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そのボアにねじ込む理由は何ですか?

誰に言われるでもなく、否応なく「冬が来た」と感じられるほど寒くなってきましたね。一昨日までは調子に乗ってロンTなんぞで出かけられたものですが、もう厚手のトレーナーでも着ていないと安心できません。

そろそろ、世間の人々も衣替えをしているものと見え、段々ファッションの様相も変わってまいりました。私は給料が半分以下になった今年からほぼ一着も服を買っていない(正確には「買えない」)ので、防寒性能だけを考えてコーディネートするのですが、世の男性はきちんとオシャレしている方がほとんど。

さっきからスタバの隣の席で深々とソファ席に座りながら、左足を右膝の上に組みながら正面の彼女から写真を撮られまくっている男性もきちんとコーディネートされた服装です。
喧嘩したら一発であばらを粉砕しそうな風体は、明らかにトム・ブラウン の「みちお」です。真っ白なキャップに、薄い色のジーンズ、そして真冬のチベットでも通用しそうなこれまた真っ白のボア素材で出来たアウターを着込んでいます。

一応断っておきますが、スタバはテラス席ではありません。
暖かな暖房が効いた室内です。

外でならちょうどよかったジャンパーも中で着ていては脂汗が噴き出そうなほど暖かい店内において、なぜ彼はボア地のアウターを着続けているのでしょうか。

彼は変温動物なのでしょうか?
その中は素肌なのでしょうか?
彼女からギリギリ浮かないレベルの厚着を強いられる「地味SM」みたいなことをしている最中なのでしょうか?

それに、どうみたって体温高そうな体つきじゃありませんか。
もしかして、これって「オシャレ」でやってるんでしょうか?

それしか、考えられません。
だって、絶対に熱いんですから。

「オシャレは我慢」みたいな格言を聞いたことがありますが、彼はオシャレとしてクソ暑い店内で「ボアボアのボア」を着こなしている。自分のイメージがもつ輪郭を極限なまでに最適な形で表現する服装がこの「ボアボアのボア」であるからこそ着続けている。

ということでしょうか?

ボアボアの話ばかりして恐縮ですが、そういえばBoAもこんなことを歌っていましたね。

タイトなジーンズにねじ込む
わたしという闘うボディ
どんな小さな願いにも
貫くチャンスをあげて my dream

そうか、彼はいま戦っているんですね。
タイトなボアにねじ込む、みちおの膨れ上がった腕。
私からすれば「脱いだらええのに」の一言で片付く小さな願いですが、彼に貫くチャンスを与えることにしましょう。

そうこうしているうちに、ドリンクを買いに席を立っていた彼女が戻ってきました。みちおに手渡したのは熱々のホットコーヒーです。

がんばれ。

サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。