MBAって必要なの? その2

Education paysはシンプルだけど私がExecutive MBAにチャレンジするのを後押しした言葉だ。これは単にMBAはリターンが良いですよということではない。まずEducationはMBAだけを指すのではない。学ぶこと、教育をうけること、という意味だ。次にpaysも単にお金ではなく、報われるという意味で、この報われるというのも色んな意味でとれるし、まあ勉強しておいて後悔することはないんでしょう。それはそうなんでしょう。

でも我々ビジネスパーソンには現実的な制約がある。まず、時間。子育て、仕事、家事。アメリカに来るまでは共働きだったから、子育てと仕事、家事で精いっぱいだった。よく子育ても家事もろくにやらない男性の上司が「俺もたまには料理をやるぜ。この間の土曜日も朝から海釣りにいって夕方にナメロウを作った。家内にもおいしいって褒められるんだ」とかいって女性社員が「XXさん、すごーい。料理するなんてえらーい。今度食べてみたーい。」とかいうシーンとかあるけど(最近は知らないけど、昔はこんなシーンばっかりさ)、私に言わせればそんなの料理じゃなくて、家事も子育てもやらない男の単なる趣味だ。さも料理していますみたいな言いっぷりは辞めてほしい。大体土曜日に一人で釣りなんていけない。・・・といじわるく思っちゃうくらい時間がない。だから、Education paysと言われても、困っちゃう。

次に仕事がある。やっぱり2年間、仕事から離れるのはリスクがある。そもそも今の仕事が面白く、自分が本気になれるのならもうそれが一番だと思う。そして出世に必要なのは実績と周りからの後押しだ。仕事の実績に勝るブランドはない。彼はMBAを持っているからあのポジションを任せようなんて、ならない。彼はあのプロジェクトをこんな風にこなしたから、あのポジションでもきっとこうできるだろうといって役職は決まっていく。

次にお金の問題だ。MBAの授業料は高い。フルタイムでやるとなると給料もなくなるので、本当にお金がかかるだろう。私のようにExecutive MBAは仕事をしながらできるけど授業料が日本人の感覚からするともうぼったくりですかというくらい高い。私の場合は転職も考えていないので、EMBAをとったところで短期的に給料が上がることはないだろう。ちなみにMBAの投資リターンを謳う学校や資料があるけど、MBAを受けるような上昇志向がある人と、全体の平均を比較していることが多い。これは間違っていると思う。我々が知りたいのはあくまで同じ上昇志向の程度の人がMBAを取った場合と取らない場合の給料の上昇率の差が知りたいのである(MBAによるキャリアチチェンジが必要ない場合で考える)。多分そんなに変わらないか、MBAに行かない方がいいのではと思う。

もっといえば、MBAの価値は今後全体的に下がっていくと思う。もう下がってきているんじゃないかな。分析のフレームワークなんて、ググればいくらでも出てくるし、現在価値だって丁寧な解説付きの記事が一杯でている。というわけで知識が手に入りやすくなったことが一因。次にオンラインMBAだ。おそらく大学は売上や利益を求めるとオンラインMBAを拡大する。生徒にとっても大学にとってもコストが圧倒的に安い。だからオンラインMBAが増えて、MBAが手軽にとれる時代が来ている。供給が増えるので一般的なMBAの価値は下がっていく。

じゃあ、今の仕事がんばるかって話ですね。その3に続く。

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