はすべて全国の警察に繋がる警察専用電話
見た目は通常の電話ですが、幹部、警部以上の警電はビジネスフォン、表示画面があり、なにやら番号以外のボタンがいっぱいついている機械機械した電話です。

その警電で機動隊の部署の中隊長、小隊長、分隊長にご挨拶の電話を入れるのです。
機動隊の組織図は
頭に、機動隊長、副隊長 これは警視の階級
中隊長 これは中隊と言って、大きなくくりの隊一個分を任された警部が担当
第一中隊、第二中隊、第三中隊、第四中隊、特務中隊、車両中隊、管理中隊
とあり、それぞれに中隊長の警部がいました。
・一、二は一般中隊と言って、みなさんご存じの盾を持っている基本の機動隊員
・三は、これまで少し紹介してきた特別訓練員なる柔道、剣道、逮捕術、けん銃の警察選手たちのまとまった隊
・四はSAT 特殊急襲部隊
・特務は、山岳、水難、NBC専門部隊
NBCとはN=ニュークリアB=バイオロジカルC=ケミカル
の頭文字でつまり化学兵器を用いたテロ対応部隊です。
分かりやすいのが地下鉄サリン事件とかですね。
・車両は、機動隊には特殊な大型車両が数多くあります。
それらを一手に管理する部隊
例えば水難救助にいくとなると、隊員を載せるバスや水難救助用の資器材やボートをのっけた大きな車、通称イルカというでかい特殊車両が一緒に出動になりますので、それの運転及び操作で車両中隊の人も出動する、ような部隊です。
・管理は、隊長副隊長、隊員のスケジュール管理、そのたもろもろ企業であれば総務とかそこら辺の管理部隊です。

小隊長 これは前記の中隊の中に小隊と言って数個に分けられた隊があり、その責任者として警部補が担当します。
小隊は大体分隊が2から3分隊まとまり小隊としてまとまります。
ですので、小隊長は中隊の中に2,3人いるのです。

分隊長 これは前記の小隊の中にある分隊であり、基本は分隊長で巡査部長の階級にある人間が担当で部下に巡査が4人ついて一個の分隊として活動します。

まとめると、例として第一中隊第一小隊第一分隊は
巡査4人巡査部長1人(第一分隊)
同上(第二分隊)
同上(第三分隊)
これら3分隊をまとめた小隊を警部補1人が担当する小隊長で一個小隊

同上の人数を第二小隊
同上の人数を第三小隊

これら第1,2,3小隊をまとめた部隊を1個中隊として、警部1人が第一中隊を担当

という編成になります。

例えば私が第一中隊第一小隊第一分隊の所属に決定となると
第一分隊の分隊長、第一小隊の小隊長、第一中隊の中隊長
にそれぞれ電話してご挨拶をする訳です。
電話で挨拶する工程が長いのです。

ちなみに、分隊には分隊長の巡査部長を除けば4人の巡査がいて、
それぞれ上席、次席、三席、末席と立場が徐々に下がってきます。
これは、警察署よりも厳しい完全なる上下関係が構築されるということです。

その時はそんなことは知る由もありませんが。
札幌に転勤だ、やったー
なんて思っていました。

これがやばい異動になるとは知らずに・・・・

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