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"教育系" note まとめ

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"教育系" noteのまとめです。
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2020年4月の記事一覧

黒板のないアメリカの学校

2018年の8月から2019年7月までの1年間、アメリカの公立高校で1年間勤務した経験で最も驚いたことの一つに教育現場におけるテクノロジーの普及があります。各教員が自分の教室を持てるアメリカでは1人の教員に複数のコンピューターが充てがわれプロジェクターにホワイトボードやスクリーンのある部屋が一般的で、中にはスマートボードと言われる電子黒板が導入されている学校もあります。 日本の学校のシンボル的な存在である「黒板」がない。 これが私の最初の感想でした。色んなアメリカ人の先生

オンラインコミュニティ構築の9ステップ

オンラインで大学の授業をすることになった。正直なところ15年間インターネットをベースに仕事をしてきた私は「なんとかなる、むしろ可能性が広がる」と感じた。だけど、ネットを今まで使って来なかった人たちにとって、このオンラインのみの環境はしんどそうだ。そこで、ここ1年にやってた仕事やコミュニティ構築の経験まとめてみた。授業の進め方を迷って困ってる先生は、騙されたと思って、ひとまずこの9ステップ試してみてほしい。 オンライン9ステップ@4mimimizu 1-メール(またはSNS)

愚者は学習し、賢者は勉強する:なぜ僕らは思考をアップデートしなければならないのか?

このnoteは、僕の著書『世界は贈与でできている――資本主義の「すきま」を埋める倫理学』に入れられなかった文章や、関連する考察を中心に更新しています。記事を気に入って下さったら、書籍もお読みいただけるととてもうれしく思います。 きょうは、今すぐ役に立つわけではない話を書きます。 目の前にあるものを見つめ続けるだけでなく、少し遠くをちらっと眺めることも僕らには必要だからです。 なぜ僕らは勉強しなければならないのか? 本の中でも、この問いに対する一つの回答を提示しています

規範意識が中学に入ると低下する理由は?「思春期」で片付けられない側面がある。

私が参照したのは、三重大学教育学部研究紀要の廣岡秀一・横矢祥代『小学生 ・中学生 ・高校生の規範意識 と関連する要因の分析』です。論文自体は14年前のものであるが、統計をもとに、小中高生の規範意識の実態がわかりやすく分析されている。その中で、廣岡と横矢は三重県の小中高校生を対象にアンケートを実施し、規範意識の実態調査を行った。その中で次のうような結果を明らからにした。論文は以下のURLより読むことができます。 https://ci.nii.ac.jp/naid/120000

毎日を幸せに過ごすためのシンプルでパワフルな方法 − 今週の「幸せのたまご」の描き方

最近、感染の広がりとそのリスク回避のために、仕事や生活がいつもとは大きく違うものになってきています。 やらなければならないことがたくさんあり、また、急に対応しなければならないことが入ってきたりして、毎日、とても忙しく過ごしている人が多いでしょう。 また、逆に、すべての予定が白紙になり、何もすることがなく、ただただ家のなかにこもっているという人もいるでしょう。 どちらの場合も、これからの毎日がどういうものになるのかは、実は、自分次第なところがあります。 今回は、これから

学びを共有するコラボレーションを。

2月末からはじまった欧州における新型コロナ禍は、「感染拡大を防ぐための緊急対策」から「その後をどうするか?」に関心が移行してきています。もちろん、長期的な「ウィルスとの共生」を意識している話です。したがって封鎖の段階的解除の判断指標と方法だけでなく、考え方の変化をどう捉えるか?にも焦点がおかれます。 まず、このテーマの前提となる状況を把握しておきましょう。結論をいえば「確かなことは何も分からない」です。 感染症の専門家でさえ「COVID-19って名前はつけたが、どんな性格

一斉休校中に全国から250人が参加した「夢をデザインする授業」の動画公開とその使い方

公開した動画@Youtube 1.はじめに全国で緊急事態宣言が出ました。僕は東京に住んでいて2週間早く子どもと一緒の生活が再び始まっていますが、今週からは全国に拡大することになります。 全国の子供を持つご家庭で、常にお子さんと一緒生活するという「非日常な日常」が始まっていますが、いかがお過ごしでしょうか? 在宅ワークもセットになって、家族との時間が増えてお子さんと向き合う時間が増えたと実感された方も多いのでは無いでしょうか?一方で、学校からもらったドリル型の演習がなかな

「いじめの構造そのものを、ぶっ壊す可能性を提示しなければならない」―――岩田健太郎 教授に聞く

「子供のいじめがなくならないのは、そもそも日本の大人社会が、いじめ体質だからだ――。」先日、「あとがき」と「目次」を先行公開した光文社新書の新刊『ぼくが見つけたいじめを克服する方法――日本の空気、体質を変える』が、本日発売となった。刊行に際し、著者である神戸大学の岩田健太郎教授に、話を聞いた。 なぜいま注目の感染症の専門家が、「いじめの本」なのか。岩田氏がこの本に込めた思い、そして今こそ読者に伝えたいこととは? 写真・野澤亘伸/聞き手・光文社新書編集部 ・・・・・・・・

「あつまれ どうぶつの森」の博物館はどうすごい? 一級建築士に聞いてみた

はろー、まいしろです! ところで皆さんは「あつまれ どうぶつの森」をやっていますか? コロナの影響で ・中止になった卒業式をあつ森でやる ・政治のデモをあつ森でやる などなど、かなりナナメ上の方向でも話題になっているゲームですが、そんな話題のあつ森をようやく私も5日前に始めました。 一応あつ森をやってない方のためにゲームの説明しておくと、こんな風にアウトドアな生活を楽しんだり... 通信で リアルの友達と釣りをしながら遊んだり... 安全に 感染症対策を訴えたり

勢いだけでオンライン授業の可能性検証をやってみた話。

新型コロナウィルス感染症対策による一斉休校。 一斉にEdTech事業者がオンラインサービスの導入を進める中、 私たちキャリア教育コーディネーターって、 ちょっと「見てるだけ〜」になりがちでしたので、 じゃー、オンライン学習、やってみようぜってことで いきあたりばったりでやってみました。 で、どうだったの?というのを、 論文”風”に、書いてみたいと思います。 明確な仮説を持っての検証ではなかったので、 あくまで”風”でしかないのですが・・・(笑) **************

【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】身のまわりの「ナゾ」から始める探究学習

探究学習をサポートできるカードゲームを開発しています。 タイトルは「偏愛トピック研究所」。 今日は、なぜ作ろうと思ったのか、背景をお話しさせてください。  *いま、クラウドファンディングにも挑戦中! このカードゲームを作ろうと思ったのは、 「問いを立てる」って、むずかしいなー、と思ったからです。 高校の「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」へ。 この学習指導要領の改訂について知ったときに、 素朴な疑問としてこう感じてしまいました。  「これって、進学校向けの施策

COVID-19下の教室の窓から(1)

新型コロナウイルスの感染の広がりから、勤務校でも臨時休校が続いている。この休校下における授業運営の実際については、既に多くの記事が投稿されているのでここに新しく何かを書くことはしない。 しばらくの間、ここには私が感じたことや考えたことを備忘録としてまとめておきたいと考えている(その理由もいずれ別の記事で書くことになるだろう)。 (1)「感染症は全員に平等である」のだろうか.COVID-19について、誰もが平等に感染しうることから、ビル・ゲイツが「感染症は平等である」と唱え

次のアニメを観て、後の問いに答えなさい。(アニメを例にした小説(文学)読解の講義録・後篇)

「次のアニメを観て、後の問いに答えなさい。(アニメを例にした小説(文学)読解の講義録・前篇)」の続きです。 象徴性えに「象徴性とは、『ある具体的な事物に、抽象的なメッセージが隠されていること』だ。例えば、『四つ葉のクローバー』といえば、『幸運』の象徴だ。じゃあ、『鶴』とか『亀』はなにの象徴でしょうか?」 生徒「長生き」 えに「正解。じゃあ『白い鳩』は何を象徴しているかわかる?」 生徒「平和?」 えに「すばらしい。その通り。このように、『亀』とか『白い鳩』とか、目に見

4月からまなぶ現代文①言葉の知識

0 はじめに  受験生のみなさん、はじめまして、土井諭です。予備校で現代文を指導したり、模擬試験の作成や問題集の執筆をしたりしています。どうぞよろしくお願いします。  新型コロナウイルスの感染拡大にともない、学校や塾や予備校が休校になるなど、受験生にとってとても大切な時期である4月・5月に十分な学習環境が失われてしまっていることを心配しています。本来ならばこの時期に学校や塾・予備校の先生から受験勉強の進め方についてのアドバイスなどがあるはずですが、皆さんはそうした指針の得ら