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税理士試験の税法科目免除の大学院1年目

今回は、私がビジネスマンとして仕事をしながら、税理士試験の税法2科目の免除を目指すため、2023年4月から日本大学の大学院の経済学研究科の博士前期課程、一般的によく言われる修士課程の税法コースに入学しました。授業はすべて東京ドームの最寄り駅である水道橋校舎にて行われます。

その時間割スケジュールと主な授業の内容を紹介したいと思います。

① 大学院1年目の時間割 

次の表が2023年前期(4~7月) と後期 (9月~1月) の時間割表になります。私が通う税法大学院は2年間で30単位以上を取得すれば修了要件を満たします。いずれの授業も15週で2単位となります。

前期は平日は火曜日のみで、土曜日はほぼ全日授業で埋まり、合計で12単位の取得になります。平日の授業開始時間は18時なので、その日は仕事を17時頃に終えて水道橋の校舎に向かいます。土曜日は朝8時55分から1限目がスタートするので前日の金曜日は夜更かしすることはできません。
尚、日曜日は全く授業はありませんので、自習や家族、友人と過ごす時間を確保することができます!

また、前期では毎週水曜日は予備校TAC@八重洲校で18時40分~21時40分のスケジュールで消費税法の授業に出席していたので、大学院週2日+予備校週1日で通学していました。

仕事 x 大学院 x 税理士試験用の予備校のトリプルタスクを両立させてスケジュールを組むことは、職場の協力を得られなければかなり実現するのは難しいと感じました。

大学院開始前に転職活動をしていて、ある税理士法人からオファーをもらったのですが、大学院の授業開始後にこのタイミングで転職するのは無理だと感じて、転職を諦めました。

日本大学大学院経済学研究科 税法コースの時間割表

後期は、前期よりも1科目増やして合計14単位の取得を目指しています。9月中旬からスタートして平日は火曜・水曜・金曜の週3日と土曜のほぼ全日授業のスケジュールを組んでいます。

前期よりも通学の頻度が上がったので、仕事を17時に終えてから大学院に通う往復の通学時間がやはりもったいないと感じます。

これから大学院に入学することを考えている方は、出来る限り自宅から遠くない校舎のある大学院に通われることをお勧めします。

② 大学院1年目の授業の内容 

1) 法人税・所得税法

  • おススメ度:☆☆☆☆

  • 授業の進め方:どちらも授業開始の数日前~前日に各教授(いずれも国税庁OB)が当日授業のスライド内容を掲載して、予習ができるようにしています。授業はいずれもスライドの説明によるOne wayの講義形式となっています。

  • 成績評価:毎回の出欠確認による出席状況と、期末のある課題に関して自分の見解を記述するA4 2~3枚程度のレポート評価となります。      参考までに前期末課題に対する私のレポートを載せておきます。

2) 消費税法 

  • おススメ度:☆☆☆

  • 授業の進め方:授業開始の数日前~前日に各教授(いずれも国税庁OB)が当日授業のスライド内容を掲載して、予習ができるようにしています。授業は時々事例の質問を考えさせるパートがあり、それ以外はスライドの説明によるOne wayの講義形式となっています。

  • 成績評価:法人税・所得税と全く同じで、消費税に関するテーマを自ら選択してA4 2~3枚で仕上げるものになります。

3) 租税法総論

  • おススメ度:☆☆☆

  • 授業の進め方:租税法判例百選というテキストを用いて、主に過去の法人税や所得税、相続税に関する裁判での争いのあった判例について、説明を受ける授業となります。例えば、給与所得と事業所得の区分の見解について争われた大嶋事件、外国税額控除の制度を利用したりそな外税控除否認事件、ホステス報酬源泉徴収事件などを取り扱いました。

  • 成績評価:授業で取り扱った判例から1つ選択して、その説明をA4 2枚程度で90分間のテストとして論述するものでした。

4) 経営情報論

  • おススメ度:☆☆☆☆

  • 授業の進め方:税法とは直接関係の無い、選択科目として区分された授業ですが、プログラミング言語であるRを習得することが出来る内容です。実際に自らコードを模倣してデータ分析やテキストマイニングにより、特性を掴んで分析を行う形式でした。

  • 成績評価:毎回授業後に与えられる小課題に対してコードを提出するだけのものになります。期末テストやレポートは一切ありませんでした。

5) 演習

2年間かけて準備する修士論文作成のための授業であり、かつ、税法免除のために国税審議会に提出する租税をテーマとした論文を6人ぐらいのグループに分けて1人の担当教授が指導するクラスとなります。

前期は、各人の租税研究テーマの紹介や過去の裁判事例の説明等の資料をスライドに纏めて発表するものでした。演習の授業内にて入試の時に提出した研究計画書つまり論文の概要を発表する機会があり、その際に準備した資料を掲載しておきます。

この準備には、裁判例のウェブサイトから情報を入手したり、書籍を参照したりする必要があるので、大学院の図書館や国会図書館にいってネタ探しする必要がありましたが、文献の検索→内容の理解→要約→発表のサイクルをこなすにはその発表前の準備に想定以上に時間を要しました。

以上が2023年前期の簡単な授業内容の紹介ですが、後期の授業は次回とします。

前期の授業を受けて感じたことは、大学の学部でも同じだとは思いますが、結局その授業に興味を持って参加できるかどうかは、教授の進め方や教え方に大きく依存すると思いました。

特に税法を始めて勉強する人にとって、租税法律主義、文理解釈、予測可能性・法定安定性の確保など初めて聞く単語ばかりで、最初の1~2カ月位は慣れない単語のシャワーに頭を悩ます時期かと思います。

1つ参考になる書籍としては、林修三著『法令解釈の常識』(日本評論社)は読みやすく理解に役立ちました。

また、レポート提出がメインですが、結構期末時期にその課題が重なるのでレポート課題のテーマが発表されたらなるべく早めに取り掛かることが秘訣です!

税法免除の大学院についてもっと詳しく知りたい場合は、個別にお答えいたします!!

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