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2021年のコロナウイルスワクチン接種のスケジュールから、With コロナの居酒屋上場企業の未来が絶望だとわかる話

新型コロナ対策において、悪者にされた居酒屋

三密(密閉、密集、密接)が起こりうるのは、何も居酒屋だけではないのである(通勤ラッシュの満員電車の方が危険とも思われる)が、2021年1月7日~の緊急事態宣言では、居酒屋での会食がコロナウイルス拡大の要因のような意識づけが国民にされてしまったと思われる。

居酒屋関連の上場企業は多い

なお、居酒屋関連の事業を営む上場企業は、多い(KABUTANより)。

一部上場企業

2部上場企業

新興市場

コロナ前から居酒屋は競争が激しかった

一つ、大庄の有価証券報告書を見てみよう。

わかることとして、2016年8月期から、2019年8月期に至るまで、ずっと減収傾向である。また、損益も安定しておらず、当期純利益が2019年8月期では売上高610億円に対して、1.5億円しかない。

このような経営環境に新型コロナの影響が加わった。2020年8月期に新型コロナ関連の影響もあり、大幅売上減、63億円の赤字を計上している。

手元キャッシュの残高は、2020年8月末残で111億円。なお、2020年8月営業キャッシュは46億円のマイナスであった。

さらに、従業員数の推移もチェックしておこう。

2020年8月期において、従業員数は2579名いる。人件費はおおむね固定費になることから、2021年8月期に以降において、固定費が重くのしかかることを表している。

直近の四半期報告書、貸借対照表より、総資産も見ておきましょう。

固定資産が266億円もある点は、注目です。減損、評価減リスクがあり、PLの赤字要因となること、また、資金が固定化されているということも表しています。

2021年8月期の第一四半期(2020年9月~11月)は案の定、大幅な赤字でスタートしました。

結論

新型コロナワクチンによる集団免疫が得られるのが先か、居酒屋業界が終わるのが先か、時間との勝負になると考えられる。

仕事終わりにふらっと居酒屋に行くような国民は、ワクチン接種が相当あとになると考えられる。このような状況であることを考えると、居酒屋上場企業の未来は、絶望と言わざるを得ない。

なお、新型コロナの影響を受けた業種の財務分析を行うときは、今回やってみたように、特に以下に注目するとよいだろう。

①同業他社がどれくらいいるかチェックする。→同業他社が多い場合はすでに収益性が低いことがあるため、注意。

②コロナ前の期間の財務諸表推移をチェックする。→コロナ前から下降している場合は注意。

③手元キャッシュ(現金預金)の残高をチェックする。→シンプルに借入金を返せるか?、営業赤字を継続するといつまで資金が持つか?と考えてみる。

④固定費(人件費)の発生要因である従業員数(人員数)をチェックする。

⑤固定費(減価償却費)の発生要因でもあり、減損等の発生により損失を拡大させる要因となりうる、固定資産の残高をチェックする。

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