近現代建築史論 ゼムパーの被膜/様式からの考察【中央公論美術出版】

川向正人 著
A5判/296頁/4,800円+税

被覆こそ建築である。 
20世紀から21世紀へ、建築はどう変化したか。ヴォリュームの建築が被覆の建築へと変化したと、川向は看破した。20世紀はすべてヴォリュームで計測する殺伐とした時代であった。すなわち、建築ですら体積で測られ、体積だけを基準に判断され、乱造され、たたき売られた。しかし、体積の建築は人間を幸せにしない。今、人々は被覆の豊かさを求め始めた。著者は、その転換のルーツが、19世紀ドイツの建築家、ゼムパーにあることを突き止めた。従来の建築史観をくつがえす、全く新しい近現代建築史が出現した。
毛織商の家に生まれたゼムパーが、ギリシア遺跡の石に色が塗られていたことに驚き、非西欧の様々な民族の「小屋」が、素材を織るようにして作られていることにインスピレーションを得て、建築は被覆であり、一種の衣服であるとことを発見するのである。彼の言う被覆とは衣服同様、単なる表層ではなく、人間と宇宙とをつなぐ本質的構造であった。衣服のような、やわらかく豊かな建築が、今よみがえろうとしている。(東京大学教授 隈研吾)
出版社ウェブサイトより引用

著者は,近現代建築史を新たな視座から述べるため,ゴットフリート・ゼムパー(1803〜79年)が提唱した被膜と様式の理論に着目.
全11章の内,8章までがゼムパーの足跡を辿る内容で,『覚書』(1834年)や『建築の四要素』(1851年)などの重要な論考を起点に,生い立ちや当時の社会背景,デザイン,理論を詳解する.
残る3章はゼムパーの理論にもとづき,オットー・ヴァーグナー(1841〜1918年)から現代建築までを,連綿と続く「被膜(サーフェス)」の歴史として捉え直す.18世紀後半以後における建築史の潮流がゼムパーを軸に概括された1冊. (ky)


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