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【右脳めし】今注目しておきたい絵画ジャンル:美人画

美人画(びじんが)とは

「女性の中にある美」を探求・主題・モチーフ(※)にした絵画です。
江戸時代の浮世絵の流れを汲み、かつては「美人絵(びじんえ)」や「女絵(おんなえ)」と分類されていたものが、1940年代〜1950年代から「美人画」と呼ばれるようになりました。
洋画でも同様の主題であれば美人画と呼びます(神話や伝説、歴史、宗教などを主題にしたものは美人画とは呼ばないことがあります)

※モチーフ:芸術表現の中心となる動機や着想のこと

美人画ブームの流れ

江戸時代の人気浮世絵師は、江戸初期に菱川師宣(ひしかわ もろのぶ、1618年 - 1694年)、中期に鈴木春信(すずき はるのぶ、1725年 - 1770年)、後期に喜多川歌麿(きたがわ うたまろ、1753年 - 1806年)、歌川 国貞(うたがわ くにさだ、1786年 - 1865年)といった名前があがります。

明治末期頃には、日本画家の上村松園(うえむら しょうえん、1875年 - 1949年)、鏑木清方(かぶらき きよかた、1878年 - 1972年)、池田蕉園(いけだ しょうえん、1886年 - 1917年)、北野恒富(きたの つねとみ、1880年 - 1947年)が台頭。
大正時代には、伊東 深水(いとう しんすい、1898年 - 1972年)、竹久夢二(たけひさ ゆめじ、1884年 - 1934年)が人気を博します。

昭和の戦後に名だたる日本画家たちが没すると、日本画における美人画の人気は衰え出しますが、美人画の様式を引き継ぐイラストレーターとして、林静一(はやし せいいち、1945年 - )、中村佑介(なかむら ゆうすけ、1978年- )の人気が高まっていきます。

※林静一さんの名は知らなくても「小梅ちゃん」を知ってる昭和男子は多いはず。中村佑介さんといえば、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのCDジャケットです。

そして平成末期、日本画家の池永康晟(いけなが やすなり、1965年- )の登場によって、再び美人画ブームが起こりました。
今では日本画の枠を超え、油彩、水彩、アクリル、版画、デジタルペイントを駆使する現代作家たちが、美人画の表現を広げています。

※中村佑介さん、池永康晟さんのリンク先がtwitterというところも、時代の変化を感じさせます。

それでは、現代の美人画を楽しめる画集を二冊紹介します。

「日本画家が描く美人画の世界」

現代の日本画家たちが描いた美人画のアンソロジー画集です。
絵画の紹介や画家のコメントも掲載されています。
掲載画家を一部紹介すると...

宮﨑 優 / 池永康晟

山科理絵 / 岡本東子

田口由花 / 坂根輝美

【掲載画家】
池永康晟、阿部清子、宮﨑 優、岡本東子、蒼野甘夏、山科理絵、坂根輝美、大竹彩奈、寒河江智果、イヂチアキコ、桑原聖美、田中 武、加藤ゆわ、財田翔悟、川島 優、田口由花、丁子紅子、佐久間友香、新家未来(敬称略)

「美人画ボーダレス」

こちらは、日本画“以外”の美人画を紹介したアンソロジー画集。
油彩画、水彩画、アクリル画、版画、漫画、デジタルペイントなど、多彩な表現が楽しめます。
こちらも掲載画家を一部紹介すると...

平野実穂

松浦シオリ / オードリー川崎

ひらのにこ / 今井喬裕

マツオヒロミ

【掲載画家】
今井喬裕、入江明日香、内田すずめ、オードリー川崎、加藤美紀、 粉川江里子、紺野真弓、田村吉康、濵口真央、ひらのにこ、平野実穂、 平凡・陳淑芬、松浦シオリ、マツオヒロミ、松本潮里、山本大貴、 米満彩子、吉井千恵(敬称略)

いかがでしたか?
このnoteを書いたのは3月2日の深夜。あと1時間も待たずに日付が変わります。
翌3月3日のひな祭りに合わせて、今回は美人画を紹介しました。

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