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酸いも甘いも知り尽くしているのは、大きな強み。J1へ返り咲いたジュビロ磐田。天皇杯覇者の川崎に打ち勝つ。苦しい経験が接戦で大きな力に

酸いも甘いも知り尽くしているのは、大きな強みとなる。J1に返り咲いたジュビロ磐田のことを思う。昨季天皇杯覇者の川崎との打ち合いを制して、今季初勝利を挙げた。5-4の大接戦。昨季J2で戦った苦しい経験が大きな力となったように思う。かつて一時代を築いた磐田が、復活へ向けて台風の目になりそうな勢いだ。

2000年前後の磐田は驚異的な強さを見せていた。2ステージ制だった1997年度。セカンドステージを制した磐田は、総合優勝を決めるサントリーチャンピオンシップも勝ち、初めて王者の座に君臨した。

2002年度にはファースト、セカンドステージの両方を制して完全優勝。このシーズンは中山雅史さん、名波浩さん、藤田俊哉さんらタレントぞろい。「サッカー王国静岡」の名にふさわしい偉業を達成した。

その磐田もここ10シーズンはもがいていた。J1で5季、J2でも5季と下部リーグで辛酸をなめることも多かった。

昨季もJ2で戦った。2位に入って1年でJ1復帰を果たしたが、今季は序盤で厳しいスケジュールに組み込まれた。

開幕戦は昨季J1王者の神戸。0-2と敗れた。そして2戦目が昨季天皇杯覇者の川崎だったのだ。

1日に敵地で行われたナイトゲーム。磐田は前節の黒星からどう立て直すのか。このゲームは激しい打ち合いとなった。

磐田の植村洋斗選手が前半6分に先制点を挙げると、ジャーメイン良選手が18分、29分と2ゴール。磐田が3-0とリードする展開となった。

昨季の天皇杯覇者も黙ってない。前半36分に1本取り返すと、後半に入り立て続けにゴールを奪って同点に。互いに譲らぬ戦いとなった。

後半35分に磐田はジャーメイン選手がPKで勝ち越しても、5分後にPKを決められて再び追いつかれる。一進一退の攻防。
大接戦の様相を呈したが、磐田が後半のアディショナルタイムで得たPKをジャーメイン選手が決めて、乱打戦に終止符を打った。5-4。磐田が天皇杯王者を下して今季初勝利を手にした。

ジャーメイン選手は、この日4得点の大活躍。これまでJ1ではシーズン通しての最多得点が3点だったのに、1試合だけで4ゴールも決めた。

J1とJ2を行ったり来たりのジェットコースターの戦いが続いた磐田。酸いも甘いも知っている。この経験が大接戦での強みとなった。リードしても追いつかれる。嫌な流れになりそうでも、慌てない。J2で煮え湯を味わった悔しさをバネに、強豪との打ち合いを制した。

かつての輝きを取り戻そうとする磐田にとって、大きな勝利となったのは間違いない。酸いも甘いも知り尽くしている磐田。今季の台風の目となりそうだ。復活へ向けて、磐田の戦いに今後も注目したい。

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