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誕生日に今更思う

*この、”芸術は爆発だー” と叫んでいるであろう赤子は私です(若い人は知らないか・・・)。

日本を離れて30年の間、私は家族と誕生日のお祝いをしたことは1度か2度ほどしかない。というか、日本にいた間も誕生日パーティーなどをした記憶はほとんどない。高校を卒業するまでは両親は共働きで忙しかったし、しかもお盆の初日なので友達も田舎に帰っていたりして周りには誰もいなかった。親戚一同が集まっても話題は私の誕生日ではなく、ご先祖様のことばかりで、お盆にふさわしい料理がテーブルいっぱいに並んでもバースデーケーキがあることはなかった。

高校を卒業すると、夏休みの間はたいていどこかよその国に遊びに行っていて、この時期に日本にいることは稀だった。そして旅行中に誰かとバースデーケーキを買ってお祝いしたという記憶は全くない。多分普通通りで普通に楽しい1日だったのだろうと思う。

今年はどこかのレストランで外食をすることも出来ず、夫が ”何でも好きなものを好きなだけ食べていいよ”というので近所のデリでフライドチキンとチーズケーキとアイスクリームを買ってきた。私の過去記事をご覧になった方は知っていると思うが、我が家はゴミ削減のために出来るものは全て手作りを目指しており、ケーキもアイスも食べたければ作っている。でも今日は特別なので、ケーキもアイスも買ってきた。プラスチックの箱に入っているので心が痛かったけれど、一年に一度なので許してくれぃ、と自分に謝った。

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ちょうど食べ終わった頃に届いた母からのメールに

 ”難産だったけど、今思えば楽しかったなぁ。生まれてきてくれてありがとう、嬉しかったよ” 

とあり、本当なら毎年両親に感謝せねばならない日だったのだ、と今更ながら気づく。難産を諦めず、丸一日うんうん唸って台風の中産んでくれてありがとう!

両親は共に20歳という若さで親になるという選択をした。今思えば、彼らの選択と決意により、今日の私がアイスとケーキの両方を食べることが出来たわけで、そう考えると感慨深い。

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ご先祖様が家に帰ってくる今日、私の魂もどうか父と母の元に飛んで行っています様に。多分その魂はチーズケーキとチョコレートの匂いがします。

シマフィー 

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