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その中国語のフォント、ちょっと変だよ

先日たまたまこの記事を見かけて、なかなか面白いと思ったので、今日は日本の街中で見かける中国語のフォントについて語りたいと思います。

『中国語の掲示物を出すときはちゃんとフォントを設定しよう 』https://id.fnshr.info/2018/04/08/zh-font-sign/

街中で見かける中国語のフォント

最近駅の掲示板や、観光名所のパンフレット、Webサイトなどでも、一昔前に比べたら、中国語で書かれた案内や看板を見かけることが多くなったような気がします。

これは実際に駅で見かけた、おそらく駅のスタッフが簡易的に作った注意書きですが、上から日本語、英語、中国語の順に書かれています。

ちなみに中国語で書かれているのが:

候车室内禁止吸烟
(訳)待合室内は喫煙禁止です。

フォントは全体的にゴシックで統一されていますが、よく見ると「车」という文字だけ明朝体っぽくなっています。
この「车」っていう字、漢字の「車」を簡略化したもので、おそらく使用したフォントにこの字が欠けていて表示されていなかったということになります。
デザイナーとしてなかなか気になりますねぇ笑

そもそも中国語の文字には2種類ある?!

えっ、それってどういうこと?って思われる方も多いと思いますが、皆さんご存知の通り中国語を使う国や地域では、日本人が使う漢字と同じように、普段の生活では漢字を使っています。っていうか漢字しかありません笑

中国語を使用する人は中国本土以外にも、移民など世界各国に存在し、それぞれ使用している漢字が若干違うことがあります。それでは中国語にある2種類の漢字について紹介します:

・簡体字(かんたいじ)
文字の通り、「簡略化」された漢字のこと。中国本土に住む人や、マレーシア、シンガポールの華僑が主に使用している。画数が少なく、早く書けるというのが特徴。使用している人口は繁体字より圧倒的に多く、現在世界で流通する中国語の文書のほとんどが簡体字。
・繁体字(はんたいじ)
もともと古来より使われていた漢字なので歴史が長い。画数が繁雑で書くのに比較的時間がかかるのが特徴で、現在では主に台湾・香港・マカオで使用されている。どちらかといえば日本の漢字はこっちのほうに似ているので、日本人からすると読みやすい。

では先ほどの禁煙の文言を、簡体字と繁体字で見比べてみましょう:

簡 候车室内禁止吸烟
繁 候車室內禁止吸煙

基本的に日本で見られる中国語の表示は、ほとんどが簡体字のほうですが(人口が多いから)、たまに中国語が二つも表示されている場合がありますが、ズバリこういうことなんです。2種類の漢字を掲載しているのです。

中国語の無料フォントはあるの?

あります!

実際に多言語版の案内表示を作成する場合、中国語のフォントはどうすればいいのか、最初に紹介したリンクにWindowsとMacOSにあらかじめ内蔵されている中国語のフォントが載ってあるので、ぜひ参考にしてみてください。

ちなみにGoogle FontsのNoto Sans JPで検証してみましたが、どうも中国語の漢字にも対応しているようです。ということで、先ほどの禁煙標識を試しにざっくり作り直してみました:

それぞれの言語人口数を考えるとこれくらいの大きさのメリハリじゃないでしょうか。個人的に中国語の表示で繁体字を見かけると、親切だなぁって思っちゃいます。台湾ではもちろん繁体字を使っていたし、簡体字はいまだにちょっと慣れません。

おわりに

もし仕事上で中国語話者と取引をするときや、掲示を出すときなどは、フォントや、国・地域によって漢字が違ってくるということを頭に入れておくと、相手もより親切に感じることでしょう。街中を歩いているとき、ぜひ中国語を探してみれば、意外と面白い発見が見つかるかもしれません。

では、また!

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