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Netflixのカルチャーを学んだら、国家も100世代幸せな家族も、創れそうだと思った

この半年間、企業の中でブランディングの責任者というポジションを任され、企業のビジョン・ミッション・カルチャーを考え抜いてきました。

最近だんだんわかってきて、この3つを使いこなすことができれば、なんでもやれる気がしてきました。

長く繁栄する組織・団体には必ずビジョン・ミッション・カルチャーが必要なんです。 組織・団体は、そこに所属する個人の集まりです。でも、それはただのバラバラ好き勝手な個人の集まりではなく、組織としての意味がある集まりなんです。 そして、ただの個人の集合ではなく組織として長く機能し続けるためには、考え抜かれたメンバーの行動原則が必要だと思うんです。

Netflixの優れたカルチャー

僕が組織・団体運営のために、優れたカルチャーが必要だと考えたきっかけは、Netflixが出版した「NO RULES」という書籍を読んだことがきっかけでした。(僕が今ブランディングに取り組んでいる会社はNO RULESを本気で再現しようしている狂ったすごい会社です笑)

Netflixは考え抜かれた組織カルチャーを持っています。 Netflixに所属する社員が全員そのカルチャーを理解して、それに基づいて行動することが求めらています。

Netflixのカルチャー(行動原則)
1. プロフェッショナルであれ
2. フィードバックを大切に
3. 自由と責任

まず、Netflixは業界トップクラスの最高の人材のみを採用するポリシーがあります。Netflixは、市場価値を上回る15%増しの報酬を支払うことで、最高の人材を引き寄せています。 同時に、パフォーマンスが期待に応えられない人材に対しては、適切な退職金を支払い、効率よく組織から離脱させる仕組みを作ることで、常に一流のプロフェッショナルのみを組織内にとどめるよう努めています。

優れた人材が集まることで、その能力が相乗効果を生み出し、組織全体のパフォーマンスが大幅に向上します。1.2倍のパフォーマンスを発揮できる人材が集まれば、その効果は単なる足し算を超え、掛け算のように働きます。逆に、0.5倍のパフォーマンスしか発揮できない人が組織内に一人でもいれば、たとえ他のメンバーが優秀であっても、組織全体のパフォーマンスは低下してしまいます。

次に、Netflixではフィードバックを重視しています。特に、言いにくいことでもしっかりと相手に伝える文化があります。これにより、優秀な人材同士が互いの改善点を指摘し合い、組織全体の能力を高めています。


最後に、自由と責任のバランスを大切にしています。Netflixはエンタメの会社なので、医者や航空会社とちがって、失敗が命に直結することはありません。だから、意思決定の承認プロセスを可能な限りシンプルにし、新しいアイデアにどんどんチャレンジすることを促しています。ただし、自由とは言ってもなんでもOKというわけではありません。全てはNetflixの成功に貢献するという前提・コンテクストのもとで、自由が与えられています。例えば、会社の資金を使って個人の私物を購入することは当然認められていません。

これらの3つのカルチャーは切り離して考えられるものではなく、お互いに深く関連しています。たとえどれだけ能力が高い人であっても、自由に物事を進めるなかで、盲目的になってしまうリスクがあります。しかし、Netflixでは卓越した同僚たちによる、フィードバックを受ける文化が根付いています。何か新しいことにチャレンジすれば、周囲の誰かがすぐに有意義なフィードバックを提供してくれ、それをもとに改善が進み、組織全体が自然と成長していきます。

このすべてのインフラとなるのは、情報の透明性(Open Information)です。情報がオープンでなければ、他者の自由な活動を見ることができず、フィードバックを行うことも難しいでしょう。本によれば、社員であれば誰でも売上データなど会社の機密情報も閲覧することが可能だということです。

もちろんNetflixカルチャーへの批判もすぐに思いつきます。Netflixは会社のメンバーを家族ととらえるのではなく、プロスポーツチームのメンバーのように扱います。これは非常に能力主義で厳しい環境を生み出し、社会的な多様性や包摂の観点からは批判の対象となるかもしれません。

しかし、それでもなお、これは能力主義の企業においてベストと言えるほど、非常によく考え抜かれたカルチャーであると思います。

国家の運営も同じやん

これを考えていく中で、国家にもNetflixのカルチャーに相当するものってあるよな、と気づきました。 それが憲法です。

日本の憲法、あらためて考えるとよくできた構造になっています。Netflixのカルチャーに相当するのは、国民に行動規範として求めるという点で、国民の義務が相当しそうです。社会の授業を思い出してください。

1. 教育して次の世代を育てましょう(教育の義務)
2. 仕事をがんばりましょう(勤労の義務)
3. 果実はみんなで分け合いましょう(納税の義務)

人が覚えられるのは3つくらいまでらしいのですが、これもピッタリ3つです。

そして、これもお互いに影響しあいスパイラルしながら国が成長していく、考え抜かれた行動規範です。

教育に力を入れれば優秀な人材が育ち、そうした人材が仕事に励むことで経済が豊かになります。得た利益を教育に再投資すれば、さらに優秀な人材が増え、国全体の豊かさも増していくのです。

その前提に、三つの重要な理念が存在しています。


  1. 「国民主権」

  2. 「基本的人権の尊重」

  3. 「平和主義」

「国民主権」とは、要は国民一人ひとりが国家の運営の当事者なのだから、義務も自分自身のためだよってことだと思います。

「基本的人権の尊重」も重要で、全ての国民の生命や権利が守られていなければ、義務を果たすことはできない状態であると言えます。

「平和主義」も、国家が安定して繁栄していくには、平和がインフラになってるべきだよね、ということだと解釈します。

これは僕の浅い適当解釈ですので、間違っている可能性は大いにあります。

日本国憲法はとてもよく考えられていると思いますが、もし、今何か変えるなら、あまりにも憲法が人間中心的なので、「地球も大切」を最後に加えるかなと思います。 我々が生かされている地球を大切にすれば、わたしたちも長く繁栄できるよ、というのが今、国家を超えて人類に大切な考え方です。

というわけで、長く続く組織やコミュニティには、自らの存在意義と、長く繁栄していくためのコンテキストが設定されているものなのだと思います。

家族とかサークルとか、どんな集団にもビジョン・ミッション・カルチャーを考えたらおもしろくない?

ということは、たとえば家族のビジョン・ミッション・カルチャーがあったらその家族は長く繁栄しそうだし、ちょっとしたサークルとか勉強会とかにも、ビジョン・ミッション・カルチャーがあればきっと長続きして繁栄していきます。

ちょっと家族だったらどうなるか考えてみます。

家族のミッション。
たとえば、「100世代先も幸せな人生を送る家族をつくる」

行動指針は、

  1. 可愛い子には旅をさせよ(子どもには成長の機会を与えよう)

  2. 一人一人が自立心を持って努力しよう

  3. 家族が困っていたら助けよう(受けた恩を繋ごう)

この3つがお互いに影響しあって、うまくスパイラルを描いているなら、家族が繁栄するはず。

子どもには良い教育を受けさせ、自立心を育むことで、彼らは自らの人生を切り開く力を身につけます。また、家族内で支え合う文化があれば、困難な時期でも乗り越えることができ、家族の余裕のループが回ります。

そのすべての前提として「健康は大切」を掲げることができそうです。

組織には個人の集合を超えた人格と力がある

僕はずっと個人プレーが自由で気楽で好きだったけど、最近、組織・コミュニティには単なるバラバラの個人の集合を超えた、組織・コミュニティとしての人格や力があるのだということに気づき魅力を感じはじめました。

人間は社会的動物であると言われるように、個人では生きられない。そして、単なる個人の集合を超えて、組織・コミュニティとしてのパワーを最大限発揮するのが、ビジョン・ミッション・カルチャーであり憲法なのでしょう。

そうは言っても、これらの概念を頭で理解するのは比較的簡単です。難しいのは、これをどのようにして組織・コミュニティに浸透させ、持続させるかという点です。

これは本当に難しい課題で、これができたら世界をも取れるんだけど、、、僕の学びはまだまだ続きそうです。

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