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週1カフェ勤務のすすめ

福井にUターンで戻ってきて、新しく始めた活動がある。それは、週に1回のカフェバイトだ。福井新聞社の1階にあるお店、コスモポリタンカフェ。コーヒー歴30年のマスターからお店を引き継ぎ、新しい経営体制でリニューアルした5月、ご縁をいただきジョインした。

エレガントな容姿から時たまみえる張りきった挨拶や突進していく勇気。大変人間味があってよいと思っています。まさにお客様に「吉崎」という固有名詞で覚えてもらえるのはとても大切な事です。


なぜカフェで働くのか?

「吉崎さんは、なんでこのお店で働いているんですか?」と聞かれ、「原点回帰です」と一言。ブライダルの広告から水道管のAIのソフトウェアまで、ありとあらゆるものを売ってきたけど、顧客とは何か?事業とは何か?一度ゼロベースで、目の前のお客様と向き合う現場にでたいと思った。最初に思い浮かんだのがカフェ。楽しそう、やってみたいという好奇心からまわりに話していたら、紹介されたのが山下商店の山下さん。福井の本当によいものを届けたいという思いから、福井をどうやったら盛り上げられるか?SDGsに貢献できるか?世界と日本を繋いで、よりよい社会を作っていけるか?いつも目をキラキラと輝かせて語っている。山下夫婦のチームと出会えたことは幸運だった。

大好きな山下夫婦

現場の仕事とは

いざ現場にたってみると、PCに向かっている普段とは全く違う動き方、頭の使い方に目が回るようだった。お客様ひとりひとりにカスタマイズしたサービスに、とっさの判断力や瞬発力が試される。一杯480円のコーヒーは、豆の種類、焙煎、淹れ方と、ひとつとして同じことがなく奥が深い。コーヒーをたてる練習を何度も何度も繰り返したけど、そう簡単にはできるようにならない。まっさらな状態で学び直し、目の前で起こっている変化に合わせて、何事にもチャレンジする姿勢は忘れたくない。

提供する側になってはじめて気づいたこと

いつもコーヒーを飲んだり、あたりまえのようにサービスを受ける側だったところから、提供する側になってはじめてわかったことがある。たった一杯のコーヒーを提供するのに、どれだけ多くの人が関わっているか。ロボットに置き換えられない、人間味のある細やかなおもてなし。準備や後片付けに必要な地味な作業の数々。スタッフをたかがバイトだと下にみている人もいれば、お金を投げ捨てるように渡す人もいる。どんな言葉を使って、どんな姿勢で人と接するか?どっちが上か下かではなく対等に、良い空間、良い時間を過ごせるように。私自身、背筋が伸びて、こう在りたいなと接客から学ぶことが多い。

お客様とのひとコマ

社員さんが打ち合わせでカフェを利用することも多く、私自身の経験から少しでも気持ちに寄り添える存在でいたいと思う。打ち合わせによっては、みなさん緊張した面持ちで、何のアイスブレイクもなくいきなり重たい話が始まることもあり、話しかける隙もない。少しカジュアルなMTGの時は、「お客様のイメージでコーヒーカップ選びました!」なんて会話が始まり、笑顔になる。大人数のMTGでまわりに合わせてコーヒーにしようする方には「本当にコーヒーでいいんですか?」と問いかけ場が和んだ。コーヒーMTGが続いていたその方は、紅茶や他のメニューを頼まれ喜ばれたことがある。

透明感のあるイメージだと、一番最初に私のために選んでもらった思い出の一杯

クレームはお客様の心を掴むチャンス

そんなある日、常連のお客様がランチにいらした。食後のコーヒーを提供して間もなく、コーヒーを持ってカウンターへ近づいて来られた。実は、コーヒーをたててから時間が経つと再加熱するフローがあって、前々から美味しさの観点で問題視していたのだが、一瞬で私が淹れたコーヒーがまずかったのだろうと悟った。煮詰まった味がするとのフィードバックにお詫びし、すぐに淹れ直しますと提案するもいいですと断られる。ここで終われないと火がつき、すぐさま淹れたてをお持ちした。すると「あっ、美味しい」と顔色を変えてお褒めの言葉をいただけた。その後も、他のメニューを試飲され、お話しする中でこの人は「あなたはどう思うのか?」プロとして自分が提供しているものへの誇りと、自分の意見を問われているのだと感じた。

大人として、職業人として立派な振る舞いだと思います。 一つ一つ伺い立てないと気に入らない雇用主もいますが、僕はある程度スタッフを信頼し、判断をゆだねるタイプ。よって今回の吉崎さんの振る舞いはお店のブランドUPにもつながり、お店スタッフからの信頼も得て、僕も喜び、うれしく、ありがたく、・・・誉め言葉が浮かばないくらいうれしくて感謝です。ありがとうございます。

フィードバックから生まれた新しい試み

スタッフMTGで、この件について議論し、コーヒーはオーダーが入ってから必ず淹れたてを提供するということに決まった。お客様にはお待ちいただくことになり、非効率だし、そこまでする必要があるのかという声もあるだろう。けれど、今の時代こそ、手間暇かけた人間味溢れるサービスが求められているのではないだろうか?一杯のコーヒーを通じて、会話が生まれたり、笑顔になれたり、そんな大切な日常にお役に立てたら嬉しい。私は、コーヒー一杯が人を繋いだり、人生を変えるような可能性を秘めていることを知っている。だから、コーヒーに敬意を払い、思いを込めて届けたい。

自家焙煎のコーヒー豆はもちろん、寒い季節に身体をあたためるスパイスたっぷりのプラナチャイ(100% NATURAL)や植物性有機オーツミルク、無農薬のホーリーバジルティーは自分用にもおすすめ!ドリップコーヒーを、オリジナルパッケージで写真やメッセージを入れて、年始の挨拶や卒業シーズンのギフトにぜひ。オーナーの福井県産手打ちそばもお試しあれ♪

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