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毎日更新は、クリエイター寿命を自ら縮めるようなもの。いつか燃え尽きる花火のように。

うすいよしきさんの『クリエイターの弾丸は有限か無限か。』というnoteがあります。

あなたが生きた長い年月の中で、本当に書きたいと思っていることは、実はあまり多くない。初心者が上級者と対等に戦うことが出来る、ありったけの熱量を込められる弾丸は、かなり限られているのだ。『クリエイターの弾丸は有限か無限か』うすい よしき

この文章は「毎日更新派」には、背筋がうすら寒くなるような内容でもあったと思います。

このnoteを読んだ人はチラリと「自分はいくつの弾丸を使ってしまっただろう?いくつ残っているんだろう?」と考えたはずです。

うすいよしきさんのnoteをきっかけに「毎日更新派と、時間をかけて一作を書きあげる派」の話が出ました。たとえば、ヤマシタ マサトシさんは『毎日同じ時間にnoteを書くワケ』について書かれています。竹鼻良文さんの『noteを毎日書くのはプロセスであり、大作を書こうとするのは結果である』など、何人かの方が話題に出されていました。

私はこの3名の方々は、一方的に存じ上げているだけで今回のnoteも掲載の許可は得ていないです。

自分の例を出すのも恐縮ですが…。私は、毎日更新も、時間をかけて一作を書くのも、一応どちらも経験があります。毎日更新は、今まさに真っ最中。まだ、そこまで長くなくて50日すぎたところです。時間をかけて一作を書くのは、ウェブメディアでやっています。月1本ペースでコラムをアップするのを今3年目です。

両方を少しだけかじった身として感じるのは、「そもそも、何かを作り出すこと、生み出すことは自分をすり減らすこと」だということ。自分を切り売りをする、と言ってもいいです。自分というコンテンツは有限なので、いつか、尽きます。そうじゃない人もいるのかもしれませんが…。

特に私の場合、「ずーっと暖めてきた文章をようやく書きあげた」みたいなときは、真っ暗な深淵を覗き込むような気分になります。「自分はもうしばらく、このレベルの文章は書けない。今が人生の一つのピークなんだろうな。」と悟ります。

「自分は、人生であと何回、こういう経験ができるだろう?」と他人事のように感じるのです。

うすいさんのnoteが話題になったのは、クリエイターの方々の心の奥底にはこの「終わりへの恐れ」みたいなものがあるからではないでしょうか。

「終わりへの恐れ」について考えるとき、思い出す一つのブログがあります。2015年に話題になった『人生の賞味期限について』です。

人間が人生の間に持っているエネルギーには限度があり、そのエネルギーは人生の中で減っていく、 なにかに挑戦するにはエネルギーが必要で、エネルギーが枯渇してしまうと、いくら挑戦できる十分な知識と経験があっても、もはや挑戦は できなくなる。このエネルギーが残っている期間を「人生の賞味期限」と呼んでいるということらしい。
ぼくのあまり長くはない人生経験からしても、こういう人生の賞味期限といったものは本当に存在すると思う。『人生の賞味期限について』http://kawango.hatenablog.com/entry/2015/02/14/204032

このブログはエネルギーの話だけでなく、理想と現実についても話されていますが、今回は「エネルギーは限られている」ということのみ言及します。

私は、自分の中から結晶のような作品を生み出せるときはいつも強烈に生きていると感じられます。同時に、遠くにある死も感じ取ってしまいます。

死は、いつか来る。必ず来る。なるべくまだ先であって欲しい。でも、そう簡単にコントロールできるものでもない。

終わりは必ず来るものですが、終わりまでのペースは変えられると思います。個人的に、毎日更新はこの「駆け抜けるペース」を速めるものだと感じます。ずっと、このペースで走り続けることはできない。少なくとも、私は人生の中で限られた時期しかできなさそうです。(そう考えると、ほぼ日の糸井さんすごい。超人。)

毎日更新は、私にとってクリエイター寿命を縮めるようなもの。それはたしかに、怖い。それでも、このまま「永遠にとっておく」こともできない。いつか旬が過ぎれば、どの道使えなくなってしまうこともあります。

それに、怖がって踏み出さないままでは、人生のピークが一度も訪れないことだってあり得ます。そっちの方がよっぽど怖い。

たとえるなら、まるで花火のよう。一度、火をつけてしまったら、もう戻れない。いつか終わりが来てしまうと分かっていても、この道を行くしかない。なるべく、力強く、長く輝こう。それが、たとえ儚い一瞬だとしても。

自分の一度きりの人生を、書ききっていきたい。


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