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転校

こんにちは、今日もお疲れ様です。結城りんねです。


僕は小学生の時、父親の転勤の都合で転校生というものを経験しています。

転校っていうのは人生の中でも指折りの刺激的な出来事なわけです。

子どもですから、まあ多少のストレスはあるんですが、個人的には一回くらいやっておいても悪くないんじゃないかなと思ってます。

やはり転校生っていうのはものすごく注目を集めるわけです。

学内新聞があれば間違いなく一面をかっさらうことができるでしょう。

前学校でどのような振る舞いで過ごしていたとしても、転校先の学校では良くも悪くもすべてがリセットされてますからね。

まるでハリウッドスターのような気分を味わうことができるんです。

初日にクラスに入ったときの緊張感、雰囲気は忘れられませんね。

年度途中での転校ということで、そのクラスがある程度クラスとして仕上がってきている中に乗り込みましたから。

しかし教室に入ったときの歓声はなかなか悪くないものでした。

黒板の前でお決まりの自己紹介をしたわけなんですが、「あ、これドラマでよく見るやつだ!」となんか興奮した記憶があります。

小学生にとって転校生の来校はトップレベルに興味をそそるニュースになります。

当然僕の転校も学年中に知れ渡っており、初日の放課後、僕のクラスには決して少なくない数の他クラスの児童が詰めかけていました。

これがあの「りんね来校」です。
「ペリー来航」とセットで覚えてください。

華やかな来校とは裏腹に、僕は自分で自分の出端をくじきます。

僕は極度の人見知りですが、その人見知りモードのまま一定期間過ごしてしまい、通常モードに戻ることができなくなってしまったんですね。

そんな意気地なしな僕にもクラスメートや他クラスの子はやさしく積極的に話しかけてくれました。

その中でも一番印象深いのはある他クラスの子からの声かけです。

その子はニコリともしない僕に向かってすれ違うたびに「結城くん!」と話しかけてくれる子でした。

ある日、トイレを済ませて廊下を歩いてると彼が現れて、

「あ、結城くん!今日の給食おいしいよ!」

と100点満点の笑顔で言いました。

なんだそれは。

ちなみにその日のメニューがなにか特別だったとか彼の好きなやつだったとかそういうことではないです、きっと。

ただ純粋に、今日も給食が間違いなくおいしいであろうということを、シンプルに全力で教えてくれたのです。

おもしろすぎるだろ。

多種多様な日本語の中であえてそれを選ぶセンス。

正直、転校生に対してはよそ者を揶揄するような言葉をかけてくる人もいるんじゃないかと子どもながらに覚悟してたんですが。

あまりにも予想外の方向性。

僕の気を引こうといろんな子がいろんな言葉をかけてくれましたが、これ以上のものはちょっとない。


まあ、転校っていうのはね、いろんなエピソードをもたらしてくれるわけです。

なんだ、転校ってちょっと面白そうじゃんと思ってもらえたら幸いです。



最後まで読んでいただきありがとうございます!

初日の自己紹介は、イケパラの「芦屋瑞稀です」を大幅に意識しました。



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