見出し画像

建築壁面「削りレンガタイル」記録3、

前回までの記録(2)で、ほぼスタートのモックアップは出来上がったわけだが、この後、実際に着工まで約2年後となった。
モックアップは、あくまで小さな見本の世界、工場の窯で想定する商品を管理していかねばならない。
それも、今回は、二次加工のレンガの表面を削るわけだから、、、、。
削り後の微妙な加減まで管理しなければならない。

2015年見本焼きロット。ロット別酸化・還元

タイルを削った後の、色味を選択する為に焼成後のボディを確認。
裏足面で本体のグラデーションをチェック。
グレー色の土の原料にやや鉄分も含むため、どうしても赤みを無しにすることは難しい。設計者からは、グレー系を扱う場合にいつも指摘されることが多い。しかし、土の(原料)の焼き物の本質的な特徴の一つで、赤みがゼロになれば美しいとも言えない。

工場へ依頼する原料を確認し、要望書をまとめる
窯変の雰囲気が、裏面を確認することで、より明確に感じ取れる。赤・青・緑・黄色
粗面のボディーに、白砂・化粧土をどの程度塗布剃るか吟味する。

工場で本焼きをして、先発の色管理をする。そして、混合梱包比率を決定する。

今までの試作データを利用しながら、梱包比率を決定する。
削りのデータは、モックアップ作成時の経験データから判断して、工場担当者に伝える

通常なら、ここで完成であるが、なにぶん今回はこれを削るという加工をして壁面が出来上がる。全体像を把握していないと、いったいどうなるか他の人はなにも理解できない。
大変な過程を経てここまで来たが、期待とワクワク感しか無い。

次回、「建築壁面「削りレンガタイル」記録4、」施工編へ続く



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?