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美術館での写真撮影について考えてみた。

どうも、しんぐーです。
美術館で作品を鑑賞するとき、あなたはどのようにご覧になるでしょうか?

・一つ一つの作品をじっくり見る。
・興味のあるものをゆっくり観察する。


人それぞれしっくりくるスタイルで鑑賞をしていらっしゃると思います。
私はよく、撮影可能な作品については写真を撮ります。
今後の制作のヒントになりそうなアイデアやエッセンスを抽出するためです。

ウフィッチ美術館の出口付近に、ある映像作品がありました。
作品の前に定点カメラが設置してあり、鑑賞する人々を観察するような構成でした。
写真を撮って一瞬で去っていく人々の姿。美術館で作品が目の前にあるのにも関わらず、撮影に集中してしまいがちです。

今回は美術館で写真を撮る人々について考察したいと思います。

【現状】


・海外では写真撮影OKの美術館も多い
私が巡ったフィレンツェの美術館・教会・文化財等はすべて、撮影可能でした。

・日本には少ない印象
ギャラリーの展示や美術館の常設展など、写真撮影ができる場所もありますが、日本人の意識として写真を撮ってはいけない雰囲気があります。


【写真撮影のデメリット】


・作品に集中できない
作品の鑑賞に対する感動や余韻が少なくなることが科学的に証明されています。
また、写真を撮ったことにより満足して作品をよく見ずに次に行ってしまう方もいらっしゃいます。

・カメラのシャッター音
日本のスマートフォンは、盗撮防止のためにシャッター音が大きく設定されています。周りの鑑賞者の迷惑になってしまうこともしばしば。

・人の流れの滞り
写真を撮るのには時間がかかり一定時間立ち止まることが多いので、人の流れが滞ります。

・作品の前で自撮り
こういった方も見当たります。確かに自分と作品を一緒に残しておきたい、と思う気持ちがわからないことはありませんが、純粋に作品を鑑賞している方々のご迷惑にならない程度に…

・著作権が切れていない作品の商用利用
まだ有名になっていない作家さんは盗作の危機に晒されますし、切れている作品についても、勝手にグッズ化されてしまってはなりません。一眼レフカメラの三脚の使用禁止はこういったことの防止に一役買っているようです。

写真をとっている自分、ここに訪れた自分に満足している側面が否定できません。
美術館に入るのに幾らかのお金を払っています。本物から吸収する、本物からしか受け取れないメッセージや感動を受け取るチャンスです。無駄にしないよう、写真を撮る場合は自分の目的は何かを考えて、それに夢中になりすぎないよう意識が必要です。

【作品の写真撮影のメリット】


・SNSへのアップで知名度UP
これは美術館やギャラリー、アーティストにとってのメリットです。
美術館やギャラリーに来た人がInstagram、facebookなどで宣伝するため、費用対効果が高いです。
また、身近な人が感想を述べたり、おすすめしたりすることで、「行ってみようかな」と思う人が増え、実際に行動に移す可能性が高くなります。

・記録できるので後で見返せる
自分が行ったという思い出やその時の感動を思い返すきっかけになります。作品のディテールを記録することはできませんが、そこから何かしらのアイデアを拾うことも可能です。

【作品を見た感動を忘れないために】

どうしたらデメリットを解決してより作品を楽しめるでしょうか?
解決策を考えてみました。

・撮影可能なエリアとそうでないエリアを作る
人が多すぎる場合や、純粋に鑑賞してほしい場合に有効です。どうして作品の撮影が禁止なのか、一言でも書いてあると親切かもしれません。

・作品の中に入れるスポットを作る
顔出しパネルだけでなく、最近では写真を合成して自分の顔が絵画に反映されたり、作品を模した空間を作ってその中に入れたりするような展示もあります。コストがかかるので一概にいいとは言えませんが、対策の1つではあります。


【まとめ】


美術館やギャラリーで写真を撮ることは、けして悪いことではありません。しかし、度々取りだたされる弊害を解決する方法がありません。
マナーを守り、節度をもった行動をし、たくさんの人が楽しめる展示にしたいものです。

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