マガジンのカバー画像

"教育系" note まとめ

2,818
"教育系" noteのまとめです。
運営しているクリエイター

#読書

仕事をしながら毎月10冊以上読む方法と、そのために欠かせないツール【#15】※Notionテンプレ付

社会人になると、「本を読めなくなった…」という声をよく耳にします。知り合いにおすすめの本を尋ねても、「あまり読めていない」という返事が多いのが現状です。 自分自身は読書家とは言えませんが、意外と本を読む時間をつくれていることに気づきました。周りの人から「どうやって読書時間を見つけているの?」とよく聞かれるので、この記事では、試行錯誤の末に行き着いた現在の読書スタイルを紹介したいと思います! ・・・ 今読みたい・読むべきと思う本だけに絞る1. 読みたい本をリストアップする

【ニッポンの世界史】#32 少女漫画がひろげた世界史の担い手:『ベルサイユのばら』を中心に

 はじめに結論から。  少女漫画『ベルサイユのばら』が、世界史をコンテンツとして楽しむことのできる広汎な読み手を育て、歴史の関わり手を男性だけでなく女性にひろげる役割を果たした。  今回ここで述べるのは、たったそれだけです。 *** 歴史を物語として楽しむカルチャー  歴史を物語として楽しむ行為自体には、口伝えの伝承や軍記物語など、それこそ長い長い歴史があるわけですが、日本ではとりわけ近世以降、商業的な出版や演劇、講談を主要なメディアとして、たとえば『三国志演義』の二

「教養は人を幸せにするのか」問題

こんにちは。 先日、『マンガでやさしくわかる知識創造』の出版記念イベントがありました。 主宰されたのはSECIプレイス。 「片付けパパ」こと大村信夫さんが登壇者に質問をする形で、著者の西原文乃先生、マンガの主人公モデルの村上修司さん、不詳ワタクシメにインタビューをしていただきました。 お話は本の内容に沿った説明で、詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、私が本を編集していて印象に残っていた内容が、イベントの中でも出たのでちょっとご紹介できればと思います。 知識の定義で

【ニッポンの世界史】#20 戦後の「世界史全集」ブームのゆくえ

出版ジャーナリズムが世界史をダメにした?  これまでたびたび紹介してきた歴史学者上原専禄は、1950年〜60年代までの世界史に関連する出版物の変遷について、次のように評しています。  この1969年に書かれた論考で上原がここで批評の対象としているのは、古代から現代までをカバーする「世界史全集」のことです。  全集といえば、「世界文学全集」や「百科事典」が刊行されるようになるのは、戦前の大正時代からのこと。新潮社の『世界文学全集』(全57巻、1927〜32年)は1冊1円の

精霊たちが出迎える

*以下は「週刊朝日」のコーナー「最後の読書」に寄稿した文章。人生最後 に本なんて手にするだろうか、と考えながら書き始めた文章で、ディケンズの『クリスマスキャロル』を扱いました。 ・・・ 人生が終わろうとするときに本なんて手にしないだろう。私にとって本は自分を慰めるためのものではなく、自分を変化させながらなんとかこの世でやりくりするためにあるものだから、死ぬ前に読む動機なんて見当たらないだろう。 しかし、日常の中で過去の読書を反芻することを私は繰り返している。日々十代の子

冒険と読書の同一性。主体性の話し

探検とは何か  今から100年以上前の1911年12月。ノルウェーの偉大な探検家、ロアルト・アムンセン率いるノルウェー隊が南極点に人類初到達をした。  しかしこの時、南極点初到達を目指したもう一隊が存在した。それが、イギリスの海軍大佐ロバート・スコットが率いるイギリス隊である。  スコット率いるイギリス隊が南極点に到達したのは1912年1月。アムンセンたちに遅れること一ヶ月。スコット一行が苦難の末に辿り着いた南極点で見たものは、アムンセンが残したテントとノルウェー国旗だった

読書をしながら聴くクラッシック音楽

喫茶店で本を読んでいるときは、店でかかっている音楽とか他の雑音なんかは全く気にならないのですが、自分の部屋では音楽を聴きながら本を読むのは苦手です。 どうしても本に集中することができないのです。 なので自分の部屋で読書をするときは、音の鳴るものは何も付けずに、無音状態でひたすら本に向かい合っていました。 しかし最近は、Amazon musicで、クラッシック音楽をかけながら本を読んでいます。 きっかけは『任侠楽団』という小説でした。 この小説は、私の好きなシリーズもので、著

もしも高校倫理の先生がアリストテレスだったら。『ニコマコス倫理学(上)』

『ニコマコス倫理学』のテーマは「幸福とは何か」 アリストテレス「皆さんこんにちは。私はアリストテレス、古代ギリシアから来ました。今日は私の倫理学に関する著作をまとめた『ニコマコス倫理学』をテキストとして皆さんと一緒に学んでいきたいと思います。よろしくお願いします。」 生徒一同「よろしくお願いします。」 アリストテレス「今回の授業のテーマはずばり【幸福とは何か】です。ほぼすべての人間は幸福になりたいと願っています。皆さんが一生懸命勉強するのも、大人が必死に働いてお金を稼ぐ

大学生がダマされる50の危険 (三菱総合研究所/全国大学生活協同組合連合会)

(注:本稿は、2011年に初投稿したものの再録です)  今年から娘が大学生になったので、ちょっと気になって読んでみた本です。  私が大学に入学したころ(今から30年以上も前ですが、)からあったケースもあれば、いかにも今日的といったものも取り上げられています。  ちなみに「目次」を紹介するとこんな感じです。 第1章 入学前に知っておきたい!―大学生が巻き込まれやすい危険(悪質な宗教団体の勧誘―ボランティアサークルのはずが… キャッチセールス―断りきれないと深みにハマる ほ

揺らぎと共に同時並行的・無意識的に進む学び ~鈴木宏昭『私たちはどう学んでいるのか』~

鈴木宏昭『私たちはどう学んでいるのか ―創発から見る認知の変化』ちくまプリマー新書、2022年 学習論関連の入門書(稲垣&波多野『人はいかに学ぶか』からWillingham『教師の勝算』まで)の読解を例年教職大学院の授業の課題にしている(まさに今もその只中)私にとっては、外せない一冊。しかも、認知科学界の大御所、『類似と思考』をはじめとした著作で知られる鈴木宏昭氏。 が、1章「能力という虚構」、2章「知識は構築される」のあたりは、「あれっ、けっこう普通じゃん」と少し醒めた

電子書籍の読書ハック: 一生分の読書ノートを一冊当たり5分で作っていく究極の方法

電子書籍の読書ハック: 一生分の読書ノートを一冊当たり5分で作っていく究極の方法 はじめに今日のタイトルは一生分の読書ノートを1冊あたり5分で作っていくというものです。読書ノートは実は、簡単な作業でデータベース化していくことができる。そして、それをレゴのパーツのように分解したり、要約したり、圧縮したりして再利用できる、そんなお話です。 前回の復習ここまで、読書の生産性を格段にアップする「読書ハック」ということでお話をしてきました。そして前回は紙の本をどうやって、デジタルの

「読解力」と「読む力」 《「読む」ってなんだろう?――認知科学から考える》第2回

言語の理解と思考の発達に焦点を当て、「学び」の本質について研究を行ってきた、慶應義塾大学教授の今井むつみさん。本連載では、私たちの誰もが日常で当たり前のようにしている「読む」という行為を手掛かりに、そのことを掘り下げて考えます。 *第1回から読む方はこちらです。 私の子ども時代の読書 前回は、小学生の算数の文章題に焦点を当て、「読解」とは何かを考えてみた。今回は、より広い視点で「読む」ということについて考えてみたい。そもそも「読む」は「読解」と同じ意味なのだろうか? 「人

しがない公民科教員は西田亮介の新刊にぴーんときた

お初にお目にかかります。 地歴公民の臨時任用講師を務めております、風、光、私。と申します。 坂口安吾の代用教員時代のエッセー「風と光と二十の私」からハンドルネームを取ったのですが、どうにもアバンギャルドな感じがしてなじめないので、そのうち変更するかもしれません。 さて。 この本の感想を書きたいと思って、放置していたnoteのアカウントにログインをして、レビューを書き始めました。 結論、書きすぎました(笑) 本来一つの投稿でおさめるつもりだったのですが、読みやすさを考

しがない公民科教員は西田亮介のたった一つの誤解を解きたい~新しい合理的市民像とその緩やかな受容~

↑前回の記事の続きになりますが、この投稿から読んでくださっても大丈夫だと思います。 ①なぜしがない公立高校公民科教員がこの本を手に取ろうと思ったのか(前回) ②本の中身についてのレビュー(この投稿) 初めに結論を述べます。 本書は最近読んだなかで一番高校生に勧めたい本です。そしてそれ以上に公民科の教員に勧めたい本です。 やや物騒なタイトルをつけてしまいました(スミマセン)が、もちろん理由はありますのでぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。 西田先生、それ誤解です