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【祝・都営バス開業100年】Diana+Fで撮る都営バス”東43系統”の旅

こんにちは、いかがおすごしですか、しまたかです。
これを出している1月18日は何の日か、ご存じの方いらっしゃるでしょうか。
実は、都営バスが開業してちょうど100年の日なのです。
都営交通が公式で出しているサイトで、その特集が出ています。


大正13年1月18日、当時の東京市電気局が初めて巣鴨‐東京駅間、中渋谷‐東京駅間の2系統で車両44両による運転を開始したのが始まり。
当時は関東大震災から間もなく、市内で広く運行していた路面電車(東京市電)が震災で大打撃を受けていたわけで、市民の足を確保する応急処置という意味で軌道復旧と合わせて乗合自動車の運行が計画されていました。
路面電車網の復旧に時間がかかる中で、開業が比較的容易な乗合自動車が注目されたのです。
計画決定からわずか3か月で開業、同年3月には20系統14㎞の予定路線がすべて開通します。
その後、長い歴史の中で路面電車は都営荒川線を残してすべて廃止、地下鉄網が整備される中で、東京都23区内及び多摩地域に131系統、総延長1,091㎞、1,547停留所が今も走っており、都民の重要な足となっています。

現在の都営バス路線図(みんくる)

今回はそのうちの一系統、東43系統に乗っての旅。

東43系統ルート図(都営交通公式サイトより)


起点は東京駅丸の内北口停留所。あの赤煉瓦駅舎の前です。

起点は東京駅丸の内北口
東京駅には八重洲口、丸の内北口、丸の内南口と3つのバスターミナルがあり、ほとんどが都営バスのもの(一部を除く)。
丸の内北口のターミナル、赤煉瓦の駅舎の真ん前にあります。
東京駅から乗るんだなって、実感が沸きますね?


東京駅丸の内北口・東43系統の乗り場。行先に「東43荒川土手」。土手❓

そして、これから乗るのがこちらの東43系統。
”東”というのは”東京駅”の頭文字で、そこに系統番号が振ってあるわけですが、注目は行き先。

荒 川 土 手


ん?土手?
東京の一大ターミナルから土手?
因みに東京駅から出る都バスはこの他に

(丸の内北口)
東22 錦糸町駅(東陽町駅前経由)
都03 四ツ谷駅
東43 荒川土手
(丸の内南口)
都05‐1 晴海埠頭
都05‐2 東京ビッグサイト
都04 豊美水産埠頭
(八重洲口)
東16 東京ビッグサイト・深川車庫
東15 深川車庫
東42 南千住駅西口

とあるように、他の駅や東京ビッグサイトといった有名スポットがほとんどなのですが、それに混じって「土手」に行くバスがある(笑)

それはともかく、まずは乗り込みます。
東京駅を出たバスは皇居の堀の前を通り、大手町、お茶の水と都心を走って、文教エリアに入っていきます。


東大赤門前バス停。東43系統はあの天下の東大の前を通る。

東大赤門前に途中下車。
バス停のすぐ近くに、見えてきましたね……


東京大学赤門。お馴染み過ぎて、これを正門と思ってる人が多いのですが、実は大間違いw

東京大学のシンボル、赤門
これを飛ばして東京大学に来たとは言えませんね。
そう、東大といえば赤門。
元々は加賀前田藩上屋敷の敷地で、その御守殿門だったもので、東大で唯一江戸時代の建造物でもあり(文政10年建造)、国の重要文化財
あまりにも有名過ぎて、これが東大の正門と思っている人が多いのですが、実は大間違い(笑)
正門は別のところにあります。


こちらが東大の正門。和風な赤門と対照的に洋風。

こちらが東大の正門
赤門とは対照的に洋風ですが、実は大正元年にできた歴史ある門で、国の登録有形文化財に指定されています。
設計は伊東忠太、築地本願寺や湯島聖堂など、妖怪趣味をちりばめた建物でおなじみの建築家ですが、こちらはそんな趣味を微塵も感じさせない、至ってまともな建物(失礼)
実は東43のバスも「東大正門前」という停留所があるので、一本で行くならそちらで降りるといいでしょうね。
まあ、お勧めは赤門とセットで見るために「赤門前」で降りることですが。


こちらも東大の顔、安田講堂。これを見て「東大紛争」を思い出す人は相当年寄りw

正門を抜けて、レトロな校舎が並ぶ銀杏並木の通りをまっすぐ進むと、こちらも東大ではおなじみの「安田講堂」が見えます。
団塊世代ならあのシーンを思い出す人が多いのですが、正式には東京大学大講堂、大正14年完成の登録有形文化財。
設計は内田祥三、東大建築学科教授でもある建築家ですが、この本郷キャンパスや駒場キャンパスに残る歴史的校舎の大多数が内田の設計によるもので、その建築様式は「内田ゴシック」と呼ばれています。
とにかく建物の外観の雰囲気が一緒w
東大構内は誰でも入れるので、建物散策にはピッタリですよ。


通称「三四郎池」。赤門と並ぶ加賀藩上屋敷の遺構でもあります。

構内を散策していると、木々に囲まれた庭園のような池が見えます。
これが世間で知られている「三四郎池」ですが、先ほど元々は加賀前田藩上屋敷の敷地だったと書きましたね。
この池もその遺構で、もともとは「育徳園」と呼ばれる大名庭園で、正式には「育徳園心字池」といいます。
いつしか夏目漱石の代表作『三四郎』にも登場したことで、正式名よりも通称の「三四郎池」の方が世間で広く知られるように。

さて、サクッと東大を散策した後、再び東43系統のバスに乗ります。
途中切通しを通り抜けながら上り下りし、武蔵野台地を抜けて北上、隅田川を渡ります。
そして終点……


東43の終点「荒川土手」停留所。

「荒川土手」停留所に到着。
それにしても「荒川土手」という停留所名、なんとも分かりやすい(笑)
何しろ、バス降りてすぐそこが……


バス停のすぐにある階段を上ると、どて~っ!!

どて~っ!!

東京駅からバス一本でこんなところに来ちゃうんですね~?
広々とした空、首都高速の高架と土手、他に何にもないw


そぐそこにはジャンクションと美しい五色桜大橋。実は夜景スポットでもあります。

首都高速のジャンクションがすぐそばにあるんですね。
そして、美しい形の五色桜大橋。
夜になるとライトアップされるのですが、特におすすめは桜のシーズンの春ということで、橋の名前の通り土手の桜並木が開花し、組み合わせの写真も撮れるそうで。
これはまたシーズンになったら行くしかないかも。
で、ちょうど日没なので、江北ジャンクションの写真を撮ってきました。

そんな訳で東43系統、東京駅から荒川土手まで一本のバスに乗るとしたら1時間は軽~く超えますが、ぶらり途中下車しながらしてみると面白いですよ。
都営バスには一日乗車券というのもあり、500円で一日乗り回すことができますから、お得です。

というか、バスでぶらり旅も結構面白いので、今後も何回か取り上げたいとも思っています。
次はどのバスに乗ろうかな?

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