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志持つ者同士が心を寄せあった時に生まれる巨大なスパーク、三浦宏規と小関裕太が鮮やかに描き出す…★劇評★【舞台=キングダム(三浦宏規・小関裕太・川島海荷・梅澤美波・有澤樟太郎・鈴木大河・朴璐美出演回)(2023)】

 「三国志」などで有名な三国時代よりさらに数百年も前の後の中国の春秋・戦国時代(正確には春秋時代と後に戦国時代)を舞台に、初めての中華統一を目指して奮闘を続けた「秦」の戦いの軌跡を描いた原泰久原作のメガヒット漫画「キングダム」を初めて舞台化した舞台「キングダム」がとうとう開幕した。原作漫画の世界的ヒット以降、アニメーション化、映画化とさまざま表現方法で血沸き肉躍る物語を形にしてきたが、大草原も宮殿もないという空間的な制約を最も多く抱える「演劇・舞台」という表現方法でいったい何を可能にしてくれるのか。その挑戦はファンだけでなく表現やクリオイティブに関わるあらゆる人々に注目されてきたが、無限の可能性を持った人間の空間認識力や目の前に見えていないものまで脳内に描き出す想像力という自由な翼を使って、とてつもないスケールの物語を創り上げてくれた。何より、中心となる2人だけでなく、仲間や敵方の細部に至るまでキャラクターを丁寧に創り上げることで、物語の輪郭がよくくっきりとする効果を上げた。なにより、三浦宏規・小関裕太の魂に訴えかけるような演技は、志を持つ者同士が心を一つにした時に、夢がスパークすることを私たちに伝えてくれるし、様々な人々が力を重ねあっていくことで、多様性が大きな力になることを、2500年近く前の時代の中に描き出したことは現代という時代にとっても大きな収穫と言えるだろう。(写真は舞台「キングダム」とは関係ありません。単なるイメージです)

【注】朴璐美さんの「璐」は環境依存文字のため、パソコンやスマートフォン、携帯電話の機種によっては正しく表示されない場合がありますが、「王へんのつくりが路」とご理解ください。

 舞台「キングダム」は、2023年2月5~27日に東京・丸の内の帝国劇場で、3月12~19日に大阪市の梅田芸術劇場 メインホールで、4月2~27日に福岡県福岡市の博多座で、5月6~11日に北海道札幌市の札幌文化芸術劇場hitaruで上演される。

★序文は阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」でも無料でお読みいただけます。舞台写真はブログでのみ公開いたします。

★無料のブログでの劇評は序文のみ掲載し、それ以降の続きを含む劇評の全体像はクリエイターのための作品発表型SNS「阪 清和note」で有料(300円)公開しています。なお劇評の続きには作品の魅力や前提となる設定の説明。三浦宏規さん、小関裕太さん、川島海荷さん、梅澤美波さん、有澤梢太郎さん、鈴木大河さん、朴璐美さんら俳優陣の演技に関する批評や、山田和也さんの演出や舞台表現に対する評価などが掲載されています。

【注】劇評など一部のコンテンツの全体像を無条件に無料でお読みいただけるサービスは原則として2018年4月7日をもって終了いたしました。「有料化お知らせ記事」をお読みいただき、ご理解を賜れば幸いです。

 なお、信、嬴政・漂、河了貂、楊端和、壁、成蟜、紫夏とプリンシパルキャストのほとんどがダブルキャストであるため、数えきれないほどの組み合わせが組まれていますが、今回劇評を執筆・公開するのは、「キングダム(三浦宏規・小関裕太・川島海荷・梅澤美波・有澤梢太郎・鈴木大河・朴璐美出演回)(2023)と「キングダム(高野洸・牧島輝・華優希・美弥るりか・有澤樟太郎・神里優希・朴璐美出演回)(2023)の2つの組み合わせの回だけに限定させていただきます。ご了承ください。
 この組み合わせではカバーできない梶裕貴さんや石川由衣さんのファンや関係者の皆さま方には大変心苦しく感じております。人気公演のため取材機会も限られます。また別の機会に取り上げさせていただきますので、なにとぞご容赦ください。

 舞台「キングダム(高野洸・牧島輝・華優希・美弥るりか・有澤樟太郎・神里優希・朴璐美出演回)(2023)」は既に観劇取材を済ませておりますので、近日中に当ブログに掲載いたします。今しばらくお待ちください。なお2パターンの組み合わせを両パターンとも購入してくださる方には特にご了解いただきたいのですが、2つの劇評はあらすじ説明など一部で重複している部分があることをご了承ください。

★舞台「キングダム」公演情報

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