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【記事紹介】「モノ」としての音楽。外部記憶装置としての「CD」

ストリーミング主流の世にあえてCDやレコードを買う意味とは

1つには、音質の問題があると思います。
レコードには可聴域外の音をカットしてないから暖かみのあるふくよかな音なんだとかよく言われます。実際良い音だと思います(先日久しぶりにレコードかけてみたら実感したので)。

もう1つは、あのジャケットの大きさでしょう。部屋のインテリアとしても成立するようなデザインの格好良さがレコードジャケットには特に顕著でした。

一方、CDはと言うとレコードに比して前述のような特徴には乏しく、ストリーミングのような手軽さにも欠ける現在。何だか可哀そうにも思えて来ますが、この記事を読むと、CDというメディアにも活路を見い出せるような気がします。

音楽×美術で相乗効果

この記事、かなりマーケティング的な示唆にも富んだとても素敵な記事です。インディーな活動にも充分活用出来そう。特に室内楽や弦楽四重奏を組んでるといった方々は参考になるのでは。

記事中の展覧会ではマーチャンダイジングとしてCDをいわば「記念品」として扱ってます。展示内容に合わせた時代の音楽をセレクトし、観客の記憶により強く結びつける「記憶装置」としての役割をCDに持たせて売る。これがかなり効果的なようです。
以下、引用↓

しかし、たとえば「マグリット展」に登場したスーリのアルバムは、たった1箇所3カ月の展覧会期中だけで、全国CDショップで3~5年かけて売れてゆくのと同程度の販売数を記録しました。しかもベルギーの制作元がこれを発売したのは2001年。世界的にも15年以上眠っていた在庫が……というわけです。

ミュージアムショップという所は概してそんなに広くないので、そういった場所に置くにはレコードよりもやはりCDの方が適しています(まぁ、レコードはほとんど中古なので構造的に置けませんが笑)。
そして、ストリーミングはやはり「データ」なので記憶との結びつきを考えると「モノ」であるCDに軍配が上がります。

編集と選択する力が大切

なにも音楽に限った話ではありませんが、膨大な情報が日々入ってくる現代においては、「編集」と「選択」はとても大事になっていると思います。

記事で紹介されているCDも、これがミュージアムショップではなく大型のCD店ではとても選択肢に入るような状況にはなかなかならないのではないでしょうか。

あえてCDを買うという行為にまで行き着くには、やはり他との結びつき(ここではアート)やストーリー(背景)があると、より購買意欲が湧くのではないかと考えたりします。

そうすると、仮に今CDショップを開くとするなら一枚毎に店主のレコメンドが入っていたり、また専門店であってもあるテーマに沿ったセレクトがされていると面白いのではないかと思います(実店舗でもネットショップでも)。

クラシックの曲を紹介する時にも、曲そのものの魅力だけではなく、それが作られた背景なども一緒に伝えられると良いなと思っているのですが、それが再確認出来ました。

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