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ダルマザメってご存知ですか

恐竜がまだまだ大好きな息子ですが、釣り→魚→深海の生き物にハマりつつある今日この頃。その姿は恐竜もびっくりなほど個性的で魅力的。

「しんかい(深海)ってどんなところ?真っ暗なの?」

「とにかく、光の届かない世界だからね。なーーんにも見えないよ。もう真っ暗すぎて真っ暗なことも忘れちゃうくらい真っ暗なんじゃない?」と、その「真っ暗さ加減」を説明できずに悶々としていると、

「でもさ、ちょうちんあんこうは何でも見えるでしょ!」

「いやいや、ちょうちんアンコウだって、照らせるのは自分の目の前だけだから、自分の周りにどんな風景が広がっているかなんて分からないんじゃないの?」

なーんて知ったかぶりの私。そもそも、照らすためではなく獲物を引き寄せるためだから、ちょうちんアンコウにとっては「光」とは私たち人間とは全く異なる価値観を持っていると思われるわけで・・・

そんな会話を毎晩のようにしている最近の我が家ですが、その中でも面白い生き物だなと思ったのが、ダルマザメ。ご存知ですか?

深海とは、最も深いところでは10000mだそうで・・・。海の深さの平均が約3800m。つまり、水面から富士山と同じくらいの高さまで潜っても、まだその先がズーーーっとある。しかも、そこに生き物がいるとは。それが1億5千万年前とかとても考えられない異次元ならなんとなく勝手に想像もしちゃうけど、この現代、自分と同じ「今」を生きている生物が、そんな世界で心臓動かして生きているなんて。想像できない。

さらにものすごい圧力。水深6500mでは、人の上に大きなビルが乗ったほどの圧力だそうです(それこそ想像できません)。世の中にはいろいろな圧力があるけど、深海の生き物たちのタフさに学ぶべきことがたくさんありそう。

そんな真っ暗闇の世界を紹介する図鑑に出てきたのがその名も可愛らしいダルマザメ。英語名はなんとCookie Cutter Sharkという。「クッキーの型ヌキザメ」なのです。目もクリクリしていて可愛い。サイズも40cmと小さい。

それが・・・恐ろしいことにあの海の最強のハンターとも呼ばれているシャチの体を食いちぎる!らしいのです。そのかじりあとが、クッキーのヌキ型で抜き取ったように見えることから名付けられたそうです。

歯はのこぎりのように強く、
口は吸盤のように吸いつけるんだ。
えものを見つけたら突進して、そのからだにかみつき
吸盤のような口でしっかり吸いつく。
そして、のこぎりのような歯で、肉を丸くはぎとるのさ。
わたしよりずっと大きなクジラだって
わたしのえものなんだよ。
(ポプラディア大図鑑 WONDAアドベンチャー 深海の生物)

どうして深海に生きるダルマザメがシャチをおそうのだろう?と息子の素朴な疑問も解決。なんと、昼間は深海(6000m)にいて、夜になると浅いところまでやってきて、獲物を襲うのだそうです。その行動範囲の広さ!(深さ!)にびっくり。怖すぎる。この攻撃でシャチやクジラが命を落とすほどの致命傷を負うことはない、ということは、ダルマザメにとって生きていく上で必要な食べ物がなくなることはない・・・。怖い。

息子と夜、寝る直前のベッドの上。一瞬前まで見ていた図鑑の話をしながら、電気を消して、眠りにつきます。

ダルマザメ、今ごろ、浅いところまで来てるんだね・・・。今ごろシャチにかみついているかな。クジラかな。おなかいっぱいかな。ククク(笑)、怖いねぇ。どんな気持ちでまた深いところまで潜っていくのかな、おなかいっぱいだから泳がなくても落ちていくかもよ・・・ククク(笑)目をクリクリさせて、可愛いねぇ・・・

なんて二人で全身、ギューギュー抱きしめ合いながら、怖さからくる寒気とダルマザメの行動を想像するワクワクでブルブル震えながら、夢の世界へと一緒に落ちていく、最近の私たち母子なのでした。



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