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今後、起こりうる町のサッカー少年の出場機会問題

こんにちは、守屋です。

子どもたちが試合に出ることに資格などいらない。そうではなく、試合に出るというのは、所属している選手みんなにある権利だ。そして子どもたちの成長には十分な出場機会が必要というのは、育成における考え方の何よりのスタート地点だ。
全員出場は理想ではなく最低条件 育成年代の「出場機会」問題

ドイツで15年以上指導している中野吉之伴さんが書かれたコラムのテーマ「育成・新スタンダード」から抜粋しました。

育成年代の出場機会問題

このような事態の中で、多くのサッカークラブが活動を休止しています。携わっているサッカー教室も例外なく活動を休止することを余儀なくされ、子どもたちにオンラインで宿題や課題を出し、動画で撮影して提出する形を取っています。

宿題は勉強と同じくサッカーが好きな子供であれば積極的にやるものの、そこまで好きではない子どもにとっては苦痛と感じるはずです。そんな日々が長くなればなるほど差が出てきます。

個人的には宿題を出すことより、あるテーマを与えて子どもたちが自由にテーマに対する考えを具現化することの方が思考力、発信力が養えるのではないかと思っています。

今回のブログの本題はここからです。

育成年代も含めてスポーツが再開する目途は立っていません。しかしゴール(卒業時期)は決まっています。今後、入学、卒業に関しても変更があるかも知れませんが、現時点での方針に従って話を進めます。

たとえば再開時期が9月だとします。そこから開催できる大会や試合は限られており、今までより少なくなっているのは明白です。

さらに本業である学業も並行して学んでいかなければならないため、子どもが抱える負荷は想像を超えるでしょう。

そんな状況下で指導者が考えることは何か。それは2つの思考ではないでしょうか。

・仲間たちと過ごす時間を、勝利という結果で喜ばせてあげたい。

・この時期(育成年代)に伝えなければいけないことを、少ない時間で伝えていきたい。

目的と手段を考える

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仲間たちと過ごす時間を、勝利という結果で喜ばせてあげたい

この自粛期間の中、「子どもたちを勝たせてやりたい。再開したら少ない大会で絶対に優勝させて喜ばせてやりたい。」

そんな風に思っている場合、再開後に取り組むのは「勝つためのサッカー」という目的のためになるでしょう。

宿題に真摯に取り組んだ子どもは成長しており、逆に宿題が嫌いで真面目に取り組まなかった子どもは下手になっているかも知れません。

「勝ちたい」という目的を指導者が抱いていた場合、前者の子どもたちを積極的に出場させ、後者の子どもたちの出場機会は減るはずです。

なぜなら自粛期間に宿題を出したはずなのに、やらなかった子どもが悪いと、言葉では言わないものの出場機会という格差で体現するようになるからです。

卒業までの時間が短い、勝たせたい、伝えたことをやっていなかった。そんな焦りや目的が指導者にあれば、子どもの出場機会は減ってしまうのは必然であり、子どもにとってサッカーは楽しくないものと認識するのも早いでしょう。

この時期(育成年代)に伝えなければいけないことを、少ない時間で伝えていきたい。

育成年代が「子どもたちの人格形成の通過点」と考える指導者の場合、勝つことは最重要事項ではなく、伝えなければいけないことを伝え続けた「授かった結果」と捉えるでしょう。

つまり子どもたちに残された時間の中で伝えるのは、勝利という目的ではなく、サッカーが楽しいと思えるか、自分で考えて判断する思考力を養っていくことなど、次の年代で必要となる要素を準備させることです。

そのための手段として、子どもたちに必要なのは試合に出場し実践の中で学ぶ機会を作ってあげることではないでしょうか。試合数は決まっていたとしても、抱えるチームの子ども全員がサッカーを経験すること。

言葉にすると当たり前のように感じるかも知れませんが、実際に町のサッカークラブでは上手な子どもの出場機会が多く、下手な子どもの出場機会が少ない。という図式で成り立っています。

なぜなら「勝つ」という目的のためであり、次の年代への手段として考えていないからです。

すべてのサッカークラブが、決して勝利だけを目的としているわけではないのは知っています。しかしこのような事態の中、再開の目途が立った瞬間からゴールまでの時間を逆計算した場合、指導者もやるべきことを絞らなければいけない決断を迫られることでしょう。

そんな指導者の方針一つで残された時間、サッカーがしたくても勝利という目的のために出場機会が減ってしまう子どもたちが増えてしまうことを懸念しています。

どんなスポーツの育成年代にも言えることかも知れませんが、残された時間が短くなる、または失ってしまった中で、指導者という「教えを導く者」の真価が問われているのではないでしょうか。

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