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高齢者ランナーは故障中に何をすべきか?

こんにちは!故障中の高齢者ランナーの山崎です。右アキレス腱付着部炎を押して走り切った長野マラソンの代償で、現在休足3週目に入ってます。お灸をしながらも、さすがに焦るなあ。

なんとか年代別4位

ランナーが故障中に考え、悩むことは二つではないでしょうか。一つは故障の診断と治療、いつになったら治るのか? 早く治る方法はないのか? 二つ目は、どうしたら故障前の体力、走力を少しでも維持できるのか、どういうトレーニングをしたらよいのか?しかし故障中に考えることはそれだけでしょうか。三つ目は・・・

故障の診断と治療

僕の場合、自己診断でアキレス腱付着部炎としてますが、100%正しいかどうかはわかりません。僕は整形外科は門外漢です。ただ病院に長く勤務したこともあり、医者ができること、できないことは多少見当がつきます。膝のようなこみいったジョイントに比べて、踵の後ろのような表層の痛み診断はそうはずれないかなと思います。そもそも原因がオーバーユースは間違いないし。

疾患を調べるときは米国学会のガイドライン・レビューを最初に調べます。偉そうに聞こえるかもしれませんが、ウェブは玉石混合です。学会の最近のガイドラインを確認すると診断方法、治療方法の全体を把握する上で間違いが少ないと思います。

英語論文はちょっと、という方も最近のDeepLやGoogle翻訳を使えばそこそこ読解できるのでは。前にも書いたようにアキレス腱付着部炎については米国整形外科・足踵学会のレビューに診断・治療のエビデンスが書かれています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28789557/

走力を維持するためにどういうトレーニングをしたら良いのか


▲がトレーニングを積んだ人のVO2max

継続してきたトレーニングを中断すれば当然体力、走力は時間と共に落ちます。ただしその程度はランナーの元のレベルや年齢によって異なるようです。VO2 maxだってトレーニング状態と年齢によって図のように異なります。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10710351/

こういったことは運動生理学の論文を自分で検索すれば大体わかります。ためしに”detraining”という言葉をPubMedに放り込んで検索すれば興味深い論文が色々出てきますよ。

さまざまなランニング系のブログや本、記事にはこれらの論文からグラフやデータが抜き出されている場合が少なくありません。中にはどこかのウェブサイトから自分の主張に合うもの?をパクって書かれたような記事もありそう。「原著を調べる」これは科学的に考える時の基本でしょう。逆に言うと根拠のもととなる引用論文の記載のない記事は、作文として楽しく読めばいいでしょう。もう一つ言うと「論文は常に批判的に読め」とも教わりました(笑)

耐久系の運動生理学論文では大抵ランニング、サイクリング、ボート漕ぎなどが対象のトレーニング内容として出てきます。endurance系の能力を維持するのであれば、これらのトレーニングの中から痛みを伴わないもの、できるものを検討します。僕は今までの故障や怪我ではバイクだと痛みがないのでエアロバイクを漕いでます。この効果に関しては次回考えてみます。

右の踵にお灸

故障について練習ノートに書き残す

故障の治療法や故障中のトレーニングは気になります。しかし、今しか出来ないことをすべきでしょう。それは現状を書き残すことだと思います。今回故障して残念に思ったことは4年前と同じ痛み、故障なのに、4年前の状況の詳細が残っていないのです。

当時はジョグノートに日々のトレーニングログを残していました。ジョグノートが終わってしまい、現在はSTRAVAに移行しましたが、ランニング系のSNSには必ずしも痛みの詳細などは記載してません。結局故障はいくら論文や、ひとの体験談をよんでも個々人で違います。特に僕のような高齢者の故障については若いアスリートの故障のようには行かないでしょう。やはり多くの競技者が言うように自分の練習日誌に故障の状況を書き残す。

レベルは人によって違えど、ランニングで速くなろうとすれば故障は避けがたいと思います。ただ、故障を少なくする、軽く済ませるためにどう対応するか、は過去の経験が生きるはずです。実験で大切なことは失敗すること、失敗した経験を活かすこと。そのために実験ノートはある。ランニングもまたしかり。練習ノート、はじめました。


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