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ラマヌジャン/天才とは何か

 近代の天才をあげるなら、確実に名前を連ねるであろう数学者がいます。

 彼の名はラマヌジャン。

 インド出身の天才数学者です。
 『インドの魔術師』の異名を持つラマヌジャンはヒンドゥー教の家庭に生まれ、学業の成績は全科目とも不良だったと伝えられています。彼の転機は15歳の頃に手にした『純粋数学要覧』という1冊の公式集でした。数学に没頭した彼は、ほとんど正式な数学の教育を受けないまま、数学者としての頭角を表します。

 ケンブリッジ大学のハーディ教授に見出されたことで、彼の天才的な閃きの数々が世に出ていくことになりました。彼の思いつきには、例えば下記のようなものがあります。

ラマヌジャンが「ひらめいた」円周率に関する公式
ちょっと意味が分からない。

 系統的な数学教育を受けていなかったラマヌジャンには「証明する」という概念がありませんでした。数々の定理や公式を発見してはハーディ教授に送り、数学者たちがそれを証明していくという手法がとられていたそうです。
 ハーディ教授はラマヌジャンについて、次のような言葉を残しています。

 真に偉大な仕事の単純さと不可避性を備えてはいなかった。それは奇妙さが減れば、より偉大になっただろう。しかしそこには誰も否定できない天賦の才能があった。それは深く無敵の独創性である。もし彼がもっと若い頃に発見され、馴らされていたら、おそらくもっと偉大な数学者になって、新しい発見やより重要な発見をしただろう。一方、彼はそれほど「ラマヌジャン的」でなくなり、ヨーロッパの教授風になって、得るものより失うもののほうが大きかったかもしれない。

ゴドフリー・ハーディ教授の言葉

 32歳という若さで今世を去った天才は、どのような世界を見ていたのでしょうか。数学の魅力、美しく完成された神秘は、この世界が緻密な設計図を用いて誰かに作られたかのような錯覚を覚えます。

 「天才とは1%のひらめきと99%の努力」という言葉は、広く誤解されています。エジソンの言葉の真意は「1%のひらめきがなければ、99%の努力は無駄になる」ということです。

 天才とは「1%のひらめき」です。
 それを形にするのが「99%の努力」です。

 そして「ひらめき」とは、古川哲雄先生の言葉を借りるなら「類似性を発見すること」です(『天才の病態生理 ー片頭痛・てんかん・天才』より)。


 僅かでも興味のある方は、ぜひ天才について語り合いましょう。


 拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の「ひらめき」が、厳しい状況を突破する光になりますように。


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