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早起き日記

先月の中旬か少し前くらいから、不思議と朝起きられるようになった。

もともと超夜型人間の篠原。
小学生の時から寝ぼすけの遅刻魔。スクールバスには乗り遅れ、一年生にして三キロメートルの道のりを歩いて通学したことも。
中学生の時には起立性自律神経失調症の診断を受け、高校時代は過敏性腸症候群のために乗り換え駅でバスを逃し、上京して専門学校時代は銀座線に駆け込もうとして線路と電車の間に足を踏み外し、足の甲にヒビを入れる。
就職してからは過敏性腸症候群に泣かされていつも滑り込みタイムカード。
それでも、生活費足りないので、ホテルの朝食ウェイトレスや警備員の仕事なんかもして始発暮らしもしたけど、続かなかった。

妊娠出産してからは、夜泣きが三年続いた長女と、アトピーで添い寝必須の次女のおかげで、キウィハズバンドの夫が朝の支度をしてくれるようになり、朝はいつまでも寝てよい暮らしだった。
小説家デビューしてからは、さらに昼夜逆転の生活に拍車がかかる。

そんな生活が二十年以上続いてた。

つい最近、朝起きれないのと夜型人間は遺伝子で決定されることが、どこかの大学のリサーチで証明され、ふくろう体質の篠原も「宵っ張りの朝寝坊は根性なしの怠け者」というレッテルは剥がしてもいいことになったらしい。
実際、夜の方が読み書きの仕事に集中できるし。

嬉しいけど、寄る年波で夜の仕事もつらくなった。目が霞んで読めない。誤字脱字誤変換も増えた。なにより、一日中ぼーっとして、どの時間帯でも集中力がもたない。

人間、年を取ると早起きになるというけども、確かに早朝にふっと目が覚めることは増えていた。しかし、朝は疲れている。寝起きからもうぐったりとしんどい。眠い。どうかすると頭痛もある。だから五時や六時に目が覚めても、また目を閉じて二度寝して、八時とか、どうかすると十時まで寝ていた。
そして、夜の二時や四時まで起きている。入眠障害であろうと、ロゼラムなどの睡眠導入剤ももらった。
でも早寝早起きの習慣は会得できなかった。
とにかく寝つきが悪いので、常に睡眠不足。

どんだけ頑張っても、昼夜逆転の生活から抜け出せなかった半世紀+の人生。
それに変化が起きたのが先月の中頃あたり。

9月8日、夫が二泊で出張した夜。ふっと思い立って長いこと飲んでいなかったブランデーを買って、ひとり酒盛り。夫はバーボン派で、ウィスキーを体質的に受け付けない私は蒸留酒はほとんど飲まない。
他にも、体質的に受け付けないお酒というのはある。白ワインは飲んだらその夜に頭痛がする。赤ワインはまあまあ。日本酒は翌日に残るのと残らないのがある。ラムは好きだけど、なんか酔わない。ジンとウォッカは体調次第。
中でも、ブランデーは酔っ払うほど飲んでも、翌日まで残らない。ただ、お財布にきついのでながいことご無沙汰だった。
急に思い出してセントレミーの小瓶を買った。半分飲んで、酔っ払って寝た。翌日、五時にパチッと目が覚めた。アルコールは少し残っていた感じだけど、体が楽だった。いつもベッドのマットに貼り付いて5Gくらいの重力に抗ってきた朝が、すっくと起き上がれた。
そして、夜中に一度も目が覚めなかったことを思い出した。
もったいないので、すぐにベッドから出て、一日活動した。
その夜も、残りのブランデーをかっくらって寝た。
翌日も起きれた。夜通し眠れた。その日も元気に起き上がれた。

これを三日坊主にせず、習慣づけたいと思った。

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