#オヤカク #オヤオリ の問題点(1)
まず,私自身の不勉強につき,この場にて心よりお詫び申し上げます。
近時において,#就職活動 #シューカツ について, #オヤカク #オヤオリ なる言葉を知りました。私は,これらの言葉を #NHK のデータ放送ニュースを通じて知りました。
おそらく #大学生 #短大生 又は #専門学校生 のほとんどはご存じかと思いますが,当記事をご清読くださる方にはご存じない方もいらっしゃると思います。これらの言葉の定義を紹介させていただければ幸いです。
私が #オヤカク #オヤオリ の記事を最初に読んだ時,真っ先に「いろいろ問題がありそうだな」と直感しました。
そこで,私が分析した #オヤカク #オヤオリ の問題点を指摘させていただければ幸いです。
1. #就職差別 につながるおそれがある
#オヤカク も #オヤオリ も,#就職差別 につながるおそれがあります。なぜならば,間接的に #就活生 の #家族構成 を知ることにつながるからです。
以前私は,2回に分けて #就職差別 について申し上げました。
就職差別(1) 就職差別(1)|shi_sha_juken (note.com)
就職差別(2) 就職差別(2)|shi_sha_juken (note.com)
就職差別(1)の記事をご清読くださると,当記事をより深く理解できると思います。
職業安定法第5条の5において求人者等の個人情報の取り扱いに関するルールが定められ,令和4年6月10日厚生労働省告示第198号においてその具体的な取り扱いの指針が示されています。告示第198号第五-一-(二)本文において,
と定められ,告示第198号第五-一-(二)-イにおいて,
と定められています。家族構成は,ここに含まれます。
さて,職業安定法第5条の5第1項本文によりますと,
と定められています。この条項を正しく読みますと, #求職者 の #個人情報 の取得について,直接か間接かの如何又は収集の方法の如何を問うていません。つまり,#求職者 である #就活生 から直接取得する場合も,それ以外の場合も,「社会的差別の原因となるおそれのある事項」にかかる個人情報の取得は違法とされます。よって,#オヤカク も「社会的差別の原因となるおそれのある事項」にかかる個人情報の取得にあたるため,職業安定法第5条の5違反にあたります。なお,NHKのニュースサイトでは,
が紹介されています。
このように申し上げますと,職業安定法第5条の5第1項但書の規定と告示第198号第五-一-(二)但書を根拠に「正当な事由がある」「業務の目的の達成に必要不可欠」との反論が為されそうです。つまり,「内定辞退の予防」は「正当な事由」「業務の目的の達成に必要不可欠」との反論です。しかし,筆者は,この反論に対し,次のとおり再反論します。
民法第522条第1項において,
と定められ,かつ,労働契約法第6条において,
と定められています。つまり,労働契約の成立に際して保護者の同意が絶対的に必要とされるものではないということです。特に,#大学生 #短大生 又は #専門学校生 は法律上「成年者」(民法第4条)ですから,通常自分ひとりで法律行為を為す能力(行為能力)を有しているはずです。つまり,未成年者でないため,民法第5条第1項の「『法定代理人』の同意」は,原則として問題視されないということです。
また,いわゆる「 #内定 」とは,「就労の始期を大学卒業直後とする解約権留保付労働契約」と判例上(昭和54年7月20日最高裁判所第二小法廷判決(民集第33巻5号582頁))確認されています。つまり,内定後大学卒業の時期が到来するまでの間労使双方はお互いに契約の履行を請求できません(民法第135条第1項)から,内定を受けた #就活生 が内定後にこれを辞退することは可能と考えられます。しかし,#内定辞退 は「契約解除」(民法第540条・民法第627条第1項)に他なりませんから,慎重な判断が必要とされます。また,#内定辞退 によって求人者に損害が生じた場合,その損害を賠償する義務が生じます。
さらに,#求人活動 もビジネスの一環である以上,#求職者 #就活生 から断られる可能性が常に存在します。つまり,#内定辞退 の可能性を含みおく必要があるということです。営業活動でも,自社がどんなに素晴らしいプレゼンテーションを為したとしても,競合他社に契約(仕事)を取られてしまうことがあります。これは,#契約自由の原則 (民法第521条第1項)によるものですから,どうしようもないことです。当然のことですが,#求職者 #就活生 にも #契約自由の原則 #職業選択の自由 ( #日本国憲法 第22条第1項)がありますから,それを殊更侵害するような行動を慎まなければなりません。この点に照らしても, #オヤカク は不適切と言わざるを得ません。
少し長くなってしまいましたので,ひとまずここでまとめ。
#オヤカク は,#職業安定法 に違反する可能性があります。
#オヤカク #オヤオリ の別の問題点。次回申し上げられれば幸いです。今回は,このあたりで失礼いたします。
ご清読ありがとうございます。
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