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欧米のイスラエル擁護で今後の世界の情勢は決定的に不確実となり、さて日本はどうしよう。

2023年10月からのイスラエルとハマスの戦闘は、たしかに今回のことだけに限ればハマスが先に仕掛けているが、ガザ地区のおかれてきた状況やパレスチナの歴史を思えば、日本人としてはイスラエルに懐疑的な見方をする向きが多いように思う。
しかし欧米においてはそうではなく、アメリカではイスラエルを非難すると解雇されるなどのニュースが伝わっている。またドイツは歴史的経緯から即座にイスラエル支持を打ち出していると報じられている。市民レベルでは意見が分かれている部分もあるが、国家としての態度は一貫している。
これらは歴史的経緯やユダヤ人コミュニティの影響力の現れとして伝えられているが、もっと簡単に言えば白人同士だから支持する、という構図ではないだろうか。イスラエルのガザ攻撃はこれまでも今回も多数の一般市民が犠牲になっているが、欧米の反応は鈍い。おそらく有色人種の命は彼らから見ると安いのであろう。

ロシアとウクライナの戦争で、欧米はこぞってウクライナを支援し、「欧米は正義の側に立つ」というイメージを作れていた。
しかし今回、イスラエルを欧米が支持したことでそれが完全に揺らいでしまった。
そもそも西ヨーロッパ諸国こそ何百年にも渡り世界に植民地を作って世界中の有色人種を苦しめてきたわけで、何をいまさら、なのであるが、近年の西ヨーロッパ諸国は人権や環境にかなり前のめりで取り組んでおり、クリーンなイメージで世界のトレンドを引っ張ってきた。

その化けの皮が完全にはがれてしまったわけで、今後欧米の唱える理想はこれまで程の説得力を持たないであろう。
そうなると世界秩序、これは政治や軍事の話だけでなく経済も含めての話であるが、今後の行く末が見通せなくなった言えるのではないだろうか。

日本についていえば、環境や人権への取り組みは必ずしも欧米同期ではないが、近年はかなり欧米寄りに加速してきたと思う。しかしもし今後長いスパンで欧米の発言力・影響力が落ちてくるのであれば必死になって欧米に追従する必要性もないわけで、アメリカやイギリスとの軍事同盟・軍事協力は欠かせないものの、それ以外の分野については日本の国情に合わせることや広く世界を見ることにこれまで以上に取り組んでもよさそうだ。
インドはまさにそのようなかじ取りをしているように思う。これといった同盟国もないうえに中国と陸続き、という日本以上の厳しい環境が背景にあるにも関わらず欧米に追従しきらない、という態度にはなかなかのものがある。

個人レベルで言えば投資なども同じではないか。短期的にはアメリカ企業のパフォーマンスが衰えるとも思わないし、投資環境もアメリカ以上の国はないが、長期的にはやはり世界を広い目で見ることが重要になってくるように思う。

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