旅先でのカフェと、本と。
このゴールデンウイーク中に、彼と那須塩原へ旅行に行きました。
宿の温泉にゆっくりと浸かって、
いくつか観光する、のんびりとした旅。
乙女の滝、那須フラワーワールド、ステンドグラス美術館…。
旅行中に寄った、どの観光地もよかったのですが、
今回の旅でわたしの中で印象に残っているのは、
乙女の滝の休憩所にあるカフェ。
宿から車を走らせ、若い葉と葉の間からチラチラ見える木漏れ日や、
木々の間を通り抜けてきた風を浴びて、乙女の滝の駐車場に着きました。
滝を間近で見るのは久しぶり。
上から下へと、真っ直ぐに勢いよく流れる水の塊だと思いきや、
よく見ると、水のビーズが連なっているような部分もあります。
自然には荘厳さだけではなくて、繊細さも持ち合わせているということを感じた瞬間でした。
滝を見た後は、近くの「山水」というお店で美味しいお蕎麦をいただいて、
「乙女の滝 休憩所」のカフェへ。
後々調べて分かったのですが、「ONTARIO」という名前のお店だそう。
わたしはオーツミルクのラテ、彼はアイスコーヒーと、ミルクとレモンのアイスキャンディーを買いました。
地元の方らしい人が、音楽を聴いたりしながら、椅子に座っているのを目にしました。居心地の良い空間で、ちょっと立ち寄りたくなるんだろうなと思います。
レジのあるカウンター脇に、小さな本棚がありました。
よく見ると、作者はばらばらだけれど、いくつかの本が。
その中に、村上春樹さんと安西水丸さんの「村上朝日堂」が収められていました。
オーツミルクラテができあがるのを待っている間に、ぱらりと中を開くと、
村上春樹さんのエッセイに、安西水丸さんのイラストつき。
「これは面白いかもしれない」
そう思った私は、オーツミルクを受け取った後に、
「これもください」と言っていました。
「旅先の出会い」というのは、私の場合、人との出会いだけではなくて、
本もその一つ。
前にも、軽井沢に旅行した際に寄ったブックカフェで素敵なエッセイを見つけたことがあります。
今回も、思わぬところで魅かれるカフェを見つけ、
偶然にもこの本を手に取ったわけですが、
このカフェに寄っていなければ、
この本には出会っていなかったかもしれない。
「楽しんでくださいね」
本のお会計をしたときにスタッフの方が言ってくれた言葉です。
片手にオーツミルクラテ、
もう片手に購入した本を持ってお店の外に出ると、彼が近くのベンチに座っていました。
「これ、買ったの!」
そう報告する私に「よかったねえ」なんて言う彼の隣に座ります。
滝のある方から、緑と水の匂いがする風が吹いて、
自然と深呼吸をし、ゆっくりとラテを飲みました。
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