見出し画像

恵方参り

 新暦のお正月も明けましたが、次に来るのは旧暦のお正月である春節です。

 今日本で、これを感じる行事は、「恵方参り」です。

 「恵方」というのは、その年の「あきの方」ともいい、その年の福徳を司る吉神「歳徳神(としとくじん)」のいる方角を言います。今年は、方位盤の巳と午の間、丙の方、南南東になります。

 「恵方参り」は、この方角にある神社を参拝することです。「恵方参り」には、場所によっていろいろな方法、作法もあるようですが、ここでは一般的な方法をお話いたします。要領は初詣と同じです。

 「あきの方」、ここが歳徳神(としとくじん)のいる方角ですから、全ての事に大吉で繁盛すると言われています。そこで、この方角にある神社にお参りをすると願いがかなうとの伝えがあります。

 商売繁盛なら恵比寿神社、縁結びなら○○神社、宝くじなら○○神社というように「恵方」に鎮座する神さんや神社を探してご参拝します。これが「恵方参り」です。

 ただし、二つほど注意があります。

 まず、ご自分のお住まいから恵方がどの方向で、どの範囲かを調べなければなりません。それには暦の八方位の方位盤を使うのがわかり易いでしょう。八方位の方位盤はひとつの方位が3分割されています。全部で24分割になっていますので直ぐわかります。

 では、その方位年盤を南向きで、南の方位を見てください。3分割は左から、丙(ひのえ)、午(うま)、丁(ひのと)になっています。この「丙」の方位が今年のあきの方、恵方です。この丙の15度を延長してたどった範囲があきの方の方向になります。

 そこで、この丙の15度をお手持ちの地図の上に移します。移すといっても分度器を使って線を引くだけです。そのとき、真南を基準とすると思いますが、地図の示す南ではなく磁石が示す南でなければなりません。

 それはお住まいの地域によって若干違いがあります。何故そこまでするかといいますと、15度というのは実際には狭いので、正確さが必要だからです。その度数の違いは、図書館で「理科年表」を参照してください。

 日本の各都市のおおよその地磁気偏差の度数が図示されています。その度数にしたがって、度数分だけ南の線を動かします。その線を中心とした45度の範囲が南となり、左3分の1が「丙」の15度です。すなわち、方位盤を若干左に回転させたことになります。

 次は、その15度の範囲の延長で、お願い事を聞いていただくに相応しい神社を見出す事です。商売繁盛や金運招福なら恵比寿神社や夷堂というぐあいです。こういった参拝の仕方をよく耳にしますので、皆さん結構おやりになってるようです。ただし、霊魂を鎮め祀ったところは避けたほうがいいとのご意見がある事は申し添えておきます。

 ご興味のある方はお試し下さい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?