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”国際系” note まとめ

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This magazine curates notes relating to stuffs between globalness and localness.
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2023年1月の記事一覧

2/5 映画『イニシェリン島の精霊』アフタートーク「ファッションから見る『イニシェリン島の精霊』 ~アイルランドの服飾文化について~」 開催決定!

現在、賞レースをにぎわせている、『イニシェリン島の精霊』。 先日も、第80回ゴールデングローブ賞で、作品賞(ミュージカル/コメディ部門)、主演男優賞(ミュージカル/コメディ部門)コリン・ファレル、脚本賞マーティン・マクドナーの最多3部門で受賞を果たされました。 2/5(日)『イニシェリン島の精霊』アフタートーク開催決定!静岡シネ・ギャラリーでは、1/27(金)から公開されますが、2023/2/5(日)に、静岡市にありますジャックノザワヤ店主、野沢弥一郎さんをお迎えし、「ファ

「ウクライーナの地名の正しいスペルと使用法に関する公式ガイド」について

2022 年,マスメディアで用いられるウクライナの首都名が一斉に「キエフ」から「キーウ」に変わった。 一言で言えば,ロシア語に基づく表記からウクライナ語に基づく表記への切り替えである。 この背景にはロシアによるウクライナへの軍事侵攻があると思われるが,「侵略者の言語で表記するのはけしからん」という話ではなく,「公用語に基づく表記が妥当」という話だろうと私は理解している。 侵略されている側にも多数のロシア語母語話者がいるわけだし。 ところで,ウクライナ語 Київ の発音は

遠いものを求めてしまう/ ドイツパン

先日素敵なモノが家に届いた。 雪でトラックが動かないから、お届け日が遅れます、と運送会社のドライバーから連絡が入って、ようやく届いたもの。 石川県から来たドイツパン石川県能美市にある"ブロートルーフビオベッカライ (Brotruf Bio-Baeckerei)"さんのパン!! 雪の中、よく来たねぇ。 ふるさと納税でいただきました↓ 本格的な見た目のドイツパンたち。 材料はこだわってすべて有機食材を使用。 お味は…おお、本物。 ここのパン、オススメです!本物の味をあり

THAILAND : Phuket (JAN2023)

2023年はタイ南部プーケット島でゆったりとした年始を過ごした話と、 フィルムカメラでの記録です。 THAILAND : Phuket (JAN2023)昨年の春、世界的に新型コロナウィルスに対する様々な措置が緩和され始め、春過ぎ頃にはワクチン接収を念頭とした観光ビザでの渡航・滞在が解禁された国が多くありました。 昨年はシンガポールとマレーシアへ様子を見に行ってみたのですが、もう殆どコロナ蔓延前と変わらない印象があり、折角なので年始の休みを使ってプーケット旅行に友人と行っ

カザフのステップからビシュケクの道端へ/後編

 4時間ほど走り、キルギスとの国境付近のコルダイという小さな町まできた。ここで一度バスを降りて手荷物検査とパスポートコントロールを通過し、歩いてキルギスに入る。大きなゲートがあり、軍服を着た男たちが立っている横をアーチ型に囲われた通路を通る。建物の中に入り雑な手荷物検査を通過すると、その先の狭い部屋には行列ができていて、すし詰め状態だった。なかなか順番は回ってこないが、そこにいるいろんな顔の人間の中の一人として、ただ何者でもない、強いて言えば日本から来た日本人、としてそこにい

歴史のことば No.19 「今日の気候変動は別の意味で歴史の産物でもあるのだ。」

人新世という言葉が、だいぶ知られるようになった。 自然科学の用語なのだから定義がしっかりしているのかといえば、そういうわけではない。学術的には、かなり込み入った論争を含むやっかいな言葉でもある。 だが、「人間が地球におおきな影響を与える時代」という意味として、おおかた流通しているようだ。 すべての流行語がその道をたどるように、言葉の送り手と受け手のあいだで、必ずしも意味の一致をみないものの、それとなく流通している。そんな「言語ゲーム的状況」にあるのが、現状の「人新世」の使わ

「大航海時代」 新科目「世界史探究」をよむ 3.2.6 スペイン・ポルトガルの新航路開拓

「大航海時代」というネーミングは適切か? 「大航海時代」を辞書で引くと、次のようにある。 「大航海時代」と「発見の時代」。 ヨーロッパが大航海をした時代。 ヨーロッパが新航路と新大陸を発見した時代。 この二つの言葉の共通するのは、どちらも主語が「ヨーロッパ」にある点だ。 ヨーロッパ中心の歴史の見方をすれば、この用語は適切だろう。 しかし、ヨーロッパが進出した側から、ヨーロッパの進出を眺めた場合、果たしてこの用語は事態を正しく言い表していると言えるのだろうか? 乏しか

「旧市街」は、日本にもあった。そこには、中東のにおいがあった

旧市街、という言葉、分かるようでよく分からない言葉だ。英語だとオールド・シティ。 ただ、「ただ古い」ということばかりでなく、「新市街」と対になることで、存在感を持つ言葉だ。 去年の11月、サイタマ国のカワゴエ市に転居した。それまでほとんど訪れたことのないところだったが、住み始めてすぐ、「旧市街」と「新市街」という言葉が浮かんだ。最近は、実際にそうした区分を言葉でも発するようになっている。「新市街に出かける」とか。 カワゴエ市でいうと、古い蔵造りの街並みがある界隈が旧市街

日本から出国できなかった話

みなさんは、海外旅行はお好きですか? コロナ禍になる前、私は海外旅行が好きで40ヶ国近い場所を訪れていました。社会人になっても、休暇を見つけては韓国やキューバに行っていた程でした。それだけに、もうそろそろ海外が恋しくなってきました。 さて、海外旅行にまつわる小話をひとつしようと思う。 海外旅行の醍醐味に「スタンプ」があります。パスポートに乱雑に押される、個性的なスタンプ。旅をした記憶が刻まれる瞬間には誰しも胸が踊らされることでしょう。しかし、そんな「スタンプ」の中にも哀