死角計

作家志望。文字だけで戦うことは出来ないのか。

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  • テーマ付き短文

    何か特定の単語を元に短い文章を書き連ねています。テーマを当ててみてくださると嬉しいです。

  • 「ターコイズフリンジ」

    中編第二作目。

  • 作品群

    短編やらなんやら。名刺代わり。

  • 「希死念慮は明日の向き」

    処女作。

  • 詩。のようなもの。

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現段階での投稿作品

創作大賞2024。クリエイター達が奮って作品を投稿・応募し、ひしめきあっているこの祭典。 取り敢えず、現時点で出せる作品は全て投稿させていただきました。 ・作家を志してからの処女作「希死念慮は明日の向き」 ・第2作「ターコイズフリンジ」 ・初の短編「album」 応募期間が終了するまで執筆は続けます。 もう一作は必ず。出来ることならさらに追加して短編を投稿します。 時間は有限であり、止まった時の中で生きれない以上、一刻も早く自分を納得させるべく筆を走らせる。日々の思い

    • アンメット第五話。 ミヤビと星前の接写の演技合戦は見事。やはりこの作品は眼の演技が素晴らしい。 他にも、ノートを透かすとこや、ロールキャベツ、森との朝など見どころたくさん。 最後、皆がジョッキの中で一人湯呑みの三瓶が好きだし、僅かに微笑んでいるのを見てたまらなくなった。

      • 死ぬまでに万人を心の内から許容出来る人間になっていたい。 でもその為に労力を割いたり、懸命になる必要はなく、生き急いではいけないとも思う。 等速で生きる人生で、その境地に辿り着けたらいいなという浅はかで淡い願い。

        • 声の届かない場所で、いくら叫んでも、踠いても。誰も応じてくれない。何年も時間をかけた。ここにいるよ、と気づいてもらえるように。 口下手なら物語で示せばいい。登場人物が、その人間模様が、人を動かせばいい。 一人前じゃなくていい。半人前でも、やれることをやって楽しんでいたい。

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        現段階での投稿作品

        • アンメット第五話。 ミヤビと星前の接写の演技合戦は見事。やはりこの作品は眼の演技が素晴らしい。 他にも、ノートを透かすとこや、ロールキャベツ、森との朝など見どころたくさん。 最後、皆がジョッキの中で一人湯呑みの三瓶が好きだし、僅かに微笑んでいるのを見てたまらなくなった。

        • 死ぬまでに万人を心の内から許容出来る人間になっていたい。 でもその為に労力を割いたり、懸命になる必要はなく、生き急いではいけないとも思う。 等速で生きる人生で、その境地に辿り着けたらいいなという浅はかで淡い願い。

        • 声の届かない場所で、いくら叫んでも、踠いても。誰も応じてくれない。何年も時間をかけた。ここにいるよ、と気づいてもらえるように。 口下手なら物語で示せばいい。登場人物が、その人間模様が、人を動かせばいい。 一人前じゃなくていい。半人前でも、やれることをやって楽しんでいたい。

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        • テーマ付き短文
          9本
        • 「ターコイズフリンジ」
          5本
        • 作品群
          2本
        • 「希死念慮は明日の向き」
          6本
        • 4本

        記事

          アンメット第四話。若葉さん演じる三瓶のブレなさが見てて気持ち良い。綾野先生のキャラ立ちも素晴らしく、岡山さんの味のある演技が心に刺さる。 ふと思ったが杉咲さんの提供CMの数がすごい。業界の需要が凄まじいと実感。

          アンメット第四話。若葉さん演じる三瓶のブレなさが見てて気持ち良い。綾野先生のキャラ立ちも素晴らしく、岡山さんの味のある演技が心に刺さる。 ふと思ったが杉咲さんの提供CMの数がすごい。業界の需要が凄まじいと実感。

          成果を急いて、人生が疎かになる。 万事に苛立ってしまうほどに余裕がない。大成していない夢追い人は皆そうだ。常に憤りを感じたままでいる。それは、イライラしている他人を見ると高確率で同志だと思うほどに。

          成果を急いて、人生が疎かになる。 万事に苛立ってしまうほどに余裕がない。大成していない夢追い人は皆そうだ。常に憤りを感じたままでいる。それは、イライラしている他人を見ると高確率で同志だと思うほどに。

          【再投稿・短編】「album」

           もし、人生が二つあったら、貴方はどうしますか?  夢のようだと浮かれるのでしょうか。あるいは、そうなのだけれど。  暗黒が無限に続く。  どこを見ても闇、闇、闇。平衡感覚も狂う程の単色。位置を測るだけの基準すらどこにも無い。  そんな黒が支配する空間に、一つだけ目を引くものがあった。それは白だ。人のように見える。人型にくり抜かれた隙間のような空白のような。淡い縁取りは、輪郭というには心許ない。  ぽつりと佇んでいる。普通という名の人々なら、この光景を恐怖とでも言って済ませ

          【再投稿・短編】「album」

          今日もやりたいこと過多の1日が幕を開けた。 そして24時間の短さに辟易しながら1日を終え、オートマティックに明日が繰り返される。 羽を休める時間が惜しい。

          今日もやりたいこと過多の1日が幕を開けた。 そして24時間の短さに辟易しながら1日を終え、オートマティックに明日が繰り返される。 羽を休める時間が惜しい。

          小説を書いていると、登場人物を俳優で考えてしまうこともある。はじめはなかったが、次第に夢想するようになった。「この作品はこの方に主演を務めてもらいたい」などと映像化の望みを抑えられない。 執筆時はもちろん、良い映画に巡り合ったりすると、それはいつまでも強く大きくなっていく。

          小説を書いていると、登場人物を俳優で考えてしまうこともある。はじめはなかったが、次第に夢想するようになった。「この作品はこの方に主演を務めてもらいたい」などと映像化の望みを抑えられない。 執筆時はもちろん、良い映画に巡り合ったりすると、それはいつまでも強く大きくなっていく。

          ターコイズフリンジ⑤完

           インターホンが雨音の中を潜り抜ける。彩月は一人、窓を叩きつけるその音に耳を澄ませていた為、聞き漏らしはしなかった。  突然の豪雨。高い湿度に見舞われ快適とは程遠い中で、一体誰がここの門を叩くのか。彩月は幾人かの予想を立てながら玄関へ向かう。  裸足が床に接地するたびに皮膚との間で音を立てる。小気味よく等間隔で発生するそれが室内に響く。外の喧騒に負けじとよく耳に届いた。 「彩月ちゃん。こんにちわ」 「おばあちゃん」  扉の向こう側に居たのは彩月の母方の祖母である今崎早苗だった

          ターコイズフリンジ⑤完

          イヤホンを家に忘れてしまった。今日はしっとりとした雨が降っていた。イヤホンを着けずに街を歩くのは初めてではない。意識的に外すことはよくある。だが手元にないというのは話が変わってくる。こんなにも心細いものなのかと思った。音楽に依存している。 今日一日はしっとりとした雨が降っていた。

          イヤホンを家に忘れてしまった。今日はしっとりとした雨が降っていた。イヤホンを着けずに街を歩くのは初めてではない。意識的に外すことはよくある。だが手元にないというのは話が変わってくる。こんなにも心細いものなのかと思った。音楽に依存している。 今日一日はしっとりとした雨が降っていた。

          ターコイズフリンジ④

           土曜日。今日も彩月は外出している。  正水はというと、特にやるべき仕事も無かったので暇を持て余すこととなっていた。こんな暑い中よく外へ出る気が起きるものだと思いつつ、日頃の運動不足が祟ったのか、立ったまま視線を下に向けるとつま先が見えないくらいには腹部が窮屈そうにしていたので、重い腰を上げる時が来たかと観念していたところだった。  道ゆく若者がこぞって使用しているブランドのスポーツウェアに身を包み、スマートウォッチを操作してランニングの準備を万全にする。心拍数は九十六だった

          ターコイズフリンジ④

          ターコイズフリンジ③

           記憶を反芻していると深い睡魔に襲われた。気づけば時刻は十一時をまわっており、頂上まであと少しというところだった。視界がぼやけている。眠気を覚ます為に目元を擦ろうとすると、目頭と目尻にべたつきを感じた。濡れた形跡があった。  彩月は明日の準備をするべく、棚に並んだ教材を目でなぞった。  倦怠感を司る眉間に親指と人差し指を当てる正水。そうすることで、暫し疲労の供給を断てる気がした。 「お昼にしましょうよ」  部下からの言葉は切り替えの合図となる。  二人はいつも通り会社の屋上

          ターコイズフリンジ③

          アンメット第三話。杉咲さんの、一つ一つの言葉をちゃんと漏らさずに相手に伝えようとしている喋り方。相変わらず素晴らしい。若葉さんの三瓶も、話を重ねるごとにキャラクターに対する信頼が増していく。コメディも塩梅が良くて小気味良い。 最後の日記のシーンもまた心を揺さぶられました。

          アンメット第三話。杉咲さんの、一つ一つの言葉をちゃんと漏らさずに相手に伝えようとしている喋り方。相変わらず素晴らしい。若葉さんの三瓶も、話を重ねるごとにキャラクターに対する信頼が増していく。コメディも塩梅が良くて小気味良い。 最後の日記のシーンもまた心を揺さぶられました。

          ターコイズフリンジ②

           午後四時過ぎの公園。人は少なく、子供の声もごく僅かだった。  帰りに寄り道をするのは以前三ヶ月ほど付き合った彼氏がいた時くらいのものだった。彼はすでに別の女子生徒と交際を始めていた。 「ちょうど一年だけ? でも今の時期ってことは少し遅めに入ったんだ」  話題は彩月の部活動だった。 「はい。やっぱり部活やった方がいいって友達に言われて」 「その心は?」粘り気のある有志の言い方に、彩月は少しだけ嫌な顔をした。 「高校の面接で言えるとか、体力つけておいて損は無いとか、あとは思い出

          ターコイズフリンジ②

          ターコイズフリンジ①

           背中が好きだった。  特に座っている時のものが顕著だったように思う。脊椎の形に沿うように立体的になっている様相が私の視界に心地よく弥漫した。夏の湿り気も、冬の乾いて寂れた後ろ姿も、中年男性の高い体温を不快にし過ぎることはなかった。  今だって父の背中は変わらずあの頃のままに見える。  高校三年生になった如月彩月は水道橋駅から徒歩三分のカフェテリアに来ていた。ガラス張りの窓際に座っている。  真正面、壁一面に広がる本棚。好きな本を自由に手に取り、緩やかな時間の流れを楽しむこ

          ターコイズフリンジ①