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【保存版】組織診断のススメ#2 ~レポート作成編~


■アンケート作成時のおさらい



まず前回の記事でご紹介した、
超簡単な組織診断の手順を
おさらいすると、


① アンケートを作成する
② お客様に回答していただく
③ それらを集計してレポートにまとめる
④ お客様にご報告


でした。


また、① アンケートを作成する
ときのポイントは、


 〇4択 or 5択
 〇10~20問程度
 〇半年~1年に一回実施


でした。
詳しくは、前回の記事も
ご参考にされてください。


さて、今回は、
② お客様に回答していただく
③ それらを集計してレポートにまとめる


こちらについて
書いていきたいと思います!


■アンケートの回答方法


組織診断に関するご相談が
非常に多いというお話を
前回の記事にも書いていますが、


「アンケートを作ったはいいけど、
どうやって回答してもらえばいいですか?」


というご相談も同じく非常に多いです。


これを読んでいる皆さんも、
アンケートに答えた経験があると思いますが、
どこで、どんなふうに回答しましたか?


一昔前の主流は、
アンケートを紙にあらかじめ印刷し、
社員さんを集めてもらい、
その場で主旨を説明して
紙に書いてもらうという
アナログな手法で行っていました。
(今もやらないわけではありません)


今は、基本的にはアンケートに
ご回答いただく方のメールアドレス等を伺い、
そのメールアドレス宛にアンケートを
送ります。(ファイル、もしくはリンク)
そこで回答をいただき、返信していただく
ケースが6~7割です。


最近では、Googleフォームを
利用される方も多くなりました。
Googleアカウントさえあれば
無料で作成できます。


残りの3割くらいはというと、
これは特に製造業に多いのですが、
職場でPCを持っていない方がいます



デスクワークが主であるお仕事なら
自分専用のPCやタブレット端末などが
支給されていて当たり前ですが、
そうではない職種の方も当然いらっしゃいます。


ですので、メールなどでリンクを送付、
あるいはデータを添付して送ることが
そもそもできない場合があります。


この場合は従来通り、紙での回答を
お願いすることになります。
(余談ですがこういったケースからも、
いくらデジタル化が進んでいても
アナログな手法のほうが役立つ場が
まだまだあると感じますね)


ポイントをまとめると、

 〇基本的にはメール等でアンケートのリンク、もしくはファイルを送付してご回答いただく
 〇職場によっては紙媒体での回答が適切な場合がある


紙の場合、集計するのに少々
時間がかかりますが、
お客様のご都合にあわせて、
臨機応変に対応していきましょう。


■レポート作成で最も大切なこと


アンケート結果を集計したら、
次はレポートの作成です。


私は数々のレポートを作成し、
経営者の方に提出してきた中で
わかったことがあります。


それは…



Simple is the Best!!



ズバリ、
一目見てわかりやすいレポートが
最も好まれます。


従来の組織診断でありがちなケースは、
たくさんの質問があり、それに対して
分析結果が長く、複雑でした。


とても分厚い報告書になりがちで、
忙しい経営者が読みたくなるような
ものでは決してありませんでした。


もちろん、そういった詳細な分析を
好まれる方もいらっしゃるとは思いますが、
少なくとも私が一緒にお仕事をさせて
いただいてきた中小企業経営者の方々には、
喜んでいただけない場合がほとんどでした
(苦笑)。


基本的に一番良いのは、A3、見開き、1枚。


分厚い分析結果や報告書をお渡しするよりも、
直観的に理解しやすいビジュアルで
まとめられたA3見開きのたった1枚が、
最も喜ばれます。



■的確かつ明確に課題がわかる!レポート作成のポイント


〇まずは全体像を把握する

シンプルにわかりやすく伝えるのが
一番大切ですが、シンプルながらも
押さえるところは押さえて、
的確に伝える必要があります。


ここで画像を使ってご説明します。

図1


まず図1のポイントは、
左上の円グラフです。
これは何を表しているかというと、
アンケート結果の全体像です。


100人の社員に対して20問の
アンケートを取ったとします。
すると、全体で2,000の回答があります。
2,000問の内訳は良い項目が多かったのか?
それとも悪い項目が多かったのか?


別の表現をするとこうです。


「ウチの会社って現状、良いの?悪いの?」
まず最初に社長が知りたいのは、これです。


これを知るための全体像を、
ここでは円グラフを使って表しています。


この全体像の把握を
わかりやすく示すことが
まず大切なポイントになります。


〇階層別に把握する


全体像の結果がもし
よろしくなかったとすると、
「で、何が悪いの?」
「で、何をどう改善すればいいの?」
という、至極当たり前の質問が
やってきますね。


このときに必要なのが、
階層別の分析です。
図1の左下、棒グラフを拡大したものが
下の図2です。

図2



どういうことか説明します。
一つの項目に対して、
視点(立場)が違えば
得られる結果が違います。



たとえば、
「職場のコミュニケーション」
について知りたいとき。


一般の社員には
「職場でのコミュニケーションは
取りやすいですか」
という質問をします。


一方、管理職に対しては
「職場のコミュニケーションが
活性化するように工夫していますか」


というように、
別の聞き方で質問をします。
(※経営者に対しても別の聞き方で
アンケートを取る必要がありますが、
ここでは省略します)


一般の社員は、
「和気あいあいとしていて過ごしやすいな」
「あまり会話がないから良いとは言えないな」
などのように考え、回答をします。


一方、管理職は一般の社員と違い、
コミュニケーションが取れる環境を
つくらなければならない立場です。


自分が部下や同僚とコミュニケーションを
取れているかどうかよりも、
自分が良い環境を部下たちに
提供できているかどうかが、
非常に重要です。


こうして知りたい項目に対して
異なる切り口(視点、立場)で
質問をし、回答してもらうことで、
わかることは何でしょうか?


ここで、非常に、非常に、
よくある例を書きます。


先ほどの例の、
「職場のコミュニケーションが
活性化するように工夫していますか」
という管理職への質問に対して、
「俺はできている!」と思い、
4択のうち「思う(はい)」と回答をします。


一方、一般社員の方は
「職場でのコミュニケーションは
取りやすいですか」
という質問に対して、
「全くコミュニケーションが取れない…」
と思い、4択のうち「思わない(いいえ)」
に回答をします。


この職場で何が起こっているかというと、
職場のコミュニケーションに対して
部下は良くないと思っているのに、
管理職は良いと思っている、という
致命的なギャップが起こっているのです。


(本来であれば経営者から見た
職場のコミュニケーション
についても加味して分析しますが
ここでは省略します)


この職場は、現状のままでは
これ以上良くなることはありません。
管理職側のポイントが高い場合に、
職場環境を改善しよう、
とはならないからです。


(ちなみにこのケースは、
一般の社員が離職していく確率が
非常に高いケース
です。)


この例のように、
管理職が社内の問題に
気づいていないというケースは
とても多いです。


いずれにしても、
社内にギャップがあるのかどうか、
あるのであればどういったカテゴリーで
どのようなギャップがあるのかを、
きちんと可視化してお伝えする
必要があります。


ちなみに、職場の雰囲気や風土に
管理職の影響はとても大きいので、
管理職と現場の方々とのギャップの有無は
会社の離職率を大きく左右します。



話が少し逸れましたが、
以上のように階層別に分析をして
どこにどのような問題があるのかを
可視化して把握することが、
全体像の次に大切なことです。


〇個別に把握する


階層別に現状を把握できたら、
次は個別の結果を見ていきます。


4択もしくは5択のうち
「はい・できている」
と回答した人がどれくらいいるのか、
または、「いいえ・できていない」
と回答した人がどれくらいいるのか。


個別に(項目ごとに)
ばらつきを見ていきます。


このばらつきを見るときにも
ポイントがあります。


たとえば、10人の社員が
「職場でのコミュニケーションは
取りやすいですか」
という質問に、5択で答えました。

回答ケース①
「思う」・・・2人
「どちらかといえば、思う」・・・2人
「どちらでもない」・・・2人
「どちらかといえば、思わない」・・・2人
「思わない」・・・2人

回答ケース②
「どちらでもない」・・・10人

上記のような二つの結果が
得られたとします。


これらは、解決策が全く異なります。


まずケース①の場合を分析すると、
できている人とできていない人が
混在している状態です。
仲が良い人同士もいれば、
孤立している人もいる。


つまり、チームとしての
まとまりがない状態
です。
個人同士の人間関係に
問題がある場合もありますので、
ここからは職場でヒアリングしながら
進めていくこともあります。


(もちろん職場によって要因は
異なりますが、よくあるパターン
というものは存在します。
ここでは省略します。)


一方で、ケース②のように、
「どちらでもない」に偏っている場合は、
良くするための施策が打ていない状態です。


チームとしてある程度の共通認識を
持てており、まとまりはあるけれど、
さらに良くしていくための
施策を講じていない。


ですのでこの場合は、
より良くするために具体的な
トレーニング(研修等)を
実施するよう促すことができます。


ケース①、ケース②を
比べてわかるように、
きちんと段階を踏んでアンケートを
分析することで、全く異なる課題が
見えてきます。


まとめると、

 ①レポートはA3、見開き、1枚でシンプルに!
 ②まず全体像(会社全体の現状)を把握する
 ③階層別に見ることで内在するギャップの有無を把握する
 ④個別にばらつきを見ることで明確な課題を把握する


ここまでできて、
初めてコンサルティング、研修等の
ご提案ができるようになります。


課題を的確かつ明確にすることがまず
プロとしての組織診断の仕事です。


この診断結果によって、お客様に今
何が一番必要なのかがわかります。
それによって自分の得意分野で
お手伝いができるのであれば、
双方にとって良いご提案ができます。


今回はここまで!
ぜひ参考にされてみてくださいね。

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