一寸の虫にも五分の魂といいますように、虫も生きています。私は無益な殺生を好みませんし、すべての生命に畏敬をもって生活しておりますが、しかし、家の中に侵入してきて害をなす虫というものもあります。
　ブッダなら微笑んで野放しにするかもしれませんが、彼は自分の子どもに「ラーフラ（障害・束縛者の意）」などと名付けるサイコパス（仮）でしたから、すべて鵜呑みにしてはいけません。

　私は虫より子どもを選びます。
　子どもを守るため、私は鬼にもなりましょう。

　そういうわけで渡邊家の壁の内側に侵入した害虫は一匹残らず駆逐してやります。その姿にはエレン・イェーガーもドン引きです。あ、クモは益虫ですからそっとつかまえて外に逃します。

　問題は駆逐の仕方です。
　ハエ叩きは壁に汚れが残る上に確実性が低く、強力な殺虫剤は子どもへの影響が心配です。立体機動装置は室内では使用できませんし、巨人化なんてしたら家が壊れてしまいます。私はどうしたらいいのでしょうか。

　そんな悩みに有用な解を得ました。

　ファブリーズです。（類似商品可）

　界面活性剤がどうとか、呼吸できなくなるとか、羽が濡れて飛べなくなるとか諸説ありますが、真偽不明です。よく分からないけど効きます。シュシュシュ噴霧すると虫の動きが鈍くなり墜落して動かなくなります。そこをさっと捉えてしまえばよいのです。

　事後、部屋が良い香りに包まれます。

　気分は北斗の拳のトキです。

　私の繰り出す「北斗有情拳（ファブリーズ）」によって、室内に侵入した害虫は良い香りに包まれながら散っていきます。本当は一子相伝の北斗神拳ですが、こっそりお伝えして幕を引きたいと思います。

　拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の拳が人を傷つける必要のない平和な世界になりますように。

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#でもあのシェルターもうひとりくらい入れたよね
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#進撃の巨人は１巻と２巻がピークだったと思っています
#開示すべき利益相反はありません。