子どもを産み育てるのが難しいと思う3つの理由

この記事で、子育てを「育てなきゃいけないなんて思う必要はない」ということを述べた。それとは別に、子どもを育てる自信がない理由として、二つ耳にした。収入面と、パートナーの問題。
https://note.com/shinshinohara/n/nccaada329f0a?sub_rt=share_b&d=c

今の若い人は低賃金化が進んでいる。関西では関関同立といえば名門私立大学だが、その卒業生ですでに数年働いているにもかかわらず、手取り15万だと聞いた。同級生でそうした人が多く、年200万を超えると「多いね」という状態だという。一人暮らしは困難。

「一人扶持(ぶち)より二人扶持」というけれど、結婚しても楽になるのは子どもがいない間だけ、子どもが生まれてしまうと片方の収入に頼らなければならない時期が来る。場合によっては片方が仕事をやめなければならない。となると、低収入で子どもを産むことは困難、という。

もう一つの不安が「パートナーの子育てへの参加」が期待できるかどうか、という点。まだまだ旧世代な考えの男性は少なくなく、パートナーが子育てや家事は女性がするもの、と考え、信じ込んでいると、とても子どもを育てる自信がない、という。

これを指摘すると、そうした考え方の男性は「昔の女性はみんなやっていた、だからできないというのはおかしい」と考えるらしい。しかし社会状況がまるで違っている。昔は隣近所にも子どもがいて、子育て世代がいて、そうした人と相談したり協力し合うこともできた。しかし少子化が進んで。

近所に全く子どもがいない、というケースが少なくない。昔の個人商店や小さな地元企業の就職なら親戚の協力も得られるが、最近は生まれ育った場所から遠く離れた場所に転勤も普通の話。全く知り合いのいない土地で子育てするハメになるケースが多い。そういう状況になると。

知り合いもおらず、親戚も近くにおらず、相談できる子育て世代の人も近所におらず、「隣は何をする人ぞ」というマンションで近所づきあいもなく、孤独に子育てすることになる場合が少なくない。そんな悪条件が重なった上で夫の子育て参加がないなんて、もう地獄。

女性が安心でき、子どもを育ててみたいな、と思えるようなるには、
①不安を抱えずに済む収入があること。
②子育てを支援する体制が存在すること(特に夫の子育て参加)
③子どもを「育てよう」と思わず、「育つ」のを楽しむ気持ちで。
という三つの条件が整う必要があるのかもしれない。

若い世代は男性でも子育てへの参加意識がかなり強くなっている。その意味で、②はかなり改善してきているかもしれない。それでも「自分の母親はやってきたのに?」と、理解を示さない人はいるようなので、この点、そろそろ常識をアップデートしなければならないように思う。

改善が困難なのは、①。若い人の賃金を安く抑えることは、社会全体が将来を自ら潰しにかかっているようなもの。少なくとも、年齢を重ねるごとに昇給できるようにするのか、若くても生活に困らない程度の賃金に上げていく必要があるように思う。

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