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孤独の形


19歳冬

2月18日。彼との交際1年記念日の前日
彼との同棲生活が始まった。
夢にまで見た彼との生活
朝から晩まで彼と一緒にいられるなんて、これ以上ない幸せだと思った。
実家でピザを食べてこれが実家生活最後の食事。和気藹々とした雰囲気でこれ以上いると名残惜しくてあれほどまで離れたかった実家と離れられない気がした私は後ろ髪を引かれる想いで家を出た。

もう空は暗い

同棲を始める彼の家に向かう車内。
鼻歌を歌いながら車を運転する彼
後部座席には娘と運び損ねた荷物
助手席に私。
デートの度に見ていた窓からの景色もなんだか明るく彩って見える。そんな気がした。
彼の家に着き、2匹の愛犬に出迎えられて始まった生活
その時から自分の家にもなるのに口をついて出たのは「お邪魔します。」だった
間違えた。とか言ったけど今思えば間違いではないような気もする
ここは絶対的に彼の家であり、私の家でもあるけど彼のテリトリー。邪魔をしているのには変わりがない

なるべく彼の機嫌を損ねることはしたくない。
別に彼が怒ると厄介とかそういう訳では無いし、とても優しい。彼の本気で怒った姿に少しの興味もないのかと聞かれれば答えはNOだけど
誰しも恋人の機嫌を損ねるのは本意ではないだろう。
彼が仕事から帰ってくるバイクの音に敏感になった。
階段を上る足音、鍵を開ける音ドアノブに手をかけた音、色んな彼の音を私は分かるようになった。
悪くいえば気を張っているのだと思う。

前置きはこれくらいで本題に移る。
私は人よりも遥かに寂しがり屋だと自覚している。
一緒に暮らす一緒にいられる。毎日会える。それが同棲。寂しくないはずなのに
週に一回会っていた時より孤独を感じる。
シンプルに彼のいない時、家には私と犬2匹しかいない。実家では誰かしら人間と同じ空間にいたから。という当たり前の寂しさもあるのだと思う。
でも、それ以上に彼といる時の違う孤独が私をどんどん寂しくする。
手を伸ばせば届く触れられる。彼の体温を身近に感じられる。
でも心の距離が遠く感じる。
娘が泊まりに来ていた頃は娘がいるからベッタリも出来ないのは当たり前だという一種の諦めがあったけど
今は違う。私対彼の空間。
1度だけこれで彼とぶつかったことがある。
彼は私のことを確かに愛してくれているのだとは分かっているけど、行動や言動に全くと言っていいほど出さない。凄く年上というのもあるだろうが、そもそもの性格がクールで寡黙な人なのだ。
ユーモアもあるしたまにいう冗談もちゃんと面白い。人が最低限持ち合わせていると良いありとあらゆるセンスはちゃんとある人。ファッションもユーモアも
だけど恋人間で必要な物に対して鈍感というか無頓着なのだと思う。
好きや愛してる、可愛いね。かっこいいね。といった言葉を相手に伝える事のメリットは愛されている実感だけじゃない。
その期待に応えよう。もっともっと可愛くなろう。という努力へのモチベーションにほかならない
それが全くないとなると、私はどうしても頑張れないのだ。私には何も無いから。
訳あって娘とも離れてる今、彼の恋人。という幸せだけが私を繋ぐ全てだから。


本当に何も出来ない私が、料理という楽しみを見つけられたのは彼のサポートあってこそだし、彼は私の幸せのために惜しまず力を貸してくれる。
私は彼に足向けて寝られないと思う。
私の作った料理も毎日美味しい美味しいって3度はおかわりをしてくれる。
「美味い。」その3文字だけで凄くパワーを貰える。

でも、さみしい。
寝ている彼の顔を見て毎日を終える
19歳も年下の彼女を捕まえたんだから、大人の熟年夫婦のような関係に物足りなさを覚えるのは致し方ないとして善処して欲しいと思う。
でもそれを言い出せるような根性はないからこうしてnoteに認めている

下品な話かもしれないが、営みやキス、ハグ、全て私から求める。どうしても誘われたからしてくれているんだろうな。と思ってしまう。
こんな寂しい想いするなんて思っていなかった。
この孤独を飼い慣らすにはまだまだ時間が必要なのだろうと思う。

今日はそんな話がしたかった。

彼を己の全てにしてる自分と上手く折り合いつけて、毎日に期待しない自分になりたい。








私の大切を精一杯守ります。