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何を人にあげられるのか

わがままな人間
身勝手な人間
弱い人間
自分を大事にしない人間
愚かな人間

そばに身勝手てまわがままで心配している気持ちを無下にし跳ね飛ばして、人生の所々でつまづきや事故を起こす。

傍にいるよと示しても次第に諦めなければ怒りに変わって憎しみになりそうだから心の距離を置く。

私はもう、あなたのこと知らない。
何を言っても伝わらないし、心配は絶えない。何度も言ってきた。
何度も伝えてきたつもり。でも伝わらない。

隙間は開けておくけれどもう扉は自分でちゃんと開けて入ってきて。

私の心はいつの間にか閉じてしまったのかもしれない。

そんなある日、来たるべくしてきたと言うかなんというか。。。
覚悟はしていたけど、気が緩んでいた。   

痛みと苦しさと状況にいた彼の目は涙が浮かんでいて「ごめんね」とかすれ君の声だった。触れたくても体は拘束されて、オペに向かう直前だ。
自分がこれからどうなるのか医師に尋ねると、「全身麻酔だから眠りにおちるように意識はなくなります。大丈夫ですよ」と落ち着かせた。

しっかりしなくちゃ!が湧き上がり、時間も時間だから「自分でもやれるところまでやろう」と思っていたのだが、どうにも押しつぶされそうで友人と母に連絡をした。
突然の難に、今回ばかりは堪えてしまった。

見てくれてても、見なくても。
もしかしたら吐き出したかっただけかもしれない。 友人からすぐに連絡が来て「今から行く」と言われた。
深夜まで落ち着かず、やっと帰宅の目処がついた。雨も降り出し、寒かった。
タクシーを拾って自宅に向かった。
マンションの前で友人の姿をみて、誰かがいることの安堵感にすこし緊張の紐がゆるみ、家に入った。

家の中はめちゃくちゃだ。私はきっと、ずっと逃げて目を背けていたのだとおもう。
疲れてしまって気力がなくなっていた。

「ごめん、汚くて。片付けができなくて‥」
「こんな夜中にわざわざ本当にありがとう」

一通りの出来事を話し、あまいもの食べてお茶飲もうと言われ、喉も通らず、甘みも感じない。でも言われたようにしたほうが良いのは分かっているから促されるまま委ねた。

だいぶ混乱していた。
明日はどうしよう。未来の楽しみはいつも1人ではなく、2人だったことに気づき、1人であることの孤独を感じ始める。これも仕方ない。

翌日は、母が駆けつけてくれた。
友人とは違う、母なりの強さで現実に引き戻してくれて、意識を違う方へ向けてくれる。
自分で経験している受け入れ方と、人からもらう安心感で落ち着こうと意識する。

放心状態気味の私に3日間寄り添ってくれた。
さすがに自分も仕事にいかないとだし、悩んで塞ぎ込んでいても自分にできることはない。手続きや不安解消に繋がることを実行し、次の手が来たらまた対応。
それでいこう。

洗濯機のスイッチを入れれば、アラームで時間が進んでいることを教えてくれる。手つかずだった掃除をして(というかやってもらったところのほうが多いかも🥹)、2日ぶりにお風呂に入った。何ヶ月かぶりに自炊をした。
ゴミを捨てて。

私はずっと時間が止まっていたのだ。
時間を進めるんだ。

そして、山積みそうに見える問題も、今の課題と未来の課題にわけて考える。
理論的に行こう。

しかしながら、不幸中の幸いのレベルが徐徐に上がりすぎている。
今回もものすごい幸運でもあったけれど、まるで地獄も隣り合わせ。さすがに怖くなった。また次のフィードを迎えるのだろう。

家の母は裕福ではない。だけど自分で生活をしてきている。お金はないのに人にあげられるものをたくさん持っている。
例えば手作りのこんにゃくとか、手作りの野菜とか、受け入れてくれる包容力とか。
対価をもらうわけではないのだけど、私が知らない所で同級生のと母さんとなかがよかったり、ご近所の人となんだかんだ、職場の人ともわいわいと過ごしているようだ。

友人は、もともと面倒見がよいのだがこの人は相手を選んでいるとはいうけど自分の時間を相手に使うことを厭わない。
もちろん、限度はある。その線引はしているらしい。

ふたりとも思いやりのある強い人なのだ。
私の夫も全身全霊で他人を手助けする人だ。その人を思うあまり熱が入る。

サポートを受け入れながら、自分でやるところは自分でやろう。

私は、自分は相手に何を分けることが出来たのだろう?と考えた。
たぶん、今は考えなくていいのかもしれないけど、頭からはなれない。


笑って話せる日が来るといいな。

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