アスリートに“筋トレ”は必要か
noteをご覧いただきありがとうございます。
前回書いた記事、『私の筋肉年表 “https://note.com/shinto_sc/n/n2b3f8dbf2452?sub_rt=share_crp “ 』を、意外にもチームメイトたちが読んでこれたこともあって、しばらくは記事の内容をアスリートにとって読みやすいもの、なんならうちのチームの選手が読んでちょっとタメになるもの。くらいの感覚で書いていこうと思います。
それってなんかエビデンスとかあるん?とつっこまれると苦しい話もでてくると思いますが、自分自身トレーニングとアスリートには真摯に向き合ってきたので、適当なことを書くつもりはありません。
できるだけ読みやすく、そしてちょっとおもしろい。そんな記事を目指してちょこちょこ更新していくので、よければお付き合いください。
それでは、今回のテーマ『アスリートに“筋トレ”は必要か』について書いていきたいと思います。
アスリートに“筋トレ”は必要か
この仕事をしていると、アスリートだけでなく、コーチや、時には同業の方からも「筋トレってやった方がいいですか?」と問われることがあります。
賛否はあるにせよ、自分としてはお互いの意見を擦り合わせる絶好の機会だと思っているので、大好物な話題です。黙ってスクワットしとけよとは言いません。思ったとしても。
結論から言うと、競技種目や時期によって優先順位(練習やオフとのバランスなど)が変わることはあっても、間違いなくやった方がいいと考えています。
この考えが揺るがなくなったのは、ラグビーのトップチーム在籍時に、各国の代表になるような選手たちがこぞってベースストレングス(基礎筋力)の重要性を語ってくれた(通訳を通して)からです。
コンタクトを繰り返す自分たちにとって、フィジカルは絶対に必要。だからシーズン中でもしっかりストレングスには取り組むんだ。誰に聞いても同じ答えが返ってきます(通訳を通して)。
一方で、アスリートに必要な要素は筋トレだけで満たすことはできません。
先にも書きましたが、やることの多いアスリートには優先順位をつけることが大切で、心を鬼にして「ほんまに筋トレやってる場合か?」と諭すこともあります。
可愛い子には旅をさせよ。子供はおろか結婚もしていないので気持ちはわかりませんが、たぶんそんな心境です。
これに関しては、アスリートのパフォーマンスは
“フィジカル(筋力や体格、体力) × 技術 + 戦術など“
と考えるとイメージしやすく、どこを伸ばさないといけないかでアプローチを変える必要があるからです。
フィジカルだけで他を蹂躙するような怪物には憧れますが、たいていのトップ選手はフィジカルが怪物な上に技術も圧倒的に高いです。
自分のフィジカルを競技で発揮するために競技ごとの技術があります。
高めた筋力を競技に必要な形で発揮する、競技に必要な体力要素を鍛える、自分たちの戦い方を磨きあげる。勝つためにはアプローチをカスタマイズすることが重要です。
筋トレ
今回、トレーニングを“筋トレ“と書いたのには理由があって、トレーニングには筋力向上以外にもたくさんのメリットがある中で、今回はあえて筋力向上に焦点を当てたかったからです。
ベンチプレスの動きは競技にはない。そんなことはベンチ200kgあげてから…
これ、結構言われることなんですが、まさにその通りで、だからこそいいんだと声を大にして言いたい。
なぜなら、筋トレの最大のメリットは
“競技より安全に、効果的に筋力を向上できる“
ことだからです。
練習だけで競技に必要な筋力を“怪我なく“向上できればそれに越したことはありませんが、技術の習得と筋力の向上は必ずしも(というかたいていは)イコールではありません。また、練習の強度があがれば怪我のリスクも高くなります。
練習ではアプローチしづらい筋力を筋トレで補い、筋トレでつけた筋力を競技に活かせるよう技術を磨く。
もっと言うと、0か100かではなく、この間にある筋力と技術を繋ぐようなアプローチがあればこそなんですが…これは書きだしたらさらに長くなりそうなのでまた後日にします。
少し話を戻して、ベンチプレスの動きは…の理屈で考えると、懸垂のように宙に浮いた状態で引きつけるようなシーンも競技にはそうそうありません。でも、そんなこと言う人に限ってベンチプレスより懸垂をやれと言います(偏見)
もうね、どっちもやったらいいんですよ。
どっちがいいですか?じゃなくて、どっちもやったらいいんですよ。
必要ならどっちもやるんです。ただし、大事なことなので何度も書きますが、アスリートの時間は有限なので必ず優先順位はつけるようにしましょう。
トレーニング時間が週に30分×2回しかないのに(シーズン中だとよくある)ベンチプレス、次にダンベルプレス、その後にフライ…なんてやってると、あっという間に30分なんて過ぎてしまいます。
ちょっと熱くなってきたのでこれくらいにしたいと思います。
まとめ
アスリートに筋トレは必要という考えは、おそらくこれから先も変わることはないと思います。
ただ、ここ数年の自分自身の心境を振り返ってみても、常にハードワーク!いつだってオールアウト!!的な考えから、必要なんは間違いないけど、ちゃんとアプローチは選ばなあかんで、と思うようになりました。
ハードワークは絶対ですが、ハードワークするためにも準備が必要です。
“身体を鍛える“だけで終わらないよう、その先をイメージして筋トレに取り組む、筋トレを選択するといいと思います。
トレーニングに関するコラムの配信とプログラムの販売をおこなっています。パーソナルトレーニングほどカスタマイズしないかわりに、ライトなプログラムをたくさん更新していきたいと思っています。よろしくお願いします。