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I wanna be forgotten and I don't want to be reminded

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平穏

2019-11 最近まで気づかなかったが,私の人生は今,これまでになかったような平穏の中にいる.周りには優しい人ばかりで,私の心を荒立てるような不快なことはほとんどない.世の中の理不尽に精神を侵されることも,そこから逃げ出そうとする自分を塞きとめるものない.自分が不幸だなんて,とてもじゃないが言えない.自分が不幸だと信じ,そこから抜け出そうとしていたあの時に欲していたもののほとんど全てを,自分は手に入れている.この平穏なるものを手に入れることが幸せになることだと信じて,努力を

    • 20241023-1

      誰かが僕の家に侵入している。布団の上で寝ている僕の隣で、誰かが、確かに、ベランダの窓を開けて入ってきた。僕はそいつを追い出さなければいけない。僕はって言ったけど、同じ事が起きたら誰だってそうしなければいけない。抵抗しないのは、いつでも刺激的なネタを求める芸人と、失うもののない人間だけだ(前者は後者に含まれているのかもしれない)。僕はそのどちらでもない。僕は叫ぼうとする。お前が入ってきたのに気づいているんだと。お前の人生はここで終わりなんだと。必死に叫ぼうとするが、金縛りで喉が

      • よかったアルバム2021 第3期

        新年が明けて少し経ったので,2021年第3期でハマった,すごいとなったアルバムをまとめます. 前回は上半期だったのになんで急に4半期で分けるようになったかというと,書いてて長くなりすぎて疲れたためです.数がない時はまた急に上半期にするかも. 自分は最新のをすごいたくさん追ってるというよりは,そういう人たちの過去ブログを読んでこれは良さそうだぁっていうのを聞いていってるので,古い&メジャーなものも多いです. 前回は以下. https://note.com/serenard/n

        • 良かったアルバム 2021上半期

          今更だが2021年上半期に聞いて特にハマった,すげえってなったアルバムまとめ. 本当は1年分まとめようと思いましたが,キリのいいところで疲れてしまいました. Stephen Malkmus - Stephen Maklkmus https://music.apple.com/jp/album/stephen-malkmus/1025044424 Pavementの発起人かつひねくれ魔王スティーブン・マルクマスのファーストソロアルバム.意外と2000年台のアルバムだった.

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          20200822

          あまりの暑さに目がさめる.時計を見ると9時.背中は汗でびっしょり濡れている.ほんと近頃の暑さはひどい.和らぐことがない.何より今日は見た夢も酷かった.突然の災害で体育館に避難.隣にはなぜか中学時代からの友人が寝ている.彼は突如として起き上がり,壁際にあった冷蔵庫からビニール袋に入った豚の内臓を取り出す.なぜだかおれは,その内臓がモツであると理解した.しばらくすると,その袋を,避難所のみんなが,踊りながら,手渡ししていく.それを見て外に逃げた.そして目を覚ました.夢の中の出来事

          ドラマ「白い春」を見て美しい涙を流し,人間としての自分を思い出すということ

           私は人生の途中まで,ドラマというものを意識的に避けて生きてきた.なぜなら小学生の時,クラスのイケてる奴らがいつも昨日の夜見たドラマの展開がいかに素晴らしかったかで盛り上がっていたからだ.それを見た私は,あぁ,ドラマというのは私のような下等生物が見るべきではないのだなと子供ながらに思った.もし私が面白そうだと思ってドラマを見ても,誰にもその感想を共有することなく,胸の内で燻る感情を持て余すだけだと.そして私は,自分にドラマへの興味を失うよう暗示をかけ,まるでそれがこの世に存在

          ドラマ「白い春」を見て美しい涙を流し,人間としての自分を思い出すということ

          ノンフライヤーと共に生きるということ

          人間の多くは揚げ物が好きだと思う.私が小学生だった頃,健康専門家おばさんみたいな人が全校生徒を前にして言っていた.脂という字には旨が入っている.つまり,脂というのは,旨い.そう言う風に人間はできてるんだ.海苔やイカをフライしたやつを,お前らはカリカリしてるからうまいと思ってるんじゃなイカ?違う違う,それはな,脂を纏ってるからうまいんだと.それを聞いた私は小学生ながら感動した.自分の好みというのが,己が感じている味や食感だけでなく,人間的本能に支配されているという論説に.しかし

          ノンフライヤーと共に生きるということ

          さばかん5

          れから8年ほどたった.さばかんへの欲求を満たすため,暴れに暴れたあの日の夜の一部始終は今でも鮮明に思い出せる.台所の下の排水管を蹴り壊した時の痛みも,スーパーへ向かう時の雨の冷たさも,さばかんに触れた時の絶頂も,全て神経の奥底まで染み付いている.しかしその一方で,あの夜のような制御不能の欲求が再び私に訪れたことは一度としてない.コピーアンドペーストされたみたいな,何の変わりもない惨めな生活が続いている.毎日,フンを転がすようなくだらない仕事をしながら思う.あの時のような,全て

          さばかん5

          さばかん4

          公僕のカブトムシたちのとの戦いは2時間続いた.私は意味のわからないカブトムシ語を2時間に渡って聴き続け,それに応じるようにペンギン語でわめき立てた.地獄に落ちたことはないから本当のところはどうか分からないけれど,これこそが世の底と言える光景だったと思う.蛾が寄り付く濁った不安定な蛍光灯の下で,異種族の,解決するはずもない戦争が繰り広げられる.歴史評論家がこれを語るとしたら,これはもうどうしようもなかったですね,と呟くしかなかっただろう.結局のところ私は,容赦無く留置所へぶち

          さばかん4

          さばかん3

          生きているならば何かを常に求めていると思う.私の昔を思い出してみる.小学生の時は,漫画についている懸賞を当てることに命をかけていた.ハガキにどんなメッセージを書けば当てることができるか考えるのが,週に1回のたのしみだった.中学になって親が離婚してからは,辛そうな母の顔が与える罪悪感から逃れるために毎日家事を頑張っていた.高校を卒業し今の仕事についてからは毎日を生きるのに必死で何かに没頭する余裕はなかった.しかし,そんな中突如訪れたのが,今回のさばかん衝動事件というわけだ.今や

          さばかん3

          20190316

          今日は7時ごろにはっと目が覚めた.砂漠でティラノサウルスに追われて岩の隙間に隠れていたのだが,サソリに刺されて,もう終わりだと思った瞬間だった.刺されたふくらはぎは,今だに夢から覚めていないのか,つってピクピクしていた.寝直そうと思ったが,せっかくこの時間帯に起きれたので,頑張って起き上がることにした.歯を磨くために台所に行くと,部屋の入り口の郵便受け用穴から封筒が飛び出ていた.昨日の夜にこんなものはなかったので,妙だと思いながらそれを手に取り,歯ブラシをくわえながら開けてみ

          さばかん2

          世俗から解き放たれたせせらぎの中にいる.築50年のさびれた部屋にいながらこんな体験ができるんだから,破天荒な冒険というのはしておくべきだ.でも,そんな風に感じているのはこれを書いている今現在の自分で,そのとき棚の中にいた私はあいもかわらずさばかんに頭を支配されていた.破壊したパイプから漏れ出した水に足を濡らされ,すごくイライラしてた.だって考えてほしい.釣りをしていて,大物が釣れると思ったら引っ張られて海に落ちたなんてことになったら,きっと気分が落ち込むどころか,二度と釣りな

          さばかん2

          20200309

          今日は6時半ごろに起きた.窓の外を見るときりが立ち込めていた.昨日ちょうど映画のミストを見たので,主人公と気分を少しでも味わうため,外を散歩した.突然道の脇から飛び出てきた自転車以外,怖いと感じさせられたものはなかったが,いい経験になったと思う.家に帰ってから,朝食としてそうめんを食べた.いつもはめんつゆで食べるが,ちょうど昨日作った味噌汁が余っていたので,そこに入れて食べた.そうやってダラダラ過ごしていたら9時ぐらいになっていた.12時からのバイトが嫌でしょうがなかったので

          さばかん

          雨が降る中帰宅したわたしは,すぐに米を研ぎ,炊飯器に入れ,それに張り付いている黄色いスイッチを押した.スイッチの上には少しほこりが積もっていたが,そんなことはどうでもよかった.むしろ今思い返すまで,そんなことには気づかなかった.それから,米が入った白いオブジェから蒸気が吹き上がるのを,幾らかの間見つめていた.普通,立ち上る白い蒸気なんかをずっと眺めていたら,きっと死んだ両親の葬式とか,初めて雪が降った朝の,冷たい空気を思い出したりするんじゃないかと思う.でもわたしの頭の中には

          さばかん

          世間は村上春樹を勘違いしている

          村上春樹を読んだことのない人に,「村上春樹にどんな印象持ってる?」と聞くとする.そのとき返ってくる答えには,70%以上の確率で"セックス",もしくは”スカしてる”という雰囲気の単語が含まれているだろう.これが日本において作り上げられ蔓延している,村上春樹へのイメージだと思う.私だってちゃんと読む前はそのような印象を持っていたし,なんなら初めてノルウェイの森を読んだ段階でさえ「確かに」という感想を持った.しかしいろんな作品を読むうちに思ったのは,登場人物の世俗から反する行動にだ

          世間は村上春樹を勘違いしている

          ストロークスについて

          The Strokesはニューヨーク出身のバンドでしゅ.単にニューヨーク出身なだけでなく,メンバーのほとんどが富裕層出身の,おおよそRockとはかけ離れていると思われるバックグラウンドを持っている.実際曲も,汗水染み付いたシャツのような労働階級の不満のこもったrockではなく,いろんなものがそぎ落とされたクールな,どこか寂しささえ感じられるrockである.曲がいいのは2000年代最高のアルバムに選ばれていることからも確かだが,私はその歌詞にもすごく魅力を感じる.パッと見ると女

          ストロークスについて