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1978 Fender TelecasterBass

1997年ジャネット・ケイのプロデュースを依頼されて渡英しレコーディング
ミックスダウンを確か4~5日で行った。
その際に起用したベーシスト(確かインコグニートのベーシストだっけ)
が持ってきた70年代のフェンダーテレキャスターベースの音をとても気に入って、どうしても欲しくなってその当時イギリスでとても重宝されていた週に二回発刊されているBuy & Sell、仕事の依頼や、ヨガ教えますその他何でも個人間の情報を交換出来る新聞LOOT(現在はウェブサービス)を買って探したらあっけなく見つかった。
場所はロンドンから100kmほど離れた街だったと思う。

電車でも行けなくはないが、その当時仲良くしていたスネイフ(ガリアーノでヴァイブコントローラーという役割を担当していた)に車で連れてってもらうことになった。正式なメンバーとしてカウントされたことは一度もないのになぜか毎回アルバムカバーに出てくる変なあごヒゲのやつだった。

今よりも英語がそんなにうまくなかったのに気が合うちょっと面白い関係だったと思う。ともかく彼と一日車でドライブしてベースの持ち主のところに行った。色はアイボリーで状態は悪くなく即決した。価格は数万円だったと思う(今や30~40万円も出さねば手に入らない)。
ちなみにスネイフの乗っけてくれた車は70年代後半のBMW7シリーズ、今見てもイカシてる。

そこまでして手に入れたこのテレキャスターベース、実はあまり登場機会はなかった。と言うのも、そもそもベースそのものを弾く機会が減って、僕はそれまでにも増してプロデュース業がメインになりつつあったからだ。
ソニーミュージックに移籍しbirdをデビューさせた1998〜99年〜2000年あたりでコンピレーションを含むとアルバム10枚くらい作ったと思う。

その後2000年代はダンスミュージック中心にシフトしたこともありDJ業も活発になって演奏から遠のいていた。
そんなこんなでこのテレキャスターベースをまともに評価して素晴らしい楽器だと再認識するには一昨年十四年ぶりにリリースしたMONDO GROSSO名義のアルバム「何度でも新しく生まれる」まで待たねばならなかった。

このアルバムですら3曲ほど使ったに過ぎないんだけど、時代や志向の変化の中でこのベースの良さがわかる時が来たんだと思った。そこからは演奏のチャンスがあれば100%これを使っている。

そんなテレキャスターベース、元々色が好きで買ったわけではないのでもう一本良いコンディションのもので好みの濃色系を探していたんだが、なかなか良いものが見つからず今回思い立って手持ちの個体を再塗装リフィニッシュすることにした。塗装を全部剥がし細部の細かな調整もしつつ新しい色に塗り替える。フレットも打ち直した。
まだちゃんと鳴らしてはいないが仕上がりは素晴らしいもの。
普段はこういう情報を共有するタイプではないけどこの工房はとても良心的でオススメだ。カラーリングワークス 
次はジャズベースを預けてみようと思う。




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