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25歳で初上京、27歳で異業種に転職。やっと見つけた、私の心からやりたい「お花しごと」

つくるひとシリーズでは衣食住を彩るイイもの・ことを創り出す人々をご紹介。日々の生活の中でクリエイティビティを発揮する人ってどんなひと?
今回はフラワーアーティストのMocoさんをご紹介します!

Moco


出身:奈良県
現在の職業:フラワーアーティスト
すきなこと:ジャンルを問わない創作活動/アート・音楽鑑賞/散歩
挑戦したいこと:海外留学/ 将来自分のお店を持つこと

普段のお仕事について

―Mocoさんは普段、どういうお仕事をしていますか?

仕事では五反田にあるお花屋さんで販売員として働いています。様々な理由でお店を訪れるお客様のニーズに合ったお花を一緒に考え、提案するのがとても楽しいです。最高な状態でお客さまに買っていただけるように、日々思いやりを込めてお手入れをしています。時にはブランドのブティックやレストランに出向き、お店の装飾の一環としてお花をディスプレイすることもあります。そのお店のコンセプトに合ったお花をセレクトし、より魅力的な空間が出来上がるように常に試行錯誤。責任重大な役割ですし、正解があるわけでは無いから常にスキルアップしようとする向上心は欠かせません。

フラワーアーティストになるまで

―フラワーアーティストとしての活動は長いのですか?

フラワーアーティストとして働き始めたのは、つい2-3年前のことです。5年前までは東京にすらいませんでした。

奈良県出身で25歳までずっと家族暮らし。栄養士の資格を持っているので、調理師として学校や病院等の施設で勤務していました。もともとアートやサブカルと呼ばれるジャンルのものがすごく好きで、時々東京には足を運んでいたのですが、自分も何か東京で勝負したいっていう気持ちが徐々に強くなってきて…。ついにはいてもたってもいられなくなってしまいました。笑
周囲からの反対意見もあって最後の最後まで迷いましたが、東京に来ることを諦めたら一生後悔すると思い、思い切って単身で上京しました。

当時は東京に来ることが目的であり目標だったので、いざ上京したときに迷いました。「私、何をしよう。。。」って。
勢いで上京したけれど自分は何で勝負したいのかその当時はわかりませんでした。そこでまずは生活するために、栄養士の資格やいままでの経験を活かして表参道のレストランの厨房に立つことにしました。

お世話になっていたお店は国産野菜やオーガニックをテーマにしていて、ビーガンにも対応。料理の美味しさはもちろん、先進的なコンセプト、料理長のキャラが良くてテレビに紹介されるほどの人気店でした。お店や料理自体はとっても華やかだけれど、そこで働く従業員の生活は体力勝負。終電帰宅の毎日が続きました。厨房に立ち続ける日々の中で、心身両面で追いつめられるようなことはもちろんありました。しかし、選りすぐりの素晴らしい食材で料理をすることで自分の中にあった「創作活動で東京で勝負したい」という闘争心のようなものに再び火がついて次第に大きくなっていきました。

27歳、決意の異業種への転職

「再び戻り始めた創作意欲をどこに生かそう。。料理の道もいいけれど本当にそれは自分が望み、後悔しない選択肢なのか。」
再び自身に活力が戻ってきたものの、そのパワーをどこに充てればいいのか消化不良のままモヤモヤする日が続きました。たまに取れる休日は自分のInstagramや写真を見返し、自分の歩んできた人生を振り返り自問自答を繰り返しました。するとちょっとずつ見えてきたことがありました。それは、

自分は料理も好きだけど、もっと愛を注いで頑張れるのはもしかしたら「花」なのかもしれない

ということでした。
思い出してみると、物心ついたときからずっと家には花があり、常に花に囲まれた生活をしていました。花を通して四季を感じ、愛で、美しさを楽しんでいました。

毎日寝るためだけに家に帰るような生活を続けていると、いつも心のどこかでもの寂しさを感じるように。。その寂しさは愛でるための花が無いことはもちろん、花を楽しめる時間や心の余裕さえ無い生活を送っているからかもしれないと思うようになりました。

日々の生活の中の1つのシーンとしてはもちろん、人生のイベント事やちょっとした感謝の気持ちを誰かに示すときにまでお花は選ばれます。きっとそれは、花には普遍的な美しさがあって人を幸せにするようなパワーがあるから。私はそんな花を扱う仕事をしたい。その想いは日を重ねるごとに徐々に自分の中で大きくなっていきました。

自分の中に湧きあがる情熱に対して忠実になろう。まずは、普段のレストランでの勤務とは別に、友人、知人限定でブーケやオブジェの製作を受けることから始めました。
しばらくして転職活動も開始。でもね、非常にしんどかったんだこれが…(笑)メンタル、体力の両方で限界を感じるくらい日々全力疾走。結果、現在のお花屋さんでのご縁をいただくことができました。

アーティストとしての今までとこれから

―もともと食の世界でキャリアを積まれていたMocoさん。フラワーアーティストとして今後どうしていきたいですか?

まず、フラワーアーティストとして引き出しをもっと増やしたいです。表面的な知識だけではなく、農園を実際に訪れて農家さんを知り、花を深く知りたい。そして、もっとたくさんの「花のある生活」のワンシーンや文化との関わり方を見てみたい。具体的にどの国に行きたいかはまだ絞り切れていないけれど、海外留学は自分の中で大きな目標の1つです。

留学にはまとまった時間とお金がどうしても必要なので、今はその準備期間だと思っています。今意識していることは、インプットとアウトプット、両方の機会を積極的に作ること。
インプットでは五感を使って、美術や映画、音楽を楽しむこと、そしてお花屋さん巡りを意識的にするようにしています。煮詰まったときは散歩で目的地を持たず気が向くままに歩いて偶然見つけた喫茶店に入ります。お気に入りのエリアは吉祥寺や下北沢です。どんなに通っても全く飽きが来なくて、必ず訪れるたびに新しい発見があるのが魅力的だと思います。

もっと強化する必要があるのはアウトプット。自分の肩書から会社の看板を外した時、自分には何があるだろうと考えると正直まだまだだなぁ、、、って思います。一人のアーティストとして自信を持って表現したい。そしてそれが誰かの「幸せ」につながってほしい。小さなステップではありますが、まずは自分には無い感性や才能を持っている人たちとコラボレーションしたりして化学反応を起こしていきたいです。失敗もあるかもしれないけれど、きっと自分の糧になり、ゆくゆくは誰かのためになると信じています。

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