Seiko Yabe

映像翻訳者。 ピアノ弾き語りも。 ☆主な翻訳作品(吹替版) 『シカゴ・ファイア』シーズ…

Seiko Yabe

映像翻訳者。 ピアノ弾き語りも。 ☆主な翻訳作品(吹替版) 『シカゴ・ファイア』シーズン1〜9/『ジャック・リーチャー 正義のアウトロー』/ 『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス空白の5年間』/『幸せへのまわり道』/『最後の決闘裁判』 他Netflix作品等、多数

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映像翻訳者が厳選! グッドバイブスな洋画 #4 『ブロードウェイと銃弾』 (1994)【いまここの閃き】

◎「○○じゃないほう」のウディ・アレン作品ウディ・アレンの映画と聞くと、どんなイメージが浮かぶでしょうか。私と同世代の映画ファンならこんな声が聞こえてきそうです。「小難しくてわかりずらい」「アレンの演じる主人公がいつも愚痴ばっかり言ってる」「とにかくみんなよくしゃべる」などなど……。 たしかに彼の作品には、自身がユダヤ系であることへのこだわりが見られますし、フロイトやニーチェ、カントなどの影響も色濃く出ています。そのため難解にみえるものも多く、それが敬遠される一因になってい

    • 映像翻訳者が厳選! グッドバイブスな洋画 #3 『ギルバート・グレイプ』 (1993)【80億分の1の役割】

      ◎2大俳優の若々しい演技が光る秀作いまではハリウッドのベテラン俳優であるジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオが、30年ちかく前に『ギルバート・グレイプ』で共演していたのは奇跡かもしれません。当時まだ若手だった2人の演技を超えた純粋な姿には、いまでも胸を打たれます。 メガホンをとったのはスウェーデン出身のラッセ・ハルストルム監督です。 彼は第60回の米国アカデミー賞のときに、スウェーデン語の作品『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』が外国語映画賞ではなくいきなり監督賞にノ

      • 映像翻訳者が厳選! グッドバイブスな洋画 #2 『ガタカ』 (1997)【誰もが価値マックス】

        ◎いまだに輝きを失わない珠玉のSF映画『ガタカ』はニュージーランド出身の監督、アンドリュー・ニコルの長編デビュー作として1997年に制作されました。派手なCGシーンなどいっさいない作品でありながらSFの傑作との呼び声が高く、2011年にはNASAが選んだ「現実的なSF映画」の第一位にも輝いています。私もこの企画を始めるとき「これは絶対にはずせない!」と真っ先にこの作品を候補にあげていました。 なぜこれほどまで人気なのか? それは「人間の価値」という大きなテーマをあつかってい

        • 映像翻訳者が厳選! グッドバイブスな洋画 #1 『人生はビギナーズ』 (2010) 【本当のことはわからない】

          ◎名優に導かれてこのブログで紹介する記念すべき1作めを何にしようかとあれこれ迷っていた2021年の2月、ネットのニュースで、クリストファー・プラマーが91歳で天国に召されたことを知りました。その瞬間「ああ、最初はこの作品ってことだな」と背中を押された気がしたのです。 クリストファー・プラマーといえばやはり『サウンド・オブ・ミュージック』で演じたトラップ大佐が真っ先に思い浮かびます。ミュージカル映画の金字塔といわれたこの作品は、1965年の米国アカデミー賞で作品賞を含む5部門

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          映像翻訳者が厳選! ネット配信サービスでいますぐ観られる「 グッドバイブスな洋画10選」 【はじめに】

          2019年2月に開催された第91回アカデミー賞で『ROMA/ローマ』というメキシコの作品が10部門でノミネートされ、監督賞、撮影賞、外国語映画賞を受賞して大きな話題になりました。というのも、この映画はネットフリックスによって制作されたものだったからです。動画配信サービスのオリジナル作品が賞レースに名を連ねるのはアメリカのアカデミー賞史上、はじめてのことでした。 ここ数十年で、映画を観る環境は大きく変わりました。私が若かったころ、アメリカで公開されたハリウッドの話題作が日本で

          映像翻訳者が厳選! ネット配信サービスでいますぐ観られる「 グッドバイブスな洋画10選」 【はじめに】