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北へ、とにかく北へ vol.44

「え、え、?豊、いったいこれはなのなの?どういう、、フガッフガッ」

JAL149便 18時30分発 青森行き
機内はほぼ満席。乗客で埋まっていた。

突然現れたミカに竹田は動揺したが、これまでの経緯を1から説明するのも大変すぎるので、流れで機内まで連れてきてしまったのだ。

乗客は全員、滝沢カレンだった。
そして、全ての滝沢カレンが2人をジッとみつめていた。

(コロイドが、さっきまで一般客のふりをしていたんだ、、)

「お、おう。まあ、おいおい説明するから、まず座ろう」

明らかにフガフガ言っているミカを4列シートの真ん中の空いている席に促した。

進行方向に向かって、滝沢カレン、竹田、ミカ、滝沢カレンの並びだった。

ビコーーン!突然の電子音。


「アテンションプリーズ」

『スチュワーデス物語』の滝沢カレンが機内アナウンスを始めた。


「本日も日本航空をご利用頂きまして誠にありがとうございます。

この飛行機は、羽田発、幸せ行き でございます。

離陸後の飛行時間は甘い甘い新婚性格、事情が許す限りの出産、育児やたまにの夫婦喧嘩などを様々な人間関係を描きながら飛行を続けてまいります。

到着地の天候は雲ひとつない快晴、気温熱々、湿度はベタベタのため測定不可能と報告されております。」

(こ、これは、スチュワーデスの寿アナウンス!)

竹田たちを挟む形の滝沢カレンは、ミカに向けて

『F××k you!』

と中指を立てた。


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