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長い夜 《詩》

「長い夜」

秘めた聖なる山は
幾度となく燃え上がり消える

いつか見た長い夜


あの時もそうだった 

僕は星や月を探していた


窓の外を風が通り過ぎて行った

僕はその風の温度も匂いも

感じる事が出来なかった


ただ 触れたいそう思っていた

目に見えているものは 

己が
仮説の上に創りあげた世界である事

一種の概念の上に
成立した架空の物語


恐怖を掻き消す為に

僕は彼女の身体に

聖域の入り口を探した 

また彼女もそれを望んでいた


君の創り出す
神聖地域が目の前に静かに広がる


僕の意識が追いつけなくなってゆく

速すぎる光のスピードを追いかけて

行こうよ もう引き返せないよ

彼女はそう言った 冷静に


全て上手くいくわよ 
そう信じてみて

何も怖く無くなるから

風が光を揺らした 僕の腕の中で

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