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それから私と先生は急速に仲を深めていきました。

レッスンの中で、私は先生の伴奏で歌うようになりました。自分の気持ちを歌詞に重ねるための選曲をして。先生は気づいていたでしょうか。私は歌が苦手で精一杯歌ったのですが、先生がそれを聞いて「可愛いね」と言ってくれたのがとても嬉しくて、何度も思い出しては顔を緩ませていました。

ある日私は、手作りのアクセサリーを先生にプレゼントしました。後日、先生のライブに行くと、私がプレゼントしたアクセサリーをつけていました。先生が音を奏でると、それがキラキラと揺れて、私は片時も目が離せませんでした。幸せな気持ちで胸がいっぱいに満たされた夜でした。


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