フォローしませんか?
シェア
長谷川
2021年12月3日 05:29
口をついて出た言葉「好きです」それを聞いたクラムボンは笑った言葉は水のように音は流れのように私たちを包んで揺れた引き金は何だったろうあなたのまつ毛が風に踊ったぱしゃんと飛び出た金魚は苦しそうに跳ねたぱくぱくと口を開いてひれを震わせた私の口から飛び出した言葉にばくばくと私の心臓は跳ねて舌が震えた酸素を失った金魚は臓物を吐いて死んでいる壊れた蛇口のように言葉は止まらない
2021年7月8日 23:11
女の子はみんなアマノジャク好きって聞いたら嫌いって言うし美味しいって聞いたら美味しくないって言うし良いって聞いたら嫌って言うし構ってほしいのに構わないでって言うし女の子はみんなアマノジャクそれでもかわいい女の子
2021年1月16日 10:04
僕は君が大嫌いです誰にでも笑顔を振りまいて誰にでも優しくしてそのくせ僕にはそれらを分けてくれない君が嫌いですでも一番嫌いなのはそういうとこまで大好きだと思う僕自身です君はみんなに愛されようと君の一番良いところしか見せないけれど僕だけには悪態をついて我儘を言う僕だけには甘えていいんだって顔をするそういうところが大嫌いですでもやっぱり一番嫌いなのはそれら全てが君であることです
2021年1月11日 10:01
初めて他人の温度というものを知った時 何の感情より先に驚きましたああ、こんなに冷たいんだなあと いやいや、身体はもちろん熱いですがなんといいますか 内部的な 内側的な自販機の「あったか〜い」とか「つめた〜い」とかそういうものと違うんだなあと漠然とそう漠然と考えて 痛みとか全然気にしなくってああきっと愛ってやつが無いからなのかな、なんてぼんやり考えながら
2021年1月11日 07:57
あなたと朝を迎えたかった朝日が柔く差し込む部屋で白いシーツに包まって太陽があなたの頬を撫でる様を長いまつ毛が影を落とす様を薄い唇が夢を紡ぐ様を見ていたかった細い栗色の髪に指を通してそっと口付けをしたかった寝惚けたあなたに「おはよう」と微笑みたかったあなたと朝を迎えたかったあなただけと朝を迎えたかった孤独の夜から救ってほしかった
2020年12月9日 19:09
遠い遠い世界の果てで君と僕は空を見た昼も夜も境無く双子座の紡ぐ唄を聴いた僕らはまるでカストルとポルックスだねと君は言うそれから幾星霜が経った時僕らは星の唄を聴かなくなった君がユニコーンに跨って空を駆けるようになったから君は闇に一際明るく輝いて矮星の如く反射した陰は細く鋭く僕の瞳を貫いたこれはいつか見た夢だそれにしては頭痛が酷いまるであの凍玻璃に捕まったように僕だけが地
2020年12月7日 00:45
駅のすぐそばにある 少し薄暗い公園で切れかけの街灯の下でタバコを吸った僕はいつものハイライトで君はまた銘柄が変わっていた君そのものみたいだ、と僕は思ったそのタバコは君にとって何箱目なんだろう僕は君にとって何人目なんだろうでも僕は知っている君がいつも違うタバコを吸っているワケをいつだったか君に聞いたんだ君は覚えていないかもしれないけど川沿いにあるクラブの端のソファで折れそう