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#デザイン

“欲望“がデザインする、あたらしい漁業と食文化のかたち ── 仲買人・長谷川大樹

魚の仲買人という職業は江戸時代に始まったといわれ、魚の鮮度を見分ける目利きとしての役割を担っています。大まかな仕事は、魚市場に持ち込まれた魚介類に値段をつけ、競りや入札を経て漁師たちから買い取り、飲食店や小売店に卸すこと。漁業という第一次産業と、飲食店・小売店という第三次産業を取り次ぎ、落札額にマージンを乗せて取引することで利益を得るのが一般的です。 神奈川県横須賀市にある長井漁港で、週の大半を過ごす仲買人の長谷川大樹さんの活動は、いわゆる仲買人の枠だけにはとどまりません。

「それっぽいUIデザイン」からの脱却。デザイン原則の活用によって見た目と体験に一貫性のあるUIデザインをする方法。

この記事は2023年9月30日(土)〜10月1日(日)の2日間に渡って開催された大型デザインカンファレンスDesignship2023内のLTで発表した内容です。イベント内で開催されたMeetupでの登壇としてお声がけいただきました。 本記事では、当日時間の関係上で話せなかった補足も盛り込んでおります。イベントにお越しいただいた方もお楽しみください。 自己紹介はじめまして。SHEという女性向けキャリアスクールを運営するスタートアップでUIUXデザインをしている鈴木偵之と申

デザイン史マニアがヨーロッパ近代デザインの史跡を巡ってきた旅行記

先日、大学生の頃からずっと行きたかったヨーロッパに旅行してきました。ヨーロッパには、私の大好きなデザイン史において重要な史跡や、デザインミュージアムがあります。 最高の旅だったのでぜひご紹介したいのですが、私の1万字超えの興奮をよりお楽しみいただけるようデザイン史の語り、もとい布教から始めさせてください。 はじめに:デザイン史は人類の欲求の歴史デザインの歴史の起源とはなんでしょう?例えば縄文時代の衣服や石器はプロダクトデザインと言えるでしょうか。デザイン史の始まりは産業革

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10年ものアプリのダークモード化プロジェクト、カラー設計の舞台裏

こんにちは、ニューズピックスのプロダクトデザイナー、吉川(よっしー)です。 先日、ニューズピックスアプリがダークモードに対応しました。以前からご要望を多くいただいており、昨年末から取り組みはじめ 9月にAndroid版リリース、10月にiOS版もリリースが完了しました。 2013年から今年で10周年を迎えたニューズピックスアプリ。その10年間の歴史を持つアプリをダークモード対応するためのカラー設計についてお伝えしていきたいと思います。 対応範囲アプリの全階層すべて適用す

デザインリサーチトリップにフィールドワーカーが同行して見えてきたこと

2023年6月29日〜7月2日に鹿児島県阿久根市で行われた、専修大学・上平研究室のデザインリサーチトリップに「フィールドワークの専門家」としてメッシュワーク水上が同行した。青果市場跡地の利活用を学生と地域の方が一緒に考えるプロジェクトの一環として、今回のリサーチトリップが実施され、KDDI総合研究所とメッシュワークが協力することとなった。 トリップ全体の概要や経緯に関しては、上平さんがブログにて紹介している。 フィールドワーカーの背中を見せる…?上平さんから事前に頼まれた

資本主義の後のデザイン?:Design after Capitalismを読む

環境への影響、ジェンダー差別、能力主義、監視資本主義……資本主義の限界が議論されています。しかし、資本主義の次にどこに向かうべきかを私たちは知りません。特に資本主義が終わった後の社会において、私たちがどのようなデザインを作り出すのか、それを想像することが難しい。今回のnewQ Studyでは、マシュー・ウィジンスキーのDesign after Capitalismを読み進めながら、参加者たちと一緒に、資本主義の終わりの後のデザインの可能性について語り合いました。本レポートでは

文字組版の連載、スタートします!

このたびモリサワのnote3周年を機に、文字組版に関する記事をアップしていくことになりました。 この連載を担当するのは、モリサワの中で文字や組版、印刷、制作などに関して、普段からお客様のお困りごとの解決を行っている技術サポートのエキスパートです! 以下のような内容の連載を予定していますので、ぜひご期待ください。 文字サイズに関する単位の種類 禁則文字にはどんなものがあるの? 文字間の調整と詰め組 日本語の中のアルファベットの扱い方 ルビの種類と組み方 など モリ

From our Editors ── 二つとない地図を描く

止まることなんて想像もしていなかった「まちの機能」が停止した2020年3月 ──。COVID-19のパンデミックは、あらゆる生活様式を飲み込み、私たちが暮らす世界の様相を一変させました。 もちろん、ネガティブな変化は数知れず。しかし、私たちは引き換えに、新たな街の「読み解き方」を手にしたともいえるかもしれません。 例えば、今まで素通りしていた路地に足を踏み入れたり、「もう都会にいる意味ってないかもね」と思い立って見知らぬ街に移住したり、バーチャル空間上に現れた街でもう一つ

新しい刃物のブランド「癶(HATSU)」

昨年8月から福井県に度々訪れ、あるプロジェクトに参加していました。 そのプロジェクトは「F-TRAD」という名前で、福井県の事業かつ福井で活動するデザインスタジオTSUGIがディレクションを行い、福井県内の伝統工芸を現在のライフスタイルに転換することを目的とし、伝統工芸の現場や職人と県外のデザイナーをマッチングし商品開発を行うという内容でした。 詳細はF-TRADのサイトをご覧ください。 今日はそのことについて少し書いていきたいと思います。 TSUGI新山さんとの出会い

新書が1冊できるまで ③:書籍の「顔」をどうするか?

こんにちは、光文社新書編集部の江口です。先日、来年4月に弊社入社予定のみなさんとお会いする機会がありました。ちょうど1年前には、私も「内定者」としてひとつ上の先輩方のお話を聞いた覚えがあるのですが、それにしても時が経つのは早いですね。もう「新人」ではいられないわけなので、あらためて気を引き締めなければ……と焦っている今日この頃です。 さて、この「新書が1冊できるまで」も3回目の更新です。「原稿整理編」「入稿&校正編」につづき、今回はついに「完成&発売編」になります!……と予

「ビジネスデザインのための行動経済学ノート」をカードにしてみた

2022年は「つくるデザイン」をテーマにしてみようと思います。 この数年はむさぼるように本を読んで、「面白い」と思ったものをnoteに紹介して、昨年はうれしいことに本を出すこともできました。ですが、最近はなぜか読書に身が入らなくなってしまい、今年はここに書くこともどうしたものかと悩んでいました。 そこで、インプットに刺激がないなら、アウトプットに意識を向けてみようかと思いました。デザイナーなので何かつくろう、と。(今回は少し長めですが画像が中心なので、サッと流し読みできま

原始美術ってなに? オーリニャック、ラスコー、アルタミラなどの洞窟絵画と造形の特徴

と、まぁいきなり酔っ払ってみましたが、私は真剣に「西洋美術って難しく書かれすぎじゃねぇか」と思っとりますよ。なんかもう「大谷翔平ばりにワインドアップで振りかぶって書きました!」みたいなね。重い。もうどの書籍も官僚がしゃべっているような文章で、イラストたっぷりのかわいい本でも、ちょっと小難しく見えちゃいますよね。ちいかわの横で、岸田首相がしゃべってんですよね。 この連載ではもっとおしゃべりするような感覚で、でもしっかり内容がある感じでやっていきます。「大学の講義」というよりは

"牛乳パック"どっちが好きですか?

こんにちは。 絵本と美術書の出版及び、デザインの基礎研究を行う視覚デザイン研究所の所長、内田です。前回は予告なしの公開でしたがたくさんの方に読んでいただき、いいねもいただきました。大変感謝しております。 今回は牛乳パックをテーマに、デザインの過程を公開します。視覚スケールを使って好感度の高いデザインを作りましょう。 どっちが好きですか?深く考えないで一瞬の直感で決めてください。 感情は80%読みとれます 一瞬で選ぶとほとんどの人が<b>を選びます。 牛乳らしい爽やかな元

なぜ日本のポスターはダサいと言われるのか。

映画好きのデザイナーつぼたです。日本のポスター、特に映画のポスターはダサいとSNSでも頻繁に話題になります。映画好きの私が見ても「うーん、これは魅力的な映画に感じられないなぁ」と感じるポスターは非常に多いです。しかし映画自体はとても面白い。なぜそうなるのかを分析・解説していきます。 1、組織形態まず初めに説明しておかなければいけないのが「日本のデザイナーのレベルは高い」ということです。「ダサいポスターが溢れてる日本はデザイナーも大したことないんじゃないの?」と感じる方もおら