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世界三大アヴェ・マリア

アヴェ・マリアを作曲した音楽家はたくさんいますが、世界三大アヴェ・マリアと称されているのはシューベルトとバッハ・グノーとカッチーニです。

三曲とも非常に有名ですから、どこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。

シューベルト

まず最初はシューベルトのアヴェ・マリアについてです。シューベルトは歌曲を多く残しているのですが、アヴェ・マリアは最晩年に作られたと言われています。

優しくて温かみのあるメロディーが印象深いです。

歌詞はスコットランドの詩人であるウォルター・スコットの湖上の美人が使われています。
湖上の美人に登場するエレン・ダグラスは王から追われる身になるのですが、その時に聖母マリアに助けを求めます。

そのエレンの歌がシューベルトのエレンの歌第三番で、のちにアヴェ・マリアとして定着しました。

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バッハ・グノー

続いて有名なのはバッハ・グノーのアヴェ・マリアになります。

この曲は厳密にはバッハが作曲したわけではありません。シャルル・グノーがバッハの平均律クラヴィーア曲集第一巻の前奏曲一番を伴奏にしています。

そこにラテン語の聖句であるアヴェ・マリアを歌詞に使って完成させました。声楽曲なのですが、チェロ・バイオリン・ピアノ向けの曲に編曲されることも多いです。

バッハの平均律クラヴィーア曲集第一巻の前奏曲一番はとても有名で、メロディーが印象的なので聴いたことがある人はたくさんいるでしょう。

まさにアヴェ・マリアに相応しい美しさと優しさが感じられます。

カッチーニ

三曲目はカッチーニ(ヴァヴィロフ)で、これはシューベルトやバッハ・グノーの作品とはまったく雰囲気が異なります。

カッチーニはバッハと同じバロック時代の作曲家なのですが、このアヴェ・マリアは暗く切なさに彩られています。

現在は有名ですが実のところ1970年にソ連の音楽家によって発表されたものです。

出典が明らかにされていなかったので実際の作曲者の存在は不明でしたが、のちにカッチーニの曲であると公表されました。

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